お早うございます。松竹大谷図書館の武藤です。あっという間に3月の最終週となり、当館のある東銀座周辺も桜が満開となっております。好天にも恵まれ、笑顔で桜の木を見上げながら街歩きをする人が多くみられる今日この頃です。

 

さて、このプロジェクトのご支援で、株式会社資料保存器材さんに制作していただいた「タトウ式保存箱」というオーダーメイドのアーカイバル容器ですが、いよいよ3月から箱の背にタイトルを書き入れる作業を開始しました。そして、タイトルの記載が終った保存箱に映画スクラップを入れる作業を、昨日の整理休館日に行いました。今回はその進捗状況をご報告いたします。

 

左の写真が「タトウ式保存箱」です。このように開いた状態で納品されました。一つ一つスクラップのサイズを測って作られているので、識別するために、株式会社資料保存器材さんに制作をお願いした際にお渡ししたスクラップのリストの番号が、各保存箱に小さく付けられています。この番号とリストの番号を突き合わせて、それぞれの保存箱に入れる作品のタイトルをボランティアの方に、毛筆で箱の背に綺麗に記入していただきました!

タイトルの記入が完了し、組み立てられ、背の下部にラベルを貼った状態の「タトウ式保存箱」です。まだ中にスクラップは入っておりません。

さあ、いよいよスクラップを保存箱に入れていきます。

こちらは新着情報でも何度かご紹介しましたが、「GasQ(汚染ガス吸着シート)®」です。空気中の有害ガスや資料などから揮発した有機化合物を吸収するシートです。スクラップをこのGasQ®でくるんで「タトウ式保存箱」に入れることで、資料に有害な要因を取り除き、資料の劣化を遅らせることができます。

スクラップを保存箱に入れます。箱に書かれたタイトルとスクラップのタイトルが同じか確認してから、右のようにスクラップをGasQ®にくるみ、慎重に入れていきます。ひとつずつスクラップに合わせて採寸してあるので、隙間もなく、ピッタリと収納できます。

留め具を留めて…収納完了です!この「タトウ式保存箱」に収納している、戦前から昭和27(1952)年までに製作された作品のスクラップは大変傷みが激しく、閲覧での使用のみならず、書架に立てているだけでも自重で破損が進んでしまう状態でした。しかし、このしっかりとした厚みのある保存箱に入れることで、破損を防ぐことができ、また、埃や、温度・湿度の変化、光や大気中の酸性ガスといった様々な劣化要因からスクラップを保護し、劣化が進行するのを抑えることができます。

スタッフ全員で、スクラップを保存箱に入れていく作業をしていきます。

保存箱に収納したスクラップを、書架に並べていきます。

 

この日、58冊のスクラップを保存箱に入れ、書架に並べることができました。比べてみると、保存箱の大きさがそれぞれ微細に異なるのが、よくわかります。まさに、このスクラップのためだけに作られた、世界でただ一つの「宝箱」です!

 

夕方には、株式会社資料保存器材のスタッフの方にご訪問いただく機会を得られましたので、書架に並べた「タトウ式保存箱」をご覧いただきました。背文字が立派に入った様子を見て大変喜んでくださいました。また、収納作業を進める上での様々なアドバイスをいただき、今後の作業の励みになりました。

 

夏前までには、全233冊のスクラップをアーカイバル容器「タトウ式保存箱」に入れて保存することができるよう、作業を進めていきたいと思っております。

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