
寄付総額
目標金額 1,500,000円
- 寄付者
- 117人
- 募集終了日
- 2021年9月17日
シリアの思い出(パルシック レバノン事務所 風間満)
こんにちは。パルシックです。クラウドファンディングも残り11日となりました。ただ今、達成率55%です。目標達成まで、ぜひ、皆さま、あともう一押しをお願いいたします!
さて、今日は、パルシック レバノン事務所でシリア難民支援の事業に携わる風間が、学生のときに訪れたシリアの思い出をご紹介します。それは、まさに内戦が始まった2011年3月でした。
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私がシリアに行ったのは、2011年3月でした。
当時の私は大学2年生の冬休み期間中。大学3年の前期を終えてから、1年間のアラビア語の語学留学を考えていたため、とりあえず候補の国であるエジプトとシリアを見てみたい、また当時から関心のあったパレスチナにも行ってみたい、オスマン帝国文化の講義も出ていたのでどうせならトルコも(眼中になくてごめんねヨルダン)…と初めての海外旅行にも関わらず、お家にいるのが大好きな人間にも関わらず、イスタンブールからカイロまで陸路で行く丸1カ月間のひとりバックパック旅行を計画しました。今から思えばかなり無謀で、計画と言ってもこの国には何日間いる、というくらい。
アエロフロートでイスタンブールに入り、2〜3日過ごしてから夜行バスで約6時間かけて首都アンカラへ。その日は約10kgのバックパックを朝から一日中背負ってアンカラ城を上り、アタテュルク廟をみて、その夜アンカラからシリア国境沿いの街、アンタキヤまでまた夜行バスで約7時間かけて移動。そこからバンに乗り替えてトルコ・シリア国境を越え、アレッポへ。
しかしアンタキヤに着く前に感じ始めていた体調不良が悪化しはじめ、その晩、下痢と嘔吐を繰り返し、赤痢にかかったことを悟りました(見て、わかりました)。
ほとんど水を持っていなかったので脱水症状を起こしながら、ホステルのおじさんに病院を教えてもらい、なんとかタクシーに乗って病院へ。「多分赤痢だと思う」と言うと、優しそうな女性看護師さんが、「しばらくすれば元気になるよ」と笑顔でお尻に注射を打ってくれました。お金を払おうとすると、なんと、お金は不要とのこと。外国人からも医療費を取らない寛容さに驚き、とにかくありがとうとしか言えず、病院を後にしました。しばらくすると実際、胃の調子は悪いものの徐々に歩けるぐらいには体調は回復し始めました。
アレッポのスークのスカーフ屋さんで、店主のおじさんが「これは化学繊維じゃなくてシルクだよ、ほら」とスカーフにライターの火を近づけて見せてくれ、本当にシルクなのかはよくわからないながらも、少し値切って2000円ほどで3枚買ったり(適正価格だったかは分からない)、お土産用に綺麗に箱詰めされたアレッポ石鹸を買った(10年経った今でも使えずに押し入れにしまってある)、ローマ式公衆浴場であるハンマームに行ったり(垢すりをやってくれる人がいて、見たこともないくらい垢が出た。濡れた髪もタオルで拭いてくれた。)、アレッポ城(レバノンの歌手、フェイルーズの歌が流れていた)を見て周りました。
アレッポで約3日滞在した後、アレッポからダマスカスのヒジャーズ駅へ360kmの鉄道旅。羊や山羊の群れ、人々の姿、緑豊かな農村地帯、夕日を浴びた広大な沙漠、モスクや教会(記憶違いでなければ)。シリアの地理的、宗教的多様性、豊かさの一片を感じ取りました。
あまり旅客はいませんでしたが、アレッポ出身でダマスカスの大学に通っているという人懐っこい同年代の青年が話しかけてくれ、アラビア語と英語で会話し、アラビア語の歌やクルアーン(コーラン)の朗誦を携帯電話のスピーカーで聴かせてくれたり、終点のダマスカスについた時には「知り合った記念に、お互いの切符を交換しよう」と提案してくれ、交換してお別れしました。
ダマスカスでは、アラマーニー公園の近くのホステルに泊まりながら、私が留学を考えていたダマスカス大学の外国人向けアラビア語センターに行ったり、スークハミディーエというスーク(市場)や、なんとも美しいウマイヤドモスクを見たり、国立博物館でいかにシリアが歴史と文化が豊かな地域かを学びました。
しかし、そんな楽しい旅行が一変します。
3月11日の朝、ホステルのロビーに行くと、「日本人?日本が大変なことになってるぞ!」と人々がテレビを指差した先を見ると、東日本大地震の津波の映像が流れていました。すぐさま、近くのインターネットカフェに行って家族や友人にメールで連絡を送り、安否確認を行い、数日間はインターネットで情報収集を続ける日々が続きました。直接の知り合いは幸い無事でしたが、あまりの惨事に心が沈み、胃の状態もまだ完全には回復せず、1枚30円のピザ(マンウーシェ)を何枚か食べるだけで体力的にも元気がない状況でした(なので、今思えば食べるべきだった料理をほとんど食べられていない)。
そんな中、心の支えとなったのが、シリアの人々の優しい気遣いでした。すれ違う人々が、もちろん初対面なのに、「家族は大丈夫?」、「日本の人々の平和を願います」等と、どこにいっても声をかけてくれたのです。
それでも精神的にも体力的にも疲弊してしまった私は、「とにかく元気を出さねば!何か良い場所はないかな」と「地球の歩き方」をめくって見つけたのが、ラタキアにあるチョコレートソースとイチゴがたっぷりのったクレープのお店でした。ダマスカスから350kmほども離れており、これから南下し、ヨルダンを通ってパレスチナのヨルダン川西岸に向かうのに、方角的にも逆方向でしたが、クレープを食べたいという一心でラタキアへ。
地中海に面した港町ラタキアは、それまで訪れたどの地域よりも開放的な雰囲気で、女性がスキニージーンズを履いていたり(当時、スキニーは日本でも流行っていたトレンドのオシャレアイテムだった)、おしゃれなレストランがあったりしたのを覚えています。御目当てのクレープを売っているレストランも、アメリカンな内装で、クレープも予想通り最高で二日連続で食べました。
元気が出てきた私は、ネットカフェで情報収集をしてから、海沿いを散歩していると、下校中と思われる好奇心旺盛な10歳くらいの男の子2人が話しかけてくれ、口語ではなく文語の正則アラビア語を話すアジア人を面白いと思ったのか、2人で街を案内してくれました。
「ここが港だよ」、「これは前の大統領の像」、「ここで写真を撮ってあげるからそこに立って」、「ここで一緒に写真を撮ろう」…などなど。挙げ句の果てには、「シーシャ(水タバコ)は好き?」と聞かれ、「吸ったことはないなぁ」と言うと、海沿いの道端にあるカフェに連れて行ってくれ、シーシャとコーヒーをご馳走になってしまいました(ここでも記念写真を撮ってくれた)。お金を払おうとすると、「お客さんだから払わなくていいよ」と何度も言われ、10歳ほどの少年に奢られてしまいました。
別れ際、ふと気づくと、パスポートがないことに気づき、「もしかしたらさっき寄ったネットカフェかも…」と思い少年2人と戻ってみると、店員のお兄さんが、「忘れ物だよ!気をつけて!」と言ってパスポートを笑顔で渡してくれました。そして、少年2人とも笑顔でお別れしました。
その後、ダマスカスに戻り、3月15日、陸路でヨルダンへ抜け、シリアを後にしました。
その日の夜、シリア南部のダルアーで抗議活動が起き、治安部隊と衝突した、と言うニュースを見たのを覚えています。この事件をきっかけにシリアは10年経った今も続く紛争状態に突入し、38万人が亡くなりました。
当時知り合った親切で人懐っこい人々が、今どこでどうしているかは全くわかりません。シリアを気に入った私は、どうせまた半年後には留学で戻ってくると思っていましたが、10年以上経っても戻ることはできていません。
あの時親切にして頂いたシリアの人々に、少しでも恩返しできればと思いながら、日々活動しています。
ギフト
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