約1週間ほど前の12月10日(日)、ノルウェーのオスロでノーベル平和賞授賞式が行われました。これに合わせて現地では数日間にわたって各種証言交流会やノーベル平和賞記念コンサートなど、様々な催し物が行われました。ピースボートでは1人でも多くの被爆者がこの一連の行事に参加できるようにと、オスロへのツアーを企画しました。被爆者と同伴者との計29名でのツアーに通訳として参加した吉川迪(よしかわ・みち)さんに、現地で一番印象に残ったことについて書いてもらいました。

 

数あるイベントの中でみちさんが一番強く心に残ったのは、ヒバク2世の証言交流会だったそうです。広島で被爆した両親を持つ原爆被害者の2世と、カザフスタンでの核実験の被曝者を親に持つ核実験被害者の2世の交流。今後誰が語っていくのかという問いへのひとつの答えかもしれません。

 

またここにはヒバクシャは広島・長崎で終わらなかったという事実があります。広島・長崎への原爆投下で20万人もの命が奪われた後も、世界の国々はあらゆる形で核の被害者(ヒバクシャ)を出し続けてきました。ゆっくりと環境や人の身体をむしばんでいく核の負の力とたたかってきた人は、世界中にたくさんいます。

 

おりづるプロジェクトでは今後このような「2世の証言」「継承者の証言」にも力を入れていきたいと思っています。

 

(畠山澄子)

 

++++++

 

被爆者と同伴者を含め30人ほどでICANのノーベル平和賞を祝うため、オスロに行きました。私は通訳として同行しました。

 

オスロでの滞在期間中、私たちは様々なイベントへの参加を通して、世界中から集まってきた反核活動家と出会いました。その中でも印象的だったのが、ノルウェーの「No to Nuclear Weapons」という団体で活動するみなさんとの交流でした。

 

”No to Nuclear Weapons”のみなさんとの交流会の様子


そこでは、広島で被爆した被爆者の証言やノルウェーの活動家の方の発言に加え、カザフスタンでの核実験でご両親が被曝したというカリプベク・クユコブさんや広島でご両親が被爆した東野真理子さんによる発言の場もありました。

 

意見交流会に参加し発言したカザフスタンのカリプベク・クユコブさん


近年「被爆者の平均年齢がどんどん高くなってている」ことがよく懸念されます。原爆を経験し、その記憶がある方が語る核兵器の非人道性やその後の放射能の影響は、何よりも力強く、人を動かす力があると私は改めてこの旅で感じました。

 

しかし、直接原爆投下を経験していなくても、直接核実験による被ばくをしていなくても、直接「被ばく」の影響を受けている2世や3世などの方がたくさんいます。そしてその方々が語る自身のストーリーや、その方々が語り継ぐご家族のストーリーは、同じくらい力強いメッセージ性を持っています。

 

発言する広島の被爆2世の東野真理子さん

 

これから、核兵器禁止条約が批准・発効されていく流れの中でも、被爆者の声は必要不可欠です。特に、「核兵器は必要」、「核兵器があるからこそ安全が保たれる」、という考えの人々に証言を聞いて欲しいと感じました。

 

被爆者と共に過ごして一番感じたのは被爆者の方々のポジティブなエネルギーと優しさです。長いフライトのあと疲れているはずなのに、みなさん本当に元気で、オスロという場にいられることに常に感謝をしていました。スタッフにもいつも優しい声をかけてくださり、いろんなお話をしてくださいました。

 

親子での参加、夫婦での参加、お一人での参加の方がいらっしゃいましたが、ツアーの最後にはみんなで家族の様な連帯感がうまれるまでになりました。

 

たいまつパレードに参加するツアー参加者のみなさん
Photo Credit: Ari Beser

 

人間としてどん底ともいえる瞬間を経験された被爆者のみなさんだからこそ、こんなにも優しく、人のことを思えるのではないかと感じました。

 

(ピースボート:吉川迪)
 

新着情報一覧へ