チェイサーは多くを抱えて、そして多くを残して逝きました。

プロジェクト達成後も多くの方からご支援いただき、クヴィックと本格的な訓練を始めて2か月。

特にこの1月半は激動という言葉に尽きる期間となりました。

いろいろとお知らせしたいことがありましたが、気持ちの整理がつかないままでした。長くなりますがお付き合いください。

8月に入り、クヴィックとの合同訓練はやはり信頼関係の構築に大きな課題を抱え、克服には予想以上の期間がかかりそうだと感じていました。
一方、チェイサーは山での訓練を繰り返すたびに若返ったとしか思えない身のこなしと、ベテランとして粘り強く、安定感のある捜索意欲で要救助者を発見していました。

視線の先には訓練士の先生。。。私を見向きもしません(;´・ω・)


お盆を前に家族のガン再発疑いが発覚。精密検査後、ガンであることが確定し、転移の状況を調べる為にPET検査を行うことになりました。

 

結果を待つ間もクヴィックとの訓練を続けるも課題解決の兆しもなく、焦りが出始めましたが、訓練部長から『訓練以前にまずクヴィックを自宅に連れて帰ってみては』とのアドバイスをもらいました。

翌週、クヴィックを人吉の訓練所から自宅へ連れ帰ることにしましたが、移動の4時間半の間、眠ることなくずっと動き回り、寂しそうに鼻を鳴らしていました。

日付の変わる前に到着。移動の間ずっと寂しそうに鼻を鳴らしていたクヴィック。明日のご対面が怖いと思っていました。

 

翌日、まずはチェイサーの縄張りに入っても良好な関係でいられるかを試してみると・・・・チェイサーは後輩として一緒に暮らすと分かったのか、早くも暴風並みの先輩風を吹かせながらケージやガレージ、庭とクヴィックを連れまわし、我が家のルールを教えているように見えました。

初日に庭で撮影しました。チェイサーを見たことがある人は大きさの想像がつくと思いますがほぼ同等です。でかい。。
チェイサーが食いちぎったロングリードを付けてはいチーズ。。

 

クヴィックを迎えて2日目の朝、チェイサーが昨晩のご飯を吐いていました。
毎年夏場に1,2度は吐くので、また、排泄も異常なく、朝食も食べたがるので、あまり気にせずに絶食させて様子をみることにしました。

仕事に出かけ、夕方帰宅すると少し元気のない様子。そして胆汁のような黄色い液体を吐きました。

『むー。』と一瞬思いましたが、クヴィックと仲よく遊び、排泄もします。ここまでは過去経験済みでしたので予定通り、翌日まで絶食して様子を見ることにしました。
 

一夜明けると、明らかにチェイサーの様子がおかしく、食べ物も摂らず、目には黄疸が見られ、すぐに動物病院へ走りました。


検査結果は腎不全。

脱水も進んでおり、一日かけて点滴を行っていただきました。

夕方、自宅へ連れ帰り、吐き気止の投薬とシリンジによる栄養・水分投与を行いましたが症状は回復せず排泄もなくなりました。

病院帰りのチェイサーと、車に乗ってるチェイサーの真似をしたくて飛び乗ってきたクヴィック。
チェイサーの顔が凛々しい。『静かにしろ』と言っているように見えました。。

 

 

翌日も口からの栄養・水分摂取を拒む為、職場へ連れていき、引き続きシリンジを使用した栄養・水分摂取を続け、夕方再び病院へ。

休診日にもかかわらず対応いただき、すぐさま点滴を再開しましたが途中の血液検査では肝臓と腎臓の数値が測定不能な状況になっていました。

 

そのまま翌朝まで点滴をしていただきながら、時折苦しそうにするチェイサーを宥め、励ましながらそばにいました。出動先でケージを隔てて車中泊を行ったことはありましたが、横についていたことは初めてでした。

真夜中の病室。一晩中そばにいたのはこれが初めてでした。
時折苦しそうに咳をしていました。

 

翌朝、私のみ一時帰宅してクヴィックの世話、急ぎの仕事、そして今後チェイサーを看護(床ずれ防止)するために必要なマットレスを購入し、病院に戻ると先生から進行が早く、今後の予測される病状、そしてあまり長くないとの話がありました。

 

苦しさから動こうともがいていましたが、抱きかかえ、膝枕をしながらなでるとおとなしくなりました。甘えたかったのでしょうか。

しかし、先生の予測したとおりに病状は進み、11時30分に息を引き取りました。

凄惨な病状でしたが、最後まで子供のような眼差しのまま逝きました。

今までの感謝を伝え、向こうで待っている先輩犬のもとに迷わず行くことが出来るように『どこ?』(捜索中にいつもかけていたコマンド)と最後に耳元でささやきました。

生前最後の写真。子供のようなキラキラした目で最後まで私を見ていました。

亡骸を自宅に連れ帰り、弔いの準備をしていた夕方、4月に取材を受けてお蔵入りになっていた記事を掲載したいと記者さんから連絡がありました。

『実は今日息を引き取ったのです』と伝えるとさすがに記者さんも驚かれていました。

救助犬ボランティアの活動を知って欲しい・・・・・。
応援して欲しい・・・・・。
救助犬を始めたいと思う人が出てきて欲しい・・・・・。
そして何より愛犬と出来る活動は楽しいと思いながら救助犬を続けています。

チェイサーがチャンスを残してくれたのだなと思いました。

 

そして家族からは『PET検査の結果が出たので病院に行く為、火葬に最後まで立ち会えない』と連絡が入りました。
再発箇所からして全身への転移が考えられたためのPET検査でした。
炉に納め点火を見届けて病院へ向かい、骨を拾う時間になって帰ってきた家族から『検査結果は転移認められずだった』と聞き、チェイサーが抱えていったのだろうかと感じずにはいれませんでした。

 

そしてつい先日摘出手術を行い、摘出部分の病理検査結果待ちですが手術中の顕微鏡検査では摘出箇所以外に出ていないのではないかとの診断でひとまず安心しているところです。

 

ところで肝心のクヴィックはというと・・・・・極めて順調に私との信頼関係を構築できています。

自宅に連れ帰る際に訓練部長からは『クヴィックが逃げだすことは無いが、捕まえられない距離を取る可能性が十分にあるので、ケージから出す際には必ずロングリードを着用したほうが良い』とアドバイスをいただくほどでしたが、今ではクヴィックに認められ、呼び込みも服従訓練も問題なく出来るようになっています。
僅か2日間でしたが、チェイサーがクヴィックに吹かせた先輩風が効いたと思われます(笑)。

チェイサーが亡くなった後、生前お世話になった方々、実に70名を超える方々からお花やお供え、お悔やみの言葉をいただきました。ありがとうございました。チェイサーはみんなの犬だったのだなとしみじみ思いました。

 

 

 

 

 

 

 

少し日にちが前後しますが、救助犬仲間が国東に集まり、解体する旧国東市役所庁舎を利用した屋内訓練を実施しました。
その模様はサンクスメールとして詳しくお伝えします。

訓練の様子は地元ケーブルテレビや市報から取材もいただきました。
放送や発刊が楽しみです。

 

・・・・・と、いうような近況を過ごしておりました。
やっと皆様に伝えられるくらいまで心の整理も付きました。国東市役所で行った屋内捜索訓練と別にもう一点、どうしても皆様にお伝えしたいことがありますが、それも次回に分けてお知らせいたします。

 

皆さまへのサンクスメールをはじめとしたリターン送付も滞っていましたが、期限の月末に向けて準備を進めています。
内容がこれまでの新着情報と被る点もあるかと思いますが何卒ご容赦ください。

Facebookページでおすすめプロジェクトを毎日配信しています