みなさん、こんばんは。
田植えが終わり、現在は田圃の草刈りにせいを出しております。が、田植えが長引いてしまったため草が伸び放題。大変です^^;

さて、先日のことになりますが、当プロジェクトのリターン商品「さきくませコラボグッズコース」のデザインをしていただいた木版画家の 服部奈々子さん のアトリエにお邪魔してインタビューをさせて頂きました。

 

 

私:服部さんお久しぶりです。

 

服部さん(以下、服):こんにちは。

 

私:早速なんですけれど、以前に服部さんが「世界に唯一の日本の木版画」という話をされていましたけれど、あれってホントなんですか。

 

服:木版多色刷りっていうのは日本独自だよね。

 

私:そうなんですか。海外にも版画ってあると思うんですけれど。

 

服:うん、そうね。銅版だったり木口木版っていうのがあるよ。木口木版っていうのは木を輪切りにした物に掘ってするの。

 

私:えっ、でも輪切りにした木じゃ、色を重ねたりするのはどうやってするんですか。

 

服:単色。銅版もそうだけれど、単色刷になってしまうの。

 

私:ええっ。

 

服:でも、日本の版画には 見当 がついているから、多色刷りをすることができるの。

 

※赤丸で囲った部分が見当

 

私:なるほどね。それってイノベーションってやつですね!

 

服:そうだね(笑)。でも、日本の版画も最初は赤と墨の二色刷りから始まって、さらに黄色、緑と段々増えていったのだけれど、実は青は江戸の後期くらいになってはじめて使い出せるようになったの。

 

私:そりゃまたなんで。

 

服:海外からもたらされたから。北斎や広重の浮世絵もあの頃だから出来たとも言えるよね。

 

私:ほー。

 

服:ただ、浮世絵とわたしのやっている創作版画はちょっと異なるものになるの。

 

私:どういうことですか。

 

服:浮世絵は、絵師が下絵を描いてそれを版木に貼り付けて、それを掘るの。だから浮世絵は下書きが掘られてしまうために残らないの。それに浮世絵には必ず輪郭線があるの。それは大きな違いと言えるね。

 

私:確かに、服部さんの版画には輪郭線は無いですね。

 

服:私達の場合には下書きを書いて、それをトレーシングペーパーに書き写して、反対の面をカーボン紙で版木に写して、それを彫って、なんどか刷ってみてって感じかな。

 

私:へー。

 

(下書き)

 

(トレーシングペーパー)

 

(試し刷り)


 

 

服:それから浮世絵の場合には、絵師、彫り師、刷り師による完全分業制。私達は、そのすべてを自分でこなすの。

 

私:ちなみに一日でどれくらい刷れるもんですか?

 

服:私の場合は、一日で20枚くらい・・・うーん、どうだろうもう少し少ないかな。

 

私:けっこうハードですよね。

 

服:うん、やっぱり力を入れないとね。そうそう、浮世絵の刷り師の方なんて朝と夕方で胸囲が変わったらしいよ。あばらがずれちゃうんだって。

 

私:いやーそれはそれは。

(コーヒーブレイク)

 


私:ところで、ボクね、是非聞きたいことがあるんです。

 

服:えっ、なに。

 

私:農家の場合には商品って市場の求める規格に合えば売れるわけです。値段も大体想像が付きます。

 

服:うん。

 

私:でも、アーティストの場合には、そういう確固たる市場って無いですよね。価格も作品によってわからない。だからアーティストの方って何を元にして売れるっていう裏付けをしているんですか。

 

服:うーん。たとえばだけれど、日本人って、自分の芸術が理解されていなくて苦しむ芸術家像ってのが好きだよね。アウトサイダーアートがね。

 

私:へー、まぁそうかもね。

 

服:でも、そうじゃない。アートの根底には感覚では無くて思考がある。もちろん最後の決定という部分は感覚があるけれど、あくまで理詰め。私も色の組み合わせは頭で考えている。あのピカソだって若いことはそんなに上手いわけじゃ無い。それを天才たらしめたのは努力だよ。だから、アーティストはアウトサイダーなんかじゃないんだよ。

 

私:へー、なるほどね。

 

 

服:それでね。私は自分が生活をしっかりと送っていれば、その生活の中から出てくる作品は必ず誰かの共感を得られると思っているの。だから私はしっかりとした生活をするの。

 

私:えっ、なんかかっこいい。

 

服:そう。そうかな。

 

私:確かに共感を得られるかどうかっていうのはありますね。それはどんな業種でもそうかもしれない。いやー、ボクもしっかりとした生活を意識しますよ。

 

服:あはは。

 

私:今日は忙しい中時間を取って頂き、本当にありがとうございました。
 

 

 

というわけで、服部奈々子さんのアトリエにお伺いして、色々とお話を伺ってきました。ここに書き切れないですが、シッカリとした生活を送る中から出てきた作品は人の共感を得ることは出来る、という下りにはハッとさせられました。

現在は、個展などの活動を若干控えて、次へむけて助走期間にあてているようでした。

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