舞台芸術を次世代へ繋げ!“巨大人形劇さんしょううお”再上演へ
支援総額
目標金額 1,000,000円
- 支援者
- 208人
- 募集終了日
- 2018年1月15日
『命なき存在の力強さ』監督 沢則行 スペシャルインタビュー
さんしょううお実行委員会の後藤康介です。
募集期間が残り8日間となり、これまでに170人近くの方にご支援をいただいています。本当にありがとうございます。
新着情報ではこれまで、制作裏話を中心にさまざまなコンテンツをお送りしてきましたが、いよいよこの人に登場していただきます。
今回は、監督 沢則行さんのロングインタビューです。
沢則行さんは、1961年に北海道で生まれ、国内の人形劇団などで経験を積んだ後、30代で人形劇の本場チェコに渡り、以来25年以上に渡りチェコを拠点に世界中で作品やワークショップを手がけています。
近年では、故郷の北海道で開かれた「さっぽろ雪まつり」や「ふるさと百餅まつり」で野外・巨大人形劇も成功させているほか、世界各地で進行中のプロジェクトを抱えています。
そんな沢さんが、飯田の地で、僕たちメンバーと作り上げたのが「巨大人形劇さんしょううお」です。
インタビューでは、世界一盛んなチェコの人形劇の歴史、演劇やオペラなどの舞台作品とクロスオーバーが進んでいる「人形劇の未来」、そして「巨大人形劇さんしょううお」の話まで、たくさんのお話を聞くことができました。
きっと僕たちの作品が生まれた背景を深く知っていただけることと思います。
…大ボリュームなので、一杯お茶を入れてからじっくりお読みください。
*****
「人形劇が死んでしまう、という危機感のなかで生まれたのが『フィギュアシアタ』」
Q:本日はまずこの質問からはじめたいと思います。「巨大人形劇さんしょううお」は、一般的に日本でイメージされる“人形劇”とは違うと思います。沢さんが作る作品も“人形劇”なのですか?
これはややこしいぞ。まずFigure Theatre(フィギュア・シアタ)のことを。
ぼくが住んでるチェコは、歴史上たびたび強くて大きな国にやられて来たんですが、オーストリア・ハンガリー帝国時代にドイツ語の使用が公的に強制されていたときも、人形劇場ではチェコ語を使って政治や流行のファッションについて面白おかしく芝居にしていたそうです。そうやってチェコ人としてのアイデンティティを守ったわけです。で、第二次大戦後、今度はソ連の傘下で社会主義がスタートすると、人形劇団は次々と国有化され、劇団員は公務員、芝居づくりも税金で予算化される、というある意味、黄金時代が始まります。
芸術家たちはおよそ考えつく限りの人形を使ったファンタジー、技術的ヴァリエイションをやり尽くしてしまったと聞きました。しかしやがて政治はどん詰まり、国の財政も落ちこみ、お客さんの数も減って、さあいよいよ革命だよ、という時期に、もうとにかく何か新しいジャンルを創造しなければ自分たちが食いっぱぐれてしまう、人形劇が死んでしまう、という危機感のなかで生まれたのが「フィギュアシアタ」という作劇概念でした。
オブジェとか等身大の木彫り人形とか、どう見てもパペットやマリオネットとは呼べないようなモノがチェコやポーランドの舞台に登場し、人間の役者と共演する。ときにはサーカスやアクロバット、照明や音響も以前より存在感が強い。
フィギュア(形態、形象)シアタとは、ようするに開かれた人形劇‥人間も、人形も、仮面も、影絵も‥どんなジャンルともクロスオーヴァできる、形あるものの舞台、ということで学者たちが名づけたジャンルです。これがフィギュアシアタの第一世代。
超巨大なロボット人形で有名なフランスのロワイヤル・ド・リュクスも、カナダのシルク・ド・ソレイユ、南アフリカのウォーホース、ブロードウェイのライオンキングでさえ、ぼくらはフィギュアシアタの進化系、または発展した「機能」と考えます。
なので「さんしょううお」はフィギュアシアタです。
また、デカくても人形を使った芝居なので人形劇だとも思うんですよ、あたしゃ(日本語で云う「人形劇」の定義がよくわかんないんですが‥汗)。
でもね、昨年亡くなったチェコの恩師によく言われました‥
「人形劇と演劇があるんじゃない、良い芝居とダメな芝居があるんだ」
「今の時代に生きる多くの人たちが『隠された本当のことを知りたい』という欲求を強く持っている気がします」
Q:「巨大人形劇さんしょううお」は「フィギュア・シアタ」の歴史の延長線上にあるんですね。「さんしょううお」をひとつの舞台作品としてはどう評価しますか?
完成度はまだまだなんだけど、作る前に考えていた、飯田下伊那でおなじみの生き物がワサワサ暴れて、音楽いっぱい色彩じゃんじゃかで、楽しく笑えて、でも最後はなんだかスッキリしないぞ、っていう味わい(?)は出てるんじゃないかと思います。
あと、さっき説明したフィギュアシアタの新しい世代で「人間の体と人形や動物の造形がひとつにつながって動く」っていうシステムがここ20年ほど世界中で流行ってて、さんしょううおも影響受けてると思います。
そしてこれはぼくの趣味なんですが、そういう人形の構造や、動かしてる仕組みをできるだけお客さんに見えるように作る、「さらけ出す」やり方が好きです。
カエルの長老やイワナなんて、人間の役者とどうつながってるのか、見てるだけで面白いと思う。人間と人形のつながり、関係をさまざまなアプローチでさらけ出してゆくのがフィギュアシアタの本質なので、いつもそのことを考えながらデザインします。それとぼくは今の時代に生きる多くの人たちが「隠された本当のことを知りたい」という欲求を強く持っている気がします。どんなふうにできてるのか、を可視化するのはそういう気持ちに応えたいというねらいです。
「命のない存在が生きてるように動くという力強さは独特」
Q:現在では、人形劇と演劇などの舞台作品に明確な区別はないということですか?
ここまで読んでくれた方には何となくわかると思うんだけど、世界的には人形劇と演劇やオペラ、ミュージカル、映画の特撮の境界線はとてもあいまい、というかまあ、もうありません。
沢もここ数年、いろんな国で大きな人形の芝居、オペラなどを作るチャンスが与えられ、仕事としても珍しくない状況です。命のない存在が生きてるように動くという力強さは独特で、その機能や価値がジャンルを超えてさまざまな方向に枝分かれし活かされてゆく、というのが人形劇の未来かもな、と考えています。逆に云うとそのスピリットが感じられれば、人形が一体も出ないのに素晴らしいフィギュアシアタだなぁ、と思わされるものもたくさんあります。
例えば以前にプラハの大学生と開いた講座では、あらかじめ、一本の懐中電灯と音楽一曲のみを与え、自由に作品をつくってもらいました。
その中のひとつは…懐中電灯による光のしずくが、次々といろんな人の手にわたり、
物乞いと女性との間に恋が生まれ、最後に生命が誕生する…というものでした。
彼らは壁に映る自分たちの身体の影だけを使い、2時間ちょっとでこの作品を創り上げました。
人間以外の何か(なんでもありなんですが)に感情移入させるような、そしてそこにあたかも人間の本質を見るような「鏡」としての機能を発揮するのがフィギュアシアタだと思います。
「芝居づくりのゴールは?と問われれば答えは明快」
Q:次にぜひ聞いてみたかった質問です。フィギュア・シアタの影響を受け、大勢のアマチュアとともに作り上げた「巨大人形劇さんしょううお」は、今後どのように広がっていくことができると思いますか?
ぼくには夢があります。週末になると飯田駅前では巨大人形劇やクラウンがストリートパフォーマンスを繰り広げ、赤ちゃんのバギーを押しながらファミリィが笑っている。そして人形劇場では毎週地元の劇団がいろんなお芝居を披露して、けっこうな数の(ここポイントw)お客さまがやって来る。そういう状況を生み出せる教育、ワークショップが充実して市民の文化活動をいつも下支えしている街‥それが人形劇の街、飯田です。今までその夢を胸に働かせていただきました。
「さんしょううお」は3年前に開いたデザイナ講座で生まれた後藤くんのアイディアをもとに、総勢80名を超えるメンバや応援してくださる市民の方々と必死に創作した、そして手にすることができたひとつの果実だと信じています。
みんなで味わい、うまいとかマズいとか云いながら、長く楽しんだら良い。そして残った種をまた土にまいて、次の世代を大切に育てて行くべきでしょう。
「さんしょううお」のメンバは基本的にみんなアマチュアです。中には「そんなたいへんな趣味なんてやめてしまえ」と家族に釘を刺された役者もいたようです。しかし彼らにはもっとモノづくりや演技、人形操作の勉強を深めてもらいたい、と思っています。独身者も既婚者も、日常生活を営むという大きな仕事の上に、さらに芝居づくりをするたいへんさをわかった上で、なのです。なぜならぼくはちょっと胸が熱くなるような真摯な取り組み姿勢や、何とかうまくなりたいという喰らいつくような視線を、たしかに何度も感じることができたから。
友だち同士見つめあって満足する仲良しサークルから一歩進んで、観客に向かっていっしょに視線を合わせ、少しでも感動してもらえる作品をつくるために前線を進む‥それはプロ、アマを問わずものづくりをする人間が常に持つべき素直な向上心です。そして、ぼくらみんなが汗や涙を流しながら取り組む芝居づくりの最終目標は何か、ゴールは?と問われれば答えは明快です。
「お客さまに感動していただくこと、再び三たびご来場いただくこと」
これに尽きます。これ以外にありません。
***
以上、チェコで生まれた「フィギュアシアタ」の世界へのジャンルを越えた拡がり、沢さんが人形劇をどうとらえているか、そして「人形劇の街 飯田」の未来まで、貴重なインタビューとなりました。
クラウドファンディングはのこり8日間で期間終了となります。
これからもどうぞ応援をよろしくお願いいたします。
後藤
リターン
10,000円
【オススメ】さんしょううおオリジナルグッズ
▼さんしょううおオリジナルデザインのクリアファイル1枚
▼さんしょううおの舞台に登場した人形ペーパークラフト1体
▼音楽家 佐東賢一さんによる、キャラクターソングやテーマを収録した「サウンドトラックCD」1枚
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカード
以上を郵送させていただきます。
- 支援者
- 19人
- 在庫数
- 178
- 発送完了予定月
- 2018年4月
10,000円
【1万円応援コース】ご支援のすべてがさんしょううおの活動に使われます。
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカードを郵送させていただきます。
以上にかかる費用を除いた全てを、さんしょううおの活動に使わせていただきます。
- 支援者
- 58人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年4月
3,000円
心を込めて、さんしょううおのメンバーからお礼のメッセージカードをお送りします。
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカードを郵送させていただきます。
- 支援者
- 123人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年4月
30,000円
オリジナルグッズ+トートバッグ
▼オリジナルトートバッグ1つ
▼さんしょううおオリジナルデザインのクリアファイル1枚
▼さんしょううおの舞台に登場した人形ペーパークラフト1体
▼音楽家 佐東賢一さんによる、キャラクターソングやテーマを収録した「サウンドトラックCD」1枚
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカード
以上を郵送させていただきます。
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 99
- 発送完了予定月
- 2018年4月
30,000円
【3万円応援コース】ご支援のすべてがさんしょううおの活動に使われます。
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカードを郵送させていただきます。
以上にかかる費用を除いた全てを、さんしょううおの活動に使わせていただきます。
- 支援者
- 3人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年4月
50,000円
【企業・団体向け】協賛ボード・チラシにご芳名を掲載【サイズ中】
▼「本番会場入り口の協賛ボード」「チラシ・ポスター」に企業・団体名を記載させていただきます。
※サイズは中となります。
※記載名や詳細については別途ご連絡させてください。
▼オリジナルトートバッグ1つ
▼さんしょううおオリジナルデザインのクリアファイル1枚
▼さんしょううおの舞台に登場した人形ペーパークラフト1体
▼音楽家 佐東賢一さんによる、キャラクターソングやテーマを収録した「サウンドトラックCD」1枚
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカード
以上を郵送させていただきます。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年4月
50,000円
【個人向け】人形劇作家・沢則行の原画+オリジナルグッズ
▼人形劇作家・沢則行氏の「署名入りさんしょううお原画セット」1つをお送りいたします。
▼オリジナルトートバッグ1つ
▼さんしょううおオリジナルデザインのクリアファイル1枚
▼さんしょううおの舞台に登場した人形ペーパークラフト1体
▼音楽家 佐東賢一さんによる、キャラクターソングやテーマを収録した「サウンドトラックCD」1枚
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカード
以上を郵送させていただきます。
- 支援者
- 2人
- 在庫数
- 18
- 発送完了予定月
- 2018年4月
50,000円
【5万円応援コース】ご支援のすべてがさんしょううおの活動に使われます。
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカードを郵送させていただきます。
以上にかかる費用を除いた全てを、さんしょううおの活動に使わせていただきます。
- 支援者
- 2人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年4月
100,000円
【企業・団体向け】協賛ボード・チラシにご芳名を掲載【サイズ大】
▼「本番会場入り口の協賛ボード」「チラシ・ポスター」に企業・団体名を記載させていただきます。
※サイズは大となります。
※記載名や詳細については別途ご連絡させてください。
▼オリジナルトートバッグ1つ
▼さんしょううおオリジナルデザインのクリアファイル1枚
▼さんしょううおの舞台に登場した人形ペーパークラフト1体
▼音楽家 佐東賢一さんによる、キャラクターソングやテーマを収録した「サウンドトラックCD」1枚
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカード
以上を郵送させていただきます。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年4月
100,000円
【個人向け】バックヤードツアー+オリジナルグッズ
▼上演前後のバックヤードをご案内+人形との記念撮影も行っていただけます。
※2018年8月5日~7日のうち2日間を予定しています。
※詳細のご案内を2018年4月中にご連絡させていただきます。
▼人形劇作家・沢則行氏の「署名入りさんしょううお原画セット」1つ
▼オリジナルトートバッグ1つ
▼さんしょううおオリジナルデザインのクリアファイル1枚
▼さんしょううおの舞台に登場した人形ペーパークラフト1体
▼音楽家 佐東賢一さんによる、キャラクターソングやテーマを収録した「サウンドトラックCD」1枚
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカード
以上を郵送させていただきます。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年4月
100,000円
【10万円応援コース】ご支援のすべてがさんしょううおの活動に使われます。
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカードを郵送させていただきます。
以上にかかる費用を除いた全てを、さんしょううおの活動に使わせていただきます。
- 支援者
- 1人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年4月
300,000円
【企業・団体向け】協賛ボード・チラシにご芳名を掲載【サイズ特大】
▼「本番会場入り口の協賛ボード」「チラシ・ポスター」に企業・団体名を記載させていただきます。
※サイズは特大となります。
※記載名や詳細については別途ご連絡させてください。
▼人形劇作家・沢則行氏の「署名入りさんしょううお原画セット」1つ
▼オリジナルトートバッグ1つ
▼さんしょううおオリジナルデザインのクリアファイル1枚
▼さんしょううおの舞台に登場した人形ペーパークラフト1体
▼音楽家 佐東賢一さんによる、キャラクターソングやテーマを収録した「サウンドトラックCD」1枚
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカード
以上を郵送させていただきます。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 1
- 発送完了予定月
- 2018年4月
300,000円
【30万円応援コース】ご支援のすべてがさんしょううおの活動に使われます。
▼心を込めて、さんしょううのメンバーからお礼のメッセージカードを郵送させていただきます。
以上にかかる費用を除いた全てを、さんしょううおの活動に使わせていただきます。
- 支援者
- 0人
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2018年4月