プロジェクト概要

**ネクストゴールに挑戦します!**(6/1追記)

 

今回、みなさまからの温かいご支援のおかげで、プロジェクト開始から18日で無事に目標金額を達成することができました。ご支援いただいた皆様、プロジェクトの周知にご協力下さった皆様、本当にありがとうございます。


これで本を出版することができます。皆様の応援にお応えできるよう、本作りの作業に取り組んでまいります。

 

プロジェクト終了まであと1か月ほど残されていること、そして、いただいたご支援の用途について説明責任を果たす目的から、私たちは次のゴールを設定することにいたしました。

 

もちろん、このプロジェクトや私たちの研究について、より多くの方に知っていただけるだけでも、大変有難く思います。この本がより多くの人々に届くものとなるよう、ご支援とご協力をお願い申し上げます。

 

2017.06.01 障害教員研究チーム(羽田野真帆/松波めぐみ/照山絢子)

 

 

  障害のある先生たちについて発信したい!

 

はじめまして。私たちは、3名の若手大学教員からなる研究チームです。2015年から2年間にわたり、「障害があって学校の教壇に立っている先生たち」へのインタビューに取り組んできました。今回、その成果を書籍という形で世に出したいと思っています。

 

障害のある「子ども」の教育についてはいろいろな活動や研究がありますが、「先生」が障害を持っているケースの研究はほとんどありません。しかし、今回登場くださった先生方の「仕事にかける思い」は、研究者だけでなく、教育現場に関わる人、さらには一般の方が読んでも、「仕事」や「教える」ということについて考えるヒントとなるような学びのあるものだと自負しています。

 

だからこそ今回は、あえて出版助成金の制度は利用せず、クラウドファンディングへの挑戦を決めました。この研究については、大学・研究関係者というコミュニティにとどまらず、広くいろいろな方に知っていただきたいと強く願っています。みなさま、どうかお力をお貸しください。

 

掃除写真

 

  そもそも、障害のある先生の仕事ぶりとは?

 

私たちはこれまで、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、発達障害などがある先生方に取材をしてきましたが、その中で特に印象的だったエピソードを紹介します。

 

■CASE1 工夫を重ねて育んだ「コミュニケーション」のある関係
ーー聴覚障害があり、小学校で教えているA先生

 

近い距離の対話であれば聞こえるけれど、教室の端から児童が発言してもなかなか内容が聞き取れない、というA先生。そのため、「一方的に講義する」形式の授業が一番やりやすいのですが、子どもたちに学ぶ楽しさを感じてもらいたいという思いから、A先生はあえて正反対の授業スタイルに挑戦しています。

 

これまで16名の先生に取材をしました

 

たとえば、教室の机の配置をコの字型にして子どもたちの発言が聞こえやすいようにしたり、ホワイドボードを活用して子どもたちに発表をしてもらったり、子どもたちが書いたものを黒板に貼って「この意見を書いてくれた人、もう一度話してくれる?」などと指名をして個別の意思疎通をはかったり。

 

さらには「視覚に訴える授業を自分の武器にしたい」と、模造紙で資料を自作したり、ICTを活用したり。そんな素晴らしい教育実践で賞を受賞したこともあるそうです。さまざまな工夫を凝らし、「豊かなコミュニケーションのある学級づくり」に取り組んでいるのです。

 

一方で、ふだんから子どもたちに自身の障害のことを話し、「どういうときに困ることがあるのか」を説明してもいるそうです。たとえば校内放送が聞こえないことがある、放送があったことはわかったとしてもその内容がわからないことがある……。子どもたちはそれに応え、サポートをしてくれているといいます。東日本大震災のときも、校内放送がありましたが、そのとき、避難の指示や、その後のやりとりを伝えてくれたのも子どもたちだったそうです。

 

↑クリックしていただくと、事例の詳細を紹介します

 

このように、「障害があるからこそ」の授業や生徒とのコミュニケーションを展開していらっしゃる先生のお話は、教員はもちろん、その他の方にとっても、多くの学びがあるはずです。だからこそ、私たちはこれを研究論文や学会発表だけで終わらせず、広く一般の方に手にとっていただけるような形で世に出したいと考えています。

 

  みなさまからのご支援で、調査の成果を出版します。

 

一口に「障害がある」といっても、いろいろな先生がいて、それぞれの思いをもって教壇に立っています。2016年4月には障害者雇用促進法が改正されましたが、障害のある先生には働きづらい環境がまだまだ残っています。

 

教職をもっと開かれたものにするためにはどうしたらいいのか? 法制度をより現場に寄り添った形で充実させていくためには? そんなことを世に問う一石になればと考えています。

 

『「障害」のある先生たち――「障害」と「教員」が交錯する場所で』(仮題)

■2500円+税(予定価)

■生活書院

■2018年2月刊行予定

■初版1500部、全国書店に配本予定

※ご希望の方には、手話翻訳のDVD(または手話動画のURL)やテキストデータをお送りします

 

学生さんにも手にとっていただきやすい価格にこだわり、手話翻訳の発注やDVDの制作にも費用がかかるため、どうしても通常の出版以上にお金が必要です。どうか、ご支援いただけますと幸いです。

 

(研究代表者の羽田野による手話メッセージ動画)

 

 メンバーのご紹介

 

このプロジェクトのきっかけ

 

これまで個人で「教育×障害」というテーマと向き合ってきた私たち3人が出会ったのは、2011年、教育とマイノリティを扱う研究会でのことでした。しかし私たちの住む場所は京都・静岡・東京とバラバラ……。「3人で一緒に研究会をしたい」「全国の先生たちにインタビューに行きたい」という思いをあたためながらも、経済的事情からなかなか叶いませんでした。2015年、日本学術振興会の科学研究費助成事業を受け、ようやくこのプロジェクトを立ち上げることができました。

 

3人の写真

 

3人で全国を西へ東へ、さまざまな方のご紹介を受けながら障害のある先生たちのところへ赴き、ときには3時間以上にわたって、これまでのお仕事や生き方についてお話を聞かせていただきました。また、3人でそれぞれのインタビューをじっくりと振り返り、「ああでもない、こうでもない」と議論を重ねながら理解を深め、分析を進めてきました。

 

■今後の展望

インタビューを進める中で、先生方から「こういうことについては調べてないの?」と宿題をいただくことも多々ありました。この本の出版を達成したら、いただいたテーマも含めて、もう少し広い視点で障害×教育×働き方を捉え、引き続き研究に取り組んでいきたいと思っています。

 

羽田野真帆

 

羽田野写真

 

■PROFILE

筑波大学大学院で学んだあと、2012年より静岡県の常葉大学で教員に。専門は教育社会学。聴覚障害のある子どもたちの支援をしながら、教室で起きていることを観察したり、子どもたちや支援員、保護者の方々、先生たちにインタビューをしたりしてきました。

 

■プロジェクトへの思い

今回、調査の一環として、聴覚障害のある教員の集まりに参加したのですが、その場でとっても嬉しい再会がありました。小学生のころから支援をしてきた子が、教員を目指す大学生としてその場に参加していたんです。彼女のような、これから教員を目指す学生たちにも読んでもらえる本にしたいと思っています。

 

松波めぐみ

 

松波写真

 

■PROFILE

人権教育と「障害」、複合差別等が主な関心事。きっかけは、大阪大学大学院在学中に自立生活運動などにルーツがある「障害学」なる学問を知ったこと。2008年より、京都で障害者差別解消の条例をつくる運動に飛び込み、今に至ります。現在は研究員、非常勤講師のほか、旅人のようにあちこちで研修講師をしています。

 

■プロジェクトへの思い

さまざまな先生から話を伺いましたが、中には、「障害のある先生」など想定外だった時代から、ただただ「こんな先生になりたい、よりよく子どもと関わりたい」といった思いで働いてきた先駆者もおられます。そのお陰で少しずつ学校の風景が変わり、法律や制度もできてきたのだと感じます。「人が歩いたところに道はできる」。そんな先生たちの存在を伝えられたら……。

 

照山絢子

 

照山写真

 

■PROFILE

アメリカのミシガン大学で文化人類学の博士号を取得し、2014年より筑波大学図書館情報メディア系助教。日本における発達障害の文化人類学的研究をおこなってきました。近年はより広く「マイノリティと対話」ということをテーマに研究を進めています。

 

■プロジェクトへの思い

学校現場における発達障害を考えるときに、「先生」が当事者、という視点がなかなか出てこないことにもどかしさを感じていました。それが本プロジェクト参加のきっかけです。また、「チーム」での調査は今回が初めてだったのですが、バックグランドが少しずつ異なる3人の連携の中で多くの驚きと発見があり、涙あり笑いありのコラボレーションとなりました。この経験については本の中でも書く予定です。

 


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