新たな場の難しさと喜び①

前回のプロジェクトでは、当初予定していた7つのプロジェクトがそのまま
実施できたわけではありませんでした。

受入・協力体制や、会場使用の関係で南三陸町で2回行う予定のうち1回と

女川町でのイベントが実施が難しくなりました。

そこで思い至ったのが、震災もそうですが台風や大雨などの自然災害で大き

な被害のあった丸森町や山元町など宮城県南地域での開催でした。

しかしながらコロナ禍のこともあり、会場の使用の可否が難しい場所が多く、

開催するまでには至りませんでした。

 

基本的に日本将棋連盟の支部があったり、将棋大会や将棋教室が開催されて

いる市町村は、将棋の場があるという認識で進めていましたので、それ以外

となると候補が段々と狭まってきましたが、その中で亘理町にある「鳥の海」
という施設が同町の復興のシンボルのように沿岸地域に建っていることを思

い出して、会場の下見に行きました。

 

施設の方によるとコロナ禍にあって、宴会場として使用している会場がほと

んど利用されていないとのことでした。

会場は和室ですが、テーブルと椅子を配置しているので、足腰に不安のある

方でも対局には影響が少なそうですし、七ヶ浜町のイベントもそうですが、
やはり将棋の対局と和室の親和性は感じてもらいたいので、椅子対局可能な

この会場ならその雰囲気を味わってもらえると直感し、ここでの開催を決め

ました。

また同施設には、日帰り、立ち寄り入浴可能な温泉もありますし、地元の食

材を使ったレストランもあるので、周辺観光という面では選択肢が狭くなっ

てしまいますが、施設の目の前に広がる広大な太平洋のロケーションも相ま

って、施設を出る時には開催に問題ないという確信がありました。

また、施設の方からももし人数が増えたりしたら、もう1部屋使ってもいい

ですよと好意的な対応をしていただきました。

 

準備を進めるにあたって、1つの出会いもありました。

地元にある「亘理町将棋愛好会」の皆様との出会いです。偶然、亘理町在住
の愛棋家の方から情報をいただいて、上記の会の存在を知りました。

会長の鈴木様に連絡を取ったところ、大会の開催を歓迎してくださり、会の

皆様にチラシの配布、募集受付、大会当日の交流の促進など積極的な対応を

していただきました。

おかげさまで当日は27名の参加で無事に交流大会を開催することができまし

た。

 

 

毎年1月に亘理町で将棋大会が開催されているそうですが、あまり広く告知

されていないので、馴染みのメンバーが多いとのことで、「今回のようにい

ろんな所から来る人や小さなお子さんと交流できて楽しかった」「運営や

管理をする人が少ないので、運営・進行をやってもらえるのはありがたい」

といった声をいただきました。

 

全く縁のない地域での開催でしたが、施設の方含め地域の方との出会いが

あり、その名の通り「交流」が促進できた大会となりました。最初の不安

がこうした場を設けることができたという喜びになるのが、このプロジェ

クト実施に向けたモチベーションになっています。

 

今回も亘理町で新たな交流が生まれるように、前回出来た輪と縁を大事に

取り組んでいきたいと思います。