終了まであと3時間！ダンテ、ミク、本当にありがとう❤️

　レーベンから卒業した犬達は、どの子もみんな特別で、大切な子です。保護期間の長短はあっても、それぞれがボランティアの心の中に思い出の姿を残しています。来た頃の緊張した姿、だんだん人慣れして明るい表情を見せていった変化。

　その中でも、長く続けているボラにとっておそらく一生忘れられない、多くのことを教えてくれた親子の犬の一組がダンテとミクでした。

 

　山口県周南市の保健所の情報として、代表が確認した2頭。

　真っ直ぐにカメラを見つめる男の子。

 

　母犬の方は、その後分かったのですが、内臓に治療が必要な部分があり、目と耳があまりよくありませんでした。

 

　初めは野犬の親子として一度は保護譲渡され、その後また保健所に持ち込まれ飼育を放棄された経過。殺処分になる可能性があると伝えられても、飼い主は置いて帰ったと聞いています。十分なお世話がされていなかったと思われ、人に対してもおびえる様子があったと。身体も大きく、次のご家族を探すことは難しいかもしれない状況と思われていましたが、どうしても受け入れたいという判断になり、レーベンにやってきました。

 

　2頭はあまりくっついていることもなく、他の犬ともべったり仲良くなるタイプではありませんでした。大五郎と未来（みく）と名付けられましたが、大五郎はここが俺の場所！という主張をせねばと思うのか、トイレ以外でのマーキングが多く、マナーベルトをつけられるわけでなく、室内のいろいろなコーナーにかけるので、ボラ達はペットシートを取り付けたり、年中掃除を繰り返したりしました。近くで手を動かす人間を怖がったり、怒って向かってきたりすることもあり、何かされる？怖い！という不安があったようにも思いました。犬が怖がっていて、人がそれを怖がると、その不安がまた犬に伝わる。また僕は手放されるの？何だよそれ！

　未来の方は、緩慢な動きで他の犬とぶつかったり、特定のボラについて回って歩き回ったり、頼りにする人を強く求める様子がありました。

　それぞれがレーベンハウスではなく、預かりボラ宅に分かれましたが、譲渡会などで他の犬に会ったり、他の犬と散歩のペアを組んだりする時は、普段から慣れていないので配慮が必要でした。預かり宅で気持ちが混乱することもあったと聞きました。

 

　未来がボランティアの家庭に譲渡され、大五郎の方は預かりが難しくなったと辞退されてからは、レーベンハウスで大五郎は暮らしました。レーベン号に乗る時は、窓際で風に当たるのが大好きだった小さめの熊のような大五郎。力が強いので他の犬が怪我をしてもいけない、たくさんの犬の関係にバランスを取る必要がありましたが、ボラ達にいい子だね、素敵だよと絶えず声をかけられて、とても人懐っこい様子を見せる大五郎。床に寝そべって猫のようにすり寄ったり、全身撫でまわされてうっとりしたりする表情は、本当に可愛い子でした。愛情と信頼を向ければ、ちゃんと理解できる賢い子。野犬が怖いと思われがちだが、荒れた様子は環境が悪いからだ。何かある時は伝わる指示をきちんと出す。何か起こる前に予測して安心させる、といったポイントを身をもって教えてくれる。でも、この子と暮らせる方は犬の扱いによく慣れていて、力にも負けないで欲しい。見つかるだろうか。自宅で受け入れることを検討していたボラもいましたが、結局叶いませんでした。

 

　そんな中で運命の赤い糸が繋がったご家族は、本当に理想的なぴったりのお家でした。同時に他の子犬も迎え入れられ、「え？大ちゃんと子犬？」と驚きましたが、その後の幸せ報告では、家族の真ん中に犬が愛されて囲まれて写った家族写真がありました。レーベンの中では特別仲良しではなかった子犬はペレ、大五郎はダンテと名付けてもらい、猫さんなどもご家族にはいて、絵に描いたような素敵な暮らしでした。

 

 

　未来が亡くなって、ダンテはママの分まで長生きしてね、と言っていた後、心臓に疾患があることがわかったダンテ。あの大きな身体が倒れたと聞いた時は、信じられませんでした。苦しくても、検査などの嫌なものは嫌だとしっかり主張したと聞いています。誇り高い姿。症状として治療は難しい状態でした。

 

　甘いお芋をいただいて食べる様子。

 

　あんなに怖がっていた人の手が気持ちよく感じられる安心感。

 

　見守るご家族のお気持ちは、どんなに苦しかったかと思います。ここのご家族以外にダンテがここまで幸せに迎えられることは考えられない、運命のたった一つの行き先が見つかったすごさを感じました。本当にこちらの子になれてよかったね、ダンテ。

 

　このクラファンが始まって、第一目標を達成した頃、ダンテはお空でママと再会しました。ご家族への感謝の気持ちでいっぱいです。どの犬にも、いつかそんな時が来ることはわかっているけれど、私達だってずっと生きているわけじゃないけど、あの時山口県で殺処分になりそうだったダンテがいろんなことがあって、こういう形でみんなに愛されて、限りがある生命の中で強く明るく輝いたこと、私達は忘れません。諦めてしまったら、何も変わらない。気持ちは犬に伝わる。いろんなことを教えてくれて、本当にありがとう。あなたの後輩たちも、ちゃんと幸せになるところまでお世話するから、見守っていてね。

 

　犬の生命を救うという、保護活動そのもののようなダンテの話です。