↑ R. シュッツェ作 イタリアン一段鍵盤チェンバロのローズ=直径6.5cm弱。

     木を順にうすく削っていくだけで、このくるくるを形づくっています。

                            

プロジェクトの期限まで、とうとう残り25時間を切りました!

https://readyfor.jp/projects/space1f
『名工が製作したチェンバロ達を、エアコンを買換え、守りたい!』、おかげさまで61名の方にご支援をいただき、只今109%=549000円となりました。心より感謝申し上げます。そして目標を超えた金額は、修理したものの同様に経年劣化しているもう一台のエアコン買い替えのための資金とさせていただきます。

 

 速報が2つも入り、すっかりお待たせしてしまいました。Space1Fにあるチェンバロ達についてのエピソード その4 です。

R. シュッツェ(1965年)作
 イタリアン一段鍵盤チェンバロ/フェッリーニモデル

 

 製作者であるドイツ人のライナー・シュッツェ Rainer Schützeは既に1962年には工房を持ち、モダンチェンバロの技術によるのではなく、現存する当時のチェンバロ製作の名工や工房による楽器に目を向け、そこから設計や製作技術などを得て製作しました。その2で紹介したスコヴロネックと同様、ヒストリカルな楽器のムーヴメント(古楽(器)復興運動)の先駆者で、名匠として知られています。やはり製作出来る間に注文のチェンバロを完成するため新たな注文は受けられない、という話を聞いたのは、80年代の終わりか90年代の初めだったか…と思います。音大では、藝大や上野学園にもシュッツェ作のイタリアンがあります。


 この楽器は、当研究会の創設者・故 鍋島元子がレオンハルトに師事した留学先のオランダから帰った後、鍋島自宅(研究会の教室ともなりました)に置かれましたが、その前は、オランダのリコーダー奏者・指揮者でこの8月に亡くなったばかりの、F. ブリュッヘン Frans Brüggen の自宅に在ったものです。鍋島の話では、アンサンブルのレッスンやクイケン兄弟とのアンサンブルなどで留学中も度々この楽器を弾いたとのこと。
 

 古楽研究会の発表会「名曲発見の会」(当時の名称)で私が初めて演奏したのは1979年の3月で、17世紀のイタリアの作品をこのイタリアンで弾きました(私事で恐縮です)。その前も含め、特別なことがなければ「名曲発見の会」では、大きな2段鍵盤のチェンバロとこのイタリアンの2台をステージに置き、調律法も2台異なるものにし、作品の作られた時代と作品の特徴によって、どちらかの楽器を選ぶことが当たり前になっていました。楽器や調律法によって作品はさらに生き生きと蘇る!…のです。
 昨年11月の初級中級受講生発表会でこのイタリアンを使ったのを機に、3階のレッスン室へ戻すのをやめ、そのままSpace1Fで多くのチェンバロ奏者の皆様にも使っていただけるようにしました。是非ご自身のコンサートや生徒さんの発表会でも、その音色の魅力を愉しんでいただければ、と願っています。

 

 17世紀イタリアンのモデルですが、外箱(アウターケース)に入れ保管するタイプのものは、本体の板がとても薄く、箱の深さも浅く、軽構造です。イタリアンの独特の音色が生み出される理由のひとつでもあります。このシュッツェ作もそのタイプで、その為壊れやすいので、空調には特に気を使います。

 皆様暖かいご支援のおかげでエアコン1機は買い替えが可能となりました、御礼申し上げます。これで少し安心ができます。同様に8年目を迎えるもう1機のため、最後の皆様のお力添えがいただければ幸いです!

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