TICAD VIまであと1か月を切り、準備に忙しい今日この頃です。先週には、外務省アフリカ部とのTICAD前最後の意見交換会がありました。週の後半には、TICAD VIに参加するための会議登録作業が急ピッチで始まっています。日本の市民社会は40人程度、アフリカの市民社会は、ケニアの市民社会60人を筆頭に、100人程度が参加する予定になっています。ケニアの市民社会の関心が相当高いことがうかがわれます。

 

1.首脳会議に向けた長~いプロセス

 

あまり知られていませんが、TICADは首脳会議に至るまで、非常に長いプロセスをかけています。まずは日本政府、アフリカ連合委員会、国連本部(事務総長アフリカ特別顧問室)、国連開発計画、世界銀行でつくる「共催者会合」。次に、TICADのテーマや議論の方向をアフリカ諸国政府や国際機関、市民社会なども参加して決める、官僚トップレベル「高級実務者会合」。さらに閣僚レベルが集まる「閣僚級会合」があり、宣言などをほぼ固めたうえで最後に「首脳級会合」があります。

本年6月にガンビアの首都バンジュールで開催されたTICAD閣僚会議。
アフリカ側から壇上に上がっている代表者たちはみな女性!

 

安倍総理が「次のTICADは『アフリカの大地』で行う」と発表したのは、2014年9月、国連総会でのことでした。それから開催地が決まるまでに相当時間がかかりました。最終的にナイロビに決まったのが昨年の7月でしたが、さらに、いろいろと紆余曲折があり、高級実務者会合はジブチで今年の3月に、閣僚会合はガンビアで5月に開催となりました。ナイロビでの首脳級会合の実現までに、2年近くかかったことになります。

 

2.そのプロセス全てに足を運んだ日本・アフリカの市民社会

 

実は、アフリカと日本の市民社会は、TICAD VIに向けて一年半以上、共同で準備をしてきました。最初にTICAD VIに向けて共同で戦略会議を開いたのは昨年の2月、ウガンダの首都カンパラででした。その後、エチオピアでの「国連開発資金会議」の機会を利用して隣国ケニアでNGO訪問を実施。11月には、アフリカ側の市民社会のカウンターパートである「アフリカ市民協議会」(CCfA)の総会をナイロビで開催、その成果を持ってエチオピアのアフリカ連合委員会を訪問。そして今年の3月には、まずジブチでの高級実務者会合の後、東京で「みんなのTICADフォーラム」を開催、その後、京都で開かれた、G7各国の首脳個人代表(シェルパ)と世界の市民社会の対話の場である「Civil G7対話」にCCfA理事全員で参加し、保健や教育、ジェンダー、紛争などの課題についてアフリカの市民の意見を響かせました。

2015年2月、ウガンダの首都カンパラで開催した
アフリカ・日本市民社会合同戦略会議。

 

そして、6月のガンビア閣僚級会合の前には、再びナイロビで「TICAD VIに向けた市民社会・非国家主体(Non-state actors)啓発会議」を開催し、100名に及ぶケニアの市民社会関係者が参加。そこで採択した「非国家主体宣言」を手に、ガンビアに向かい、当地でガンビアの市民社会との協議の下にこれを手直し、閣僚級会合で「もっと市民の声を」「もっと『人間の安全保障』を」と主張、「ナイロビ宣言」の中身をよくすることについて、かなりの成果を上げたと自負しています。

 

3.市民社会の参画はTICADの大きな資産

 

このプロセスで得たのは、よりダイナミックなアフリカの市民社会の参加。いま、CCfAをはじめとするアフリカ市民社会は、TICADに強いオーナーシップを持っています。そして、日本政府だけでなく、アフリカを代表する「アフリカ連合委員会」や、日本でアフリカを代表する在京のアフリカ諸国大使の連合体である「在京アフリカ外交団」との深い信頼関係の確立でした。

 

AUCのマデュエケ戦略的パートナーシップ責任者(ナイジェリア)=右から2番目と
TICAD担当責任者のマイムーナタ・ワタラ=コンパオレ氏(ブルキナ・ファソ)=左から2番目
真ん中はCCfA副議長のムンタガ・トゥーレ氏(マリ)。

 

8月のTICAD VI首脳会合は、この長い長いTICADプロセスの総仕上げとなります。アフリカ・日本の市民社会の積極的参加は、TICADの大きな資産だと私たちは考えています。中国も、「中国・アフリカ協力フォーラム」(FOCAC)の前に「中国・アフリカ人民フォーラム」(People to People Forum)をやっていますが、必ずしも双方の市民の自発的意思に支えられたものではありません。私は、TICADを真に「アフリカの開発のための、開かれた多国間フォーラム」として成立させるために、市民社会の一員として微力を尽くしたい、と考えています。

 

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