
支援総額
目標金額 3,000,000円
- 支援者
- 188人
- 募集終了日
- 2022年11月25日
「全戸図録2・解体編」と「カプセル・パーツリスト」の2冊について近況報告2
2022年6月に私たちは、アスベスト環境下の中銀カプセルタワービルのカプセルから複数のオリジナルパーツを救出していました。それから丸2年経ちました。たったの2年前ですが、ずいぶん時間が経ったように感じています。

※このページやクラウドファンディング上にある画像は、基本的に中銀カプセルタワービルA606プロジェクトに著作権があり、無断使用を禁止しています。(勝手に使用されることが大変多いため記載します)使用許可については、メール info@capsule1972.com までご連絡ください。
2022年11月25日に、このクラウドファンディング「中銀カプセル解体!救出した7カプセルで動く建築とメタボリズム実現へ」の募集を終了してから1年半以上経ちました。本クラウドファンディングの最終的な成果物としてまとめている2つの冊子についての近況の報告を致します。
2023年11月末までに発送予定でした2つの冊子、(1)中銀カプセルタワービル全戸図録2・解体編『(仮)カプセル1969−2023』と(2)中銀カプセルタワービル『(仮)カプセルパーツリスト』の制作は、引き続き遅れています。
楽しみにお待ち頂いているみなさまには大変申し訳ありません。時期については、冊子をお待ち頂いている支援者のみなさまにメッセージでご連絡致します。
中銀カプセルタワービル全戸図録2・解体編『(仮)カプセル1969−2023』については、
前回のご報告で挙げた通り、8章の構成を予定しています。
『(仮)カプセル1969−2023』
1章:中銀カプセルタワービル、解体
2章:140個のカプセルの行く末[解体or救出]
3章:解体方法
4章:カプセルA606の救出
5章:ビル解体で分かったこと
6章:救出した他の6カプセル+オリジナルパーツ
7章:なぜ、解体されたのか?
8章:竣工前後とカプセルの変遷
作業を進めていたにも関わらずデータが消えてしまった「3章:解体方法」、「4章:カプセルA606の救出」についても、作業を進めています。
「3章:解体方法」では、
ほとんど記録されることが無かった「中銀カプセルタワービル」の解体方法について記していきます。とくに、表に出てくることが無かった「カプセル内のアスベスト除去作業」について、私たちが把握している範囲で記録を残します。
私たちは、カプセルA606をはじめとするカプセル内のオリジナルパーツを自らの手で救出しました。作業は2022年6月のA棟カプセル内のアスベスト除去作業の真っ最中に行われました。
私たちはアスベスト作業員の講習を受け、作業主任者の資格も取得し、自ら施工ができる状態で準備を進めました。(このあたりは、2021年に行った前回のクラウドファンディング「解体迫る!中銀カプセルタワービル全戸調査記録+動くカプセルで保存へ」に記載していますので、ご興味がありましたらご覧ください。)
中銀カプセルタワービル内のアスベスト除去作業は、アスベスト除去業者さんによっておこなわれました。
3章におさめるのは、たとえば下記のような内容です。

カプセルには吹付アスベストが使用されていました。吹付アスベストは飛散しやすいため、アスベスト除去作業では一番厳しい「レベル1」という扱いで行われました。作業場に入る前に注意書きが貼られています。

「レベル1」の作業場は負圧環境下で、防護服と手袋を身につけ、顔を全て覆った保護マスクを付けて作業をしなければいけません。写真は、私が過去に住んで使用していたB棟9階〜10階にかけての作業場の様子です。廊下・階段が、負圧環境下の作業場としてうまく区切られていました。私たちもオリジナルパーツ救出作業の準備があるため、まさにアスベスト除去作業中の現場に入らせていただきました。写真に写っているのは、代表いしまるあきこです。左側に見えるのは、10階EVホールに設けられた集じん・排気装置です。フィルターがアスベストなどでねずみ色になっています。

中銀カプセルタワービルB棟9階アスベスト除去作業中の様子。カプセルと廊下の床・壁・天井にアスベスト用の厚い養生シートが敷き詰められています。

2022年4月後半、B棟のカプセル内では、すでに内装が解体撤去され床のALC版も外され、ほとんどのアスベストが取りのぞかれている状況でした。床のALC版の下にもアスベストがぎっしりと詰まっていたそうです。アスベスト除去作業は金ブラシなどを使用して手作業でおこなわれます。この時は、さいごの仕上げで丁寧にアスベストを掻きだしては手で集めて特別産廃の袋に集めるという作業が行われていました。仕上げは真空掃除機による吸引です。カプセルの端やユニットバスの裏にアスベストの塊があるので注意が必要といった内容の説明を私たちが主任者から受けているときの様子です。

一部報道でB棟のカプセルは傷みがひどかったため保存できなかったなどと言われていましたが、むしろ保存されたA棟のカプセルよりもよほど傷みが少ないきれいな状態のカプセルがB棟高層階には多かったです。このスケルトンのカプセルは、いしまるあきこが以前住んでいたカプセルB908です。外壁も躯体の鉄骨も大変きれいに残っていました。
私たちは、解体工事が始まってからもB棟のカプセルを複数保存すると聞いていましたが、結局、解体が始まってからB棟は全て廃棄が決まったと聞きました。B棟のユニットバスもいくつか救出されると聞いていましたが、結局、1つも救出されませんでした。
みなさまご存じの通り、きれいにはずされたB棟のカプセルも地上で重機でつぶされてスクラップの鉄くずとなり、状態の良いユニットバスも細かく切られ廃棄されました。

B棟のカプセルは1つも救出されることがありませんでしたが、カプセル内はアスベスト除去作業後に、アスベスト飛散防止剤がまかれ、最期に内部は白くなっていました。
これらは3章のほんの一部ですが、実際にどのように作業が行われたのか、どのように工程が進んだのかといったことについて冊子で詳しく記します。
4章:カプセルA606の救出 では、
いままで少しだけ画像を出したことがありますが、こちらも膨大な数の動画から作業工程を切り出してまとめています。
A606の家具やユニットバスなどをアスベスト環境下から救出しているのは、中銀カプセルタワービルA606プロジェクト代表いしまるあきこと副代表の2名です。

2022年4月にカプセルA606で私たちが棚の戸などを外した状態から、さらに丸窓が目張りされているのが分かります。

少しずつ棚板を外していきました。アスベストが露出する範囲について、2022年6月に取り外しの作業を行いました。

棚を外したことで、吹付アスベストがだいぶ見えています。奥でもエアコンと棚やユニットバスの取り外しを行っています。手前がいしまる、奥が副代表です。

外した棚板・オリジナルのパーツ類は、真空掃除機で付着しているかもしれない吹付アスベストを取りのぞきます。

家具類と同時にユニットバスの取り外しも行います。壁の下地も丁寧に外して救出しました。特に、ユニットバスの壁の円弧は木製の下地でつくられているため、丁寧に外しています。

ユニットバス内部も丁寧に取り外しました。天井はアスベスト含有の大平板のため、外に持ち出しができません。そのため、天井板は救出していませんが、天井も実測し、下地の木は救出しました。

ユニットバスのFRPの下部分と鉄の土台(赤色)を取り外しています。これらも丁寧に外して、救出しました。ただし、玄関扉の幅がユニットバスよりも狭く、どうしてもユニットバスが出せなかったため、ユニットバス下のFRPの脚を一部カットした上で外に運びました。脚も救出し、後日、戻す予定です。


デスク下の収納は一体型で救出できました。A606から運び出している様子です。

A606のオリジナルパーツ救出のタイミングでは、同じ工区にアスベスト除去作業が入っていなかったため、作業場内ですが比較的きれいな状態のEVホール・廊下部分を使用して、拭き作業などを行いました。

ユニットバスは大きくてEVには乗らないため、階段を使用してA606のあった6階から地上までユニットバスをおろしました。
作業工程から一部のみ掲載しましたが、どのように作業を行ったか、冊子では詳しく記していきます。
6章:救出した他の6カプセル+オリジナルパーツ では、
救出したパーツの実測などを行って、CAD図面にしていきます。
たとえば、塔屋に付いていたネオン管の「中銀」の看板文字です。文字は最終所有企業から譲り受けていましたが、解体作業時に一部破損していました。

これらは図面として記録するだけではなく、再び使えるように修復していきます。「中銀」の文字は、できる限り竣工当時のネオン管の作り方で修復することを考えています。
今回、2組あったうち破損が大きかった1組をパーツをばらしてパーツごとに記録した上で、修復しようとしています。










ほかの章についても、情報を整理しながら作業を進めています。
また、オリジナルパーツではありませんが、竣工時の資料を集める中で、1980年代の写真などをもとに1階に入っていた「コーヒーラウンジカプセル」の看板の復元をしました。
動画はこちらからご覧ください。リンク先はYouTubeです。

また、副代表はカプセルの解体時にすでに複数の資格を取得していましたが、さまざまな作業を自分たちでできるよう、2024年5月に「ロープ高所作業」、6月に「足場組立等作業」と「フルハーネス型墜落制止用器具」の講習を修了して統合し、最新の法規制などを学びました。

私たちはカプセルの外壁と内部に残るアスベストの除去を自らしようとしています。除去に関する資格は代表・副代表の2名で以前に取得していますが、たとえば、カプセルのまわりに足場を立てて作業ができれば、カプセル上部の高所作業がしやすくなったり、吹付アスベスト除去の負圧環境下もつくりやすくなります。
カプセルのアスベストを除去をしないことには、カプセルの修繕にうつることはできません。また、手を入れる前に、カプセルについて現状で分かる全てをまとめておく必要があります。ゆっくりとした歩みに見えるかと思いますが、細々と準備は進めています。
中銀カプセルタワービル『(仮)カプセルパーツリスト』については、
以前よりご紹介してきた通り、コツコツと作業を進めていますが、描けば描くほど正確さを増し描く量が増えていくという状況で進んでいます。
以前は無かったイラスト(アイソメ図)は、たとえば、下記です。




これらはカプセル内のバスルウムユニットを描いたパーツリストの一部ですが、バスルウムの鉄骨土台やバスパネルをネジ1本から全てのパーツを描いています。


洗面台の水栓も、いまとは違う形のものから構成されている箇所もあるため、全てのパーツをばらして描いていますし、トイレも便器のカバーなど独特なパーツがあったり、いまではみかけない便座が使用されています。カバーを固定するネジも少し特殊なものですが、パーツリストがあれば、少なくとも現行の代用品が分かり、それを使うことで修繕が可能になります。







また、備え付けられていた時計や照明器具、オプションのオーディオアンプや冷蔵庫なども描いています。これらは実物をもとに描いていますが、メーカーだけではなく品番を特定し、後継機種が出ていればそれも記載していくようにしています。また、メーカーが分かっても実際は特注品だったものなども多数あることが分かってきました。それらもまとめています。
「パーツリスト」を制作する理由は、カプセルをできる限り長い期間、使い続けられるようにするためです。カプセルが壊れた際にパーツリストが無いと、部材を交換できず修理ができない、修理ができないと使い続けることができない、使い続けられないと廃墟になり、捨てられたり、スクラップされたり、ということが起きるでしょう。
カプセルの外壁は朽ちやすくすぐに傷みますし、もともとの形とは違う形で使用したら不具合も起きやすいことでしょう。また、中にあるパーツも1970年代のもので、時間が経てば経つほど数が少なくなり、失われていってしまうものです。良い状態で保つためには工夫が必要となります。
上記で描いているのはパーツリストのアイソメ図ですが、この図と一緒にパーツの寸法やメーカー・品番などの表が掲載されます。これらをあわせて見ることで、カプセルを直すことができるでしょう。
私たちA606プロジェクト自身もそうですが、ほかのカプセルを譲り受けた人たち・企業さんたちが修理しようと考えたときに、「パーツリスト」には必要となる情報が載っています。できる限り長い未来までオリジナルのカプセルを残そうと考えるならば、オリジナルがどのような形だったのか、どのような部材でできているのかを知らなければいけません。
140個の中から、せっかく残してもらえた31個のカプセルが、使用しているうち・保管しているうちに壊れてしまい、最悪の場合は捨てられてしまうことが起こりえます。31個のうち、私たちA606プロジェクトが7個所有し、別団体が所有していた23個はバラバラで行き先不明になりつつありますし、某企業が所有したと聞いた1個はその後の行方は分かりません。
絶滅危惧種のような、この世に31個しかないカプセルがこれ以上減らないように、私たちは過去のためというよりも未来のために記録を残しています。
作業量が多いため、どうしても時間がかかってしまいますが、引き続き見守っていただけたら幸いです。
リターン
3,000円+システム利用料
A606プロジェクト応援A(お気持ちのみ)
記念品などをお届けしないかわりに、いただくご支援をできるだけ多くプロジェクトのために使用させていただく コースです。
ーーーーーーーーーー
●御礼のメール
- 申込数
- 23
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年12月
5,000円+システム利用料

カプセルA606+共用部のオンライン見学会ご招待(2022年3月末の解体直前の記録映像より)
●御礼のメール
●カプセルA606+共用部オンライン見学会(期間限定アーカイブ有)
・共用部は1階外部・ロビー・6階ブリッジ・階段室です。
代表いしまるあきこが、解体直前の2022年3月末に、みなさまをカプセルA606へご案内する動画を撮影しました 。
当時、現地開催を検討していましたが、裏の増築部の解体が始まっていたことによる粉じんやアスベストの影響を鑑み、実施を断念しました。そのため、映像で記録を残しました。
2022年3月末にはA606室内にベッド・スツールなどもフルレストア(復元)していたため、その解説もしています 。
今回の映像は前回のクラウドファンディングのリターンとして2021年8月に実施したオンライン見学会とかぶる内容もありますが、より細かな内容でお伝えし、雰囲気も変わる予定です。
撮影日:2022年3月31日
撮影・編集:和久井幸一
企画:いしまるあきこ
※2023年1月末までに開催予定、日程などの詳細を追ってご案内いたします。
- 申込数
- 22
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年1月
3,000円+システム利用料
A606プロジェクト応援A(お気持ちのみ)
記念品などをお届けしないかわりに、いただくご支援をできるだけ多くプロジェクトのために使用させていただく コースです。
ーーーーーーーーーー
●御礼のメール
- 申込数
- 23
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2022年12月
5,000円+システム利用料

カプセルA606+共用部のオンライン見学会ご招待(2022年3月末の解体直前の記録映像より)
●御礼のメール
●カプセルA606+共用部オンライン見学会(期間限定アーカイブ有)
・共用部は1階外部・ロビー・6階ブリッジ・階段室です。
代表いしまるあきこが、解体直前の2022年3月末に、みなさまをカプセルA606へご案内する動画を撮影しました 。
当時、現地開催を検討していましたが、裏の増築部の解体が始まっていたことによる粉じんやアスベストの影響を鑑み、実施を断念しました。そのため、映像で記録を残しました。
2022年3月末にはA606室内にベッド・スツールなどもフルレストア(復元)していたため、その解説もしています 。
今回の映像は前回のクラウドファンディングのリターンとして2021年8月に実施したオンライン見学会とかぶる内容もありますが、より細かな内容でお伝えし、雰囲気も変わる予定です。
撮影日:2022年3月31日
撮影・編集:和久井幸一
企画:いしまるあきこ
※2023年1月末までに開催予定、日程などの詳細を追ってご案内いたします。
- 申込数
- 22
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2023年1月

ぬるぬるのお引越|万博・落合陽一 null²パビリオン次なる場所へ
#ものづくり
- 現在
- 222,081,600円
- 支援者
- 13,049人
- 残り
- 28日

タイのDD51北斗星色を守り、綺麗な姿で新天地での活躍を見たい
- 現在
- 585,000円
- 支援者
- 74人
- 残り
- 7日

緊急支援|フィリピン地震へのご支援を
- 現在
- 1,628,000円
- 寄付者
- 222人
- 残り
- 9日

【緊急支援|大分市 大規模火災へのご支援を】
#医療・福祉
- 現在
- 3,971,000円
- 寄付者
- 479人
- 残り
- 40日

緊急支援|被災重なるフィリピン、台風25号被害へのご支援を
- 現在
- 571,000円
- 寄付者
- 65人
- 残り
- 35日

東京国立博物館|価値ある文化財を救い出す。源氏物語図屏風、修理へ
#伝統文化
- 現在
- 61,835,000円
- 寄付者
- 2,865人
- 残り
- 28日

救う命を選ばない。どんな犬猫も保護し続け福岡の里親さんを増やしたい
#動物
- 現在
- 3,194,000円
- 支援者
- 301人
- 残り
- 18時間








