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私の弟はダウン症で言葉が話せません。小さい頃から体が弱く手術と入退院を繰り返していました。

私は小さい頃から、「弟は色んなことをどう思ってるんだろう」と疑問を持っていました。

私は役者をしながらしょうがい者の介助の仕事をしています。役者だけではまだまだ生活できないからです。
そして、しょうがいを持っている当事者の方の本音を知りたかったからです。

介助の仕事をやるうちに、色々とわかることがありました。

前を見続けることの大変さと難しさです。

状況が厳しく苦しい時に、当事者の方に「頑張りましょう、今よりもきっともっと良くなるから」と言ってもその言葉は当事者の方をただ追い詰めるだけです。というのは当事者の方は今までに散々努力をしているからです。
そして、「自分には、やはりできない」と諦めたくなります。

しかし私はしんどい状況だからこそ「前を見続けることが必要なんだ」と「父と暮せば」の作品を通して思うようになりました。

美津江はお父さんに「うちは生きてるのが申しわけのうてならん。そいじゃけど死ぬ勇気もないです。そいじゃけぇ、できるだけ静かに生きて、その時がきたら死のう思うとります。おとったん。この3年は困難の3年でした。生きてきただけでも褒めてやってください」と告白するシーンがあります。

そんな美津江に、お父さんは
「お前は生かされとる。あの時のことをずっと覚えてもろうために、生かされとる。」と諭します。

どんなに酷く辛い状況があった時、今私が生きてるということは、そのことに対して何か意味があるのではないかと思うようになりました。

その発見は凄く大きく、私の人生を色鮮やかにしてくれました。

そんなことを気づかせてくれた「父と暮せば」という作品に凄く感謝していますし、本当に多くの方に見てもらいたいと思います。
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