救急と聞いてどんな機会を思い浮かべますか？

 

日々ご寄付、ご支援ありがとうございます。本当に終盤にかけご寄付も増えありがたく思っています。ここまできたら達成を目指して最後まで頑張りたく、皆様も引き続き応援をお願いします。
 
本日は救命救急センターの役割のうち、「災害医療」についてまとめてみました。
 
救命救急センターの役割というと、たとえば体調が急変してしまった時や、交通事故をはじめとする不慮の外傷、はたまた事件に巻き込まれてしまった際などが思い浮かぶかもしれません。最近だと、新型コロナウイルス感染症の時のようなパンデミックのときの重症患者様の対応を想像される方もいらっしゃるかもしれません。
 
しかし自然災害の多い日本では、「災害医療」も救命救急センターの役割としてあります。

 

 

 

 

2016年4月には、熊本で起きた地震に対して、厚生労働省日本DMAT事務局からの要請に基づき、東京医科歯科大学DMAT 6名が被災地へ向けて出発しました。

 

地震の影響で熊本空港が閉鎖されていたため、福岡空港で全国各地から参集した他のDMATと合流し、バスで熊本へ向かいました。熊本県の基幹災害拠点病院である熊本赤十字病院に到着したのは要請を受けた日の夜8時すぎのことでした。

 

その時出動された植木先生に当時インタビューをした内容をが下記です。

 

 

大規模災害では2011年の東日本大震災・福島原発事故をはじめ、2015年の茨城水害における災害医療支援で活動しました。またAPEC JAPAN（2010年）、伊勢志摩サミット（2015年）などの国際会議におけるテロ対策やヘリコプターや護衛艦を使った合同訓練などにも多数回参加しています。

 

 

 

どこの被災地を拝見したときも同じ感覚になります。

 

大きく様変わりしてしまった被災地に赴くと、まさにその場所にも発災のその瞬間まで平穏な日常があり、人々の幸せがあったのだという感覚が押し寄せてきて、胸が締め付けられるような気持ちになりました。

 

 

 

熊本赤十字病院に設けられたDMAT本部（被災地で活動するDMATの本部）に配属され、EMIS（広域災害救急医療情報システム）部門を担当しました。

 

ここでは、熊本県内全ての医療施設の情報集約、被災状況の把握、必要な支援の差配を行いました。短い時間でしたが、同院の救急外来の診療援助も行いました。また、熊本大学医学部附属病院、熊本市民病院、益城町などを訪問し、現地の状況について意見交換をしました。

 

 

 

 

熊本県、大分県にまたがり被災地が広がっていましたが、東日本大震災の時のような広範囲に渡る津波被害のような状況ではなく、やはり局地災害の印象でした。

 

具体的には、地震そのものの揺れによる被害は益城町に集中しており、土砂崩れによる被害が南阿蘇に集中していました。

そして高速道路、新幹線、在来線が不通になったことで、一般道で尋常ではない渋滞が発生していました。これは局地災害であったことから、通常通り通勤する方々が多く、車利用が増えたことによると思われました。

 

この渋滞により、物流、ライフライン復旧作業に悪影響が出ていました。

 

 

 

以前に比べ、院内でも災害支援・災害派遣ということが認知されてきており、今回の派遣では、これまでになくスムーズに派遣まで到達することができました。

 

今後もさらに、院内の理解を深めていくとともに、災害に関わる人員の拡充を図っていきたいと考えています。

また、当院が被災するような災害（首都直下地震など）の際に、そういった支援を受け入れる「受援」という考え方の啓発も行っていきたいと考えています。

 

大学、院内の災害対策を我々救命センターが主導して、オール医科歯科の体制で整備していけるように努力していきます。

 

 

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救命は皆様の人生の中で、関わらない方がいいことかもしれません。しかし、思わぬところで急に関わる機会がやってくる可能性は誰にでもあります。
 
その時に後悔しないために、今からできることは進めていければと思っています。このプロジェクトはそのための第一歩です。
 
引き続き、ご支援の程よろしくお願いします。