よしくまにはもう一人、すごい人がいます。

それが「釈迦ヶ岳」(1,799m)の山頂にある釈迦如来像を一人で背負って運んだという強力、“鬼マサ”こと、『岡田雅行』(1886~1970年)です。

 

釈迦ヶ岳のこのブロンズ像は台座も含めて3.6m。山頂へは分解して運んだとはいえ、台座だけでも135kgはあるそうです。これをたった一人で持ち上げた岡田雅行さんはどんな人だったのでしょうか。

体格は身長188cm、体重120kgと役行者が大峰を開いてから一番の強力といわれています。
鬼マサが釈迦如来像を担ぎ上げたのは1924年(大正13年)の38歳の夏でした。

 

ヘリコプターのない時代、山頂に上げるのは人の手。
この釈迦如来像の寄進者は、釈迦ケ岳南隣の大日岳(1,593m)に大日如来坐像、釈迦ケ岳北方の岩峰・橡(トチ)の鼻に蔵王権現像の計3体の全重量数百kgにも及ぶ、計3体の像を上げてほしいと頼んだそうですが、どの強力さんにも断られてしまいます。

 

鬼マサも最初は悩みましたが、男・鬼マサはこの大役を引き受け、吉野郡下北山村の前鬼口から釈迦ヶ岳までの8kmを何度も往復し、全て運びきったのでした。
この偉業をたたえて、釈迦如来像の台座には「岡田雅行 独力ニテ運搬セシ者也」と刻まれています。

 

鬼マサは剛腕だけじゃなく、登山家としても大変優れていたと言われています。
先の新着情報で紹介しました、吉野熊野国立公園指定に生涯を捧げた岸田日出男氏を案内したときには、水補給の場所とアテにしていた川が干上がっていたのをものともせず、川床を素手で掘って、水を湧き出させたという逸話も残っています。 岸田氏もずいぶんと頼りにしていたそうです。

 

山岳修験という厳しい世界で見る釈迦如来に思わず、手を合わせたくなります。

 

 

 

 

 

>小島誠孝様

>お写真をお貸しくださり、誠にありがとうございます。

 

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