【貧困救済プロジェクト】ハイナンちゃんの家に屋根をかけてあげたい

自らを売り物にする女性たち

プノンペンの中心部から、空港方面に向かうVeng Srengストリート。

朝夕の通勤時間帯は、多くの車両で道は埋まります。

 

そんなこの通りで、夜８時を過ぎると異なった一面を見ます。

 

 

そこには、・・・。

 

街道に立つ女性たちの姿があります。

 

 

何をしているか、お分かりいただけるものと思います。

 

そう、そこには明日の食べ物を得るために、自らを売りものにする女性たちの姿があるのです。

 

彼女たちは、自らを飾り付け、通りというショーウィンドウに身を置き、自分を商品化しているように見えます。

 

２０２０年のコロナ蔓延後に、工場や飲食店が閉鎖されたとき、この通りには、隙間がないほど、多くの女性が立ち並んでいました。

 

相場は、ショートで20＄～30$。

 

しかし、コロナ時は、世の中総じて収入がなくなりましたので、なかなか買い手も付きません。

 

 

日本の新大久保界隈でも、そんな光景が一時見られましたが、そもそも、日本では個人売春は法律に照らして、違法行為です。

 

ですから、カンボジアのこのような状況を、日本の方々は犯罪行為だと感じてしまうかもしれませんが、カンボジアでは、個人売春は合法とされます。

 

なぜなら、それが彼女たちの唯一の生きる手段だからです。

 

 

例を挙げれば、日本ではお金に困ったら、国からの援助があるでしょう。

 

そういったものは、カンボジアには一切ありません。

 

 

つまり、彼女たちの背景には、追いつめられた貧困があるのです。

 

このようなティーンエイジャーたちも、多くは地方出身者であり、学校を退学した子どもたちなんです。

 

カンボジアの中学校（15歳）の平均卒業率は、なんと、

 

49％

 

なんです。

 

 

約半分の子どもは、義務教育を終えないでやめてしまう。

 

これは、日本人からしたら、とてもショッキングなことではありませんか。

 

 

中途退学した、仕事に就ける資格もノウハウも持たない年端のいかない少女たちは、社会の中に受け入れてもらえない。

 

そんなことも、カンボジアの社会課題と言えましょう。

 

 

こうした結果、この子たちが病気だったり、望まない妊娠だったり、心と体が蝕まれていくことは、間違いありません。

 

でも、国が彼女たちの行動を奪ったら、生きる権利さえも奪ってしまうことになります。

 

一歩踏み込んで言えば、責任をもって教育ができていないから、それを取り締まることができないという、国家の弱腰のようにも感じ取れます。

 

 

それゆえ、学びをあきらめない、自らの可能性を広げられる、社会的資質を身に付けられる教育への転換が、今こそ求められているのです。

 

これが、男の子が中途退学した場合、薬物売買に走ったり、様々な悪事に手を染めたりということにも、なったりします。

 

我々は、そうしたことも視野に入れて、自ら判断し豊かな心をもった子どもの育成を、様々な支援活動に愛情をもって取り組むことを通して、現場の先生方に訴えかけています。

 

＊ただし、カンボジアでは、管理売春は違法とされています。