市販薬データ集『クスリ早見帖』を病院・診療所・薬局に届けたい

 

　本日、紹介するのは、安部正敏先生の『これだけは押さえておきたい皮膚疾患』です。

　この本は、「ジェネラリストが気軽に勉強でき、さらに皮膚科専門医へ紹介するタイミングなどを明らかにする本を企画したい」という出版社からの依頼をもとに執筆されました。

 

　99の疾患を取り上げ、それぞれ見開きひとつ（2ページ）にまとめられています。そして、各疾患ごとに写真が提示され、その皮疹の特徴と具体的な記述（内科医としてはこれがひじょーに有難い。皮疹の特徴をどうカルテに残すか悩むケースが時々あるので。）が示されています。

 

　ここからは市販薬についてです。

 

　市販薬ではよく使われている成分に「アリルイソプロピルアセチル尿素」という催眠鎮静薬があります。医療用医薬品ではあまり見かけない成分です。

 

　この本では、アリルイソプロピルアセチル尿素による固定薬疹のことが詳しく説明されています。項目名は「持続する口周囲の色素斑」です。口唇にできた場合は、口唇ヘルペスと誤認しやすい薬疹であることが示されています。

 

　アリルイソプロピルアセチル尿素は、海外ではすでに販売中止となっておりますので、これによる薬疹を学べるという点で、世界的にみても貴重な書籍ではないかと思います。

 

　そして、市販の解熱鎮痛薬の売れ筋の製品には、「非ステロイド性抗炎症薬（イブプロフェンやロキソプロフェン）とアリルイソプロピルアセチル尿素」の合剤がとても多いのです。

 

　薬疹かな？と疑った場合、非ステロイド性抗炎症薬が原因ではないかと考える医療者も多いと思いますが、このアリルイソプロピルアセチル尿素の薬疹についても知っておく必要があります。

 

　たいへん貴重な内容で、しかも分かりやすく学べるよう、編集にも工夫が施されています。おすすめの1冊です。

 

 

 

　下記は、『クスリ早見帖2020年版』で紹介させていただく出版物のうち、すでに紹介した出版物の一覧です。残り3の出版物については、明日以降、ご紹介いたします。

 

紹介日：出版物のタイトル

　6/23：小児科医ママの子どもの病気とホームケアBOOK

　6/24：マンガでわかる！子どもの病気・おうちケア はじめてBOOK

　6/25：小児のかぜの薬のエビデンス

　6/26：かぜ診療マニュアル 第3版

　6/29：誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた

　6/30：J-IDEO / ジェイ・イデオ

　7/01：OTC医薬品の比較と使い分け

　7/02：病気と薬 ウソ・ホントの見分け方

　7/03：これだけは押さえておきたい皮膚疾患

 

 

　クラウドファンディングでは、プロジェクトの存在が世間に広く知れ渡ることが重要です。

 

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株式会社プラメドプラス
代表取締役　平　憲二（医師）