昨年の1211日。香港当局はアドミラリティで抗議者たちよる路上占拠を強制排除し、僕は目の前でその様子を見ることになった。

 

香港の警官隊は横一列に並び、一歩、また一歩とノロノロ進んでいき、その末に抗議のために逮捕を覚悟で路上に座り込んでいる人々の前にたどり着いた。およそ250人の香港市民が座り込み、警官たちを待ち構えている。

抗議者が一人ずつ、最低でも二人の警官に両腕を掴まれて連行されていった。自ら立とうとしない抗議者は両腕、両足を4人の警官に掴み上げられて、運ばれる。連行された抗議者は少し離れたところに待機しているバスに乗せられた。僕はその途中に待ち構えて、連行されていく抗議者を撮った。

その表情は様々で、ある者は黙ったまま鎮痛な面持ちで連行されていくが、警官に両脇を抱えられながら必死に運動スローガンを連呼する者もいる。

9時間以上が経過した午後9時半近く、抗議者の最後の一人が連行され、バスに乗せられた。

警官が拡声器を残った報道陣に向けて、英語と広東語で「警官たちの誘導に従って帰ってください」などと言っている。

「もう終わりなんだ」

その言葉の疲労感で重いカメラバッグが余計に重く感じられる。だが、次の瞬間、その重さを吹き飛ばす出来事が起こった。

 

 

 

新着情報一覧へ