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2021年02月23日 10:52

抜粋。その9。『花南の図書館通いが始まった』

 花南の登校拒否が始まった。母は朝食とお昼のお弁当を作ってくれた。自分
のお昼も。健太には給食がある。母と健太を送り出すと、洗濯機を回して掃除
と食器洗い。洗濯が終わり乾燥機から終了音が鳴るまでに掃除も食器洗いを終
えている。ものの一時間も経っていない。
 今日から花南が夕食を作る。母から二千円を渡された。「これで夕食の献立
を考えて。足りなかったら言って」。今までは夕食も母。お手伝いしても主役
は母。献立を考える必要はなかった。今日からは考えなくては…。
 二千円で何が買えるのだろうか。二千円で何を作れるのだろうか。お米はた
くさん在った。調味料も揃っていた。健太を児童館に迎えに行くまでたっぷり
と時間がある。学校に行かないと母を少し楽させられる。夕食を作ってやれる。花南はこれが嬉しかった。今までは母が夕食も作り、食べ終わると、コンビニでまた三時間働く。今日からこれが変わる。                                
 難しいものは作れない。何を作ると美味しいと言ってもらえるのだろうか。
こうした時は自分が食べたいものを考えたら…が浮かんだ。食べたいものとは
特にない。何でも美味しく食べてきた。健太もそうだ。一度に沢山作れて、健
太が「もうお腹いっぱいだ」とひっくりかえってしまう献立とは何だろう。手
間がかからないのは鍋。ひとつ鍋を三人で囲む。花南は鍋が好きと云うよりも
三人で囲むのが好きだった。温かくてシアワセな気持ちになる。
 母は料理本を持っている。台所の棚にある。鍋を開いた。鍋と云っても種類
が多い。健太は魚よりも肉が好きだ。『鶏の水炊き』が目に入った。母は作っ
ていない。鶏肉は安い。今日は安売りの火曜日。決めた。やってみよう。レシ
ピには四人分と書いてある。健太がいるから四人分は丁度良い。どのレシピも
四人分で書かれてあった。助かり。
 花南はレシピを読み込んだ。これは簡単。出汁を取らなくても良い。土鍋に
水を二ℓ。鶏の胸肉の脂身をこそげ取り水が沸騰したら入れる。これが出汁。
脂身を取った胸肉を一口大に切り分ける。大切なのは大根おろしとアク取りと
書いてある。ポン酢醤油に大根おろしをまぶして食べる。加減はそれぞれで調
節。大根・人参・豆腐・白菜(『白菜は欠かしてはいけない。甘味が出る』と
)・舞茸・葛切り。ごぼう(『ささがきに切って水に一〇分間晒してアクを抜
く。水から煮る。これで風味が深まる』と)。手間がかかるのは大根おろしと
ごぼうだけ。調理開始から三〇分もあれば完成できる。胸肉から脂身をこそげ
取るのと大根おろしとささがけは調理前に準備できる。脂身はサランで、大根
おろしとごぼうはタッパー。健太の為に餃子も用意しておこう。もの足りなさ
そうにしていたら餃子を焼いて出す。こうすれば健太は満足する。
 花南は必要な食材をメモしてスーパーに出向いた。混んでいた。迷わず食材
と冷凍餃子を買った。全部で九八〇円だった。安上り。
 家に戻り下ごしらえを終えた。まだ十二時前。母が作ってくれたお握りをひ
とつ食べた。健太を迎えに行くのは一七時。それまでの時間をどう過ごすのか
はとても大切。登校拒否児童は勉強が嫌いなのではない。いっぱい勉強して社
会や科学の知識を吸収したい。それらを学校で得られないなら別の方法を見つ
けなければ勉強が苦手なただの不登校児童になってしまう。学校以外で勉強で
きる処とは何処だろう。塾か図書館。
   花南には塾に行く選択肢がなかった。塾はお金が要る。学校が終わった夕方
から始まる。例え塾に行ったとして顔見知りばかり。学校と何も変わらない。
だったら図書館。とにかく行ってみよう。行ってみてから考えよう。
 中央図書館まではチャリで十五分。初めて入った。小学生は居ない。爺さん
が多い。爺さんの多くは新聞に群がっている。婆さんは僅か。ニFには学習室。二〇人ほどが勉強している。高校生のようだけれど高校生だと学校に行っている時間。だったら浪人生だ。学習室で勉強しているんだ。
 一FとニFには数えられないほどの本が置かれていた。学校には図書館がな
い。在るのは図書室だった。小学生用の伝記とが図鑑が多い。花南は図書室と
図書館の違いを認識した。図書館には世界が詰まっている。                                
 二Fの奥にはパソコンが六台も置かれていた。ひょっとしてパソコンを使っ
ても良いのだろうか。六台は使って下さいと囁いているようだった。花南はパ
ソコンの前に佇んだ。使ってみたいけれど使い方が全く分からない。一度も触
ったことがない。白衣の女の人から声をかけられた。
「パソコンを使いたいの…。だったらここで手続きして」
 やっぱり使えるんだ。花南は白衣の女の人に近づいた。『相談員』と書かれ
たプレートが席に置かれていた。意地悪そうには見えない。太っていた。
「手続きすればわたしでも使っていいんですか」
「住所と名前と年齢を書くと手続き完了。貴女は小学生…」
「はい。今日は学校が休みなので図書館に来ました。初めてなんです」
「パソコンを使いたいの…」
「はい。でも使い方が全く分からないんです」                            
「では立ち上げ方とネット検索を教えます。手続きは住所氏名携帯番号」
 太った『相談員』は花南をパソコンの前に座らせた。
 パソコンの立ち上げ方とマウスの動かし方。ネットを開く方法を示した。す
るとYahooが出てきた。次に検索方法。
「調べたいことがあったら枠の中に文字を入れてEnter Keyを押す。何か調べ
たい単語を言ってみて。このパソコンはローマ字変換だからね」
「中学生の不登校」
『相談員』はギョとして、それでも「中学生の不登校」を入力した。
 見出しがいっぱい出てきた。
「この見出しをマウスの左側でクリックすると内容が現れる。何処でもいいか
ら見出しを左クリックしてごらん」
「マウスってコードで繋がれている変な形のこれ…」
「そう。マウスとはネズミ。ネズミの形に似ているからマウス」
「クリックって…」
「マウスは右と左があるの。左を人差し指で軽く一回押す。それがクリック」
 花南は言われた通りに、見出しの一番上を、軽く一回、人差し指で押した。

―― 不登校になるきっかけ
   ①腹痛・頭痛・下痢・吐き気
   ②起立性調節障害(朝起きられない)
   ③人間関係(友達・先生)
   ④部活動のトラブル
   ⑤勉強の遅れ
   ⑥精神的な疲れ
   ⑦ゲーム依存
   ⑧原因不明

  

   ■不登校者数                            
   ①中学一年…23,959人
   ②中学二年…34,832人
   ③中学三年…38,832人   (平成二六年) ――

 

 花南は現れた文面に喰い入った。
 登校拒否はすべて不登校に組み込まれていた。
 ①から⑧にはイジメが書かれていない。特別な目もない。③の人間関係と⑥
の精神的な疲れはどうして起こったのかに触れていない。こんなのでは参考に
ならない。ただ不登校者の多さに驚いた。それも中一から中三までに一万五千
人も増えている。この生徒たちは高校へ進学するのだろうか。しないと思う。
中には卒業証書が発行されない人も多いはず。
 やはりパソコンは凄い。知りたいと思ったことに容易く辿り着く。それでも
分からないことは必ず出てくる。諦めないで色んな方法で追及する他ない。パ
ソコンで、あっちに行き、こっちに帰って、追及できそう。                         
「検索の方法は分かったでしょう。パソコンを使える時間は一時間。それ以上
使いたかったら再度申し出る。他に使いたい人がいなかったら継続して使える。パソコンを閉じる方法はまた今度。今日は私がOffにするから。あなた。パソコンに興味ありそう。此処にはパソコンの操作方法やパソコンの機能を書いた本が沢山揃えてあります。調べて分からなかったら聞いてね」
「はい。調べてみます。本を借りたい時はどうしたらいいのですか…」
「図書カードを持っていないと貸出できない。作りましょう。貴女が貴女であ
るとの証明が必要。多くの人は免許証で自分を証明できる。貴女には無理。で

 



          
 

 

 

 


 
花南は『林修』で検索してみた。林先生の本はテンコ盛りだった。
 こうして花南の図書館通いが始まった。

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抜粋。その8。『特別な眼への対抗。それは登校拒否』抜粋。その10。『花南の面接』。明日からは(下)です。
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