支援総額
目標金額 1,000,000円
- 支援者
- 25人
- 募集終了日
- 2015年12月11日
③ティピカの森からのお裾分け
1990年代後半まで、ラオスのコーヒーはインスタントコーヒーの原料となるロブスタ種がほとんどで、世界的にはほとんど知られていませんでした。しかし、オックスファムの支援対象村のひとつで、フランスが1920年代に初めて苗木を持ち込んだアラビカ種ティピカが残っていたのです。
ティピカは冷害に弱くすぐに枯れてしまう一方、香りがよく甘みがあるなどの理由から世界的には高い価格で販売されています。ちなみにブルーマウンテンもハワイのコナコーヒーも品種としては、どちらもティピカです。
当時、そんなティピカの収量は年々減少していました。その理由は高収量品種のカティモールが広まりつつあったからです。カティモールは90年代半ばにラオスで栽培実験が行われ、その後、フランスの援助もあり一気に広まりました。
カティモールの収量は、ティピカの倍くらいになります。農家の方々は当然、ティピカよりカティモールを好み、次々植え替えていきました。近年、ラオスコーヒーの輸出量が上昇し続けているのは、カティモールがあるおかげ。高収量のカティモールがなければ、農家は今以上に困窮していたはずです。
しかし、その一方で、自然環境や市場のリスク分散をしていく観点からは、カティモール一辺倒になるのは問題があります(もちろん、ロブスタもまだたくさんありますが……)。しかも、カティモールはごく一般的な品種であり、ブルーマウンテンやコナのようなその土地独自のブランドを築くことはできません。つまり、カティモールは、いわゆるコモディティ(価格が均質化し付加価値のあまりつかない商品)なのです。
一方、ティピカはしっかりと育てることさえできれば、ラオスコーヒーの価値を上げることができます。実際、アメリカのバイヤーによれば、カップテストの点数は、82点以上(手作業による欠陥豆を除去していない状態)。これはスペシャリティコーヒーとして流通させることのできる点数です。
しかし、まだまだ栽培や加工の過程で改善しなくてはならないことが山積しています。これらを解決すれば、もっと点数は上がるはずです。
さらに、わたしが注目しているのは、「森のティピカ」です。近年では効率を求める観点から、農地を整備して1メートル×1.5メートル間隔でカティモールだけを植えるようになってきています(日陰樹は植えています)。しかし、この「近代的」な方法では農地に、しっかり肥料を投入なければ土壌が痩せてしまい、農薬を撒かなければ虫がついたときに一気に木がダメになります。
この解決策になるのが、森のなかで自生しているティピカです。
わたしも何度かその森のティピカを見に行きましたが、そこに行くまではホントに山登り。道なき道を分け入って、木々が生い茂り、多少薄暗くなっている中を進み、斜面に自生するティピカにまでたどり着きます。
森のティピカが育つ場所は、土がふかふか。肥料や農薬などまかなくてもしっかり育つのです。
わたしは、カティモールを生活のベースにしつつも、標高1200メートル以上の農地では、できるだけティピカをしっかり育てていくことで、ティピカがラオスコーヒーの評判を高める役割を担えるのではないかと考えています。
この思いはATJの豆の買い付け先、ジャイカフェ協同組合(JCFC)の代表であるウアンさんたちも同じです。以前、「日本人はティピカばかり探しに来る」とよく言われましたが、ATJをはじめ、わたしもその戦略的な意義をずっと農家の人たちに説明してきました。
その結果、いまではティピカを専門に扱うJCFCのもとには、たくさんのお客さんが訪れるようになり、ラオスコーヒー協会もティピカの重要性に気づき、現地の輸出業者もティピカを扱うようになりました。
第一に種の多様性を保護し、続いて「森のティピカ」のような貴重な木を守る。その上、このティピカの品質を向上させて、ラオスコーヒーの評判を上げていくこと。これらが、今、ATJ、わたし、JCFCの3者で目指していることの一つです。
次回は、なぜ農民主導の協同組合を支える必要があるのかについて説明します。

(写真 森のなかで自生するティピカの木)
リターン
3,000円

■ドリプロメンバーからのサンクスメール
■ドリップパック
- 申込数
- 16
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年6月
10,000円

■ドリプロメンバーからのサンクスメール
■ティピカ 中煎り 豆
■ティピカ 深煎り 豆
■生産者との交流会・講演会へのご招待
- 申込数
- 9
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年6月
3,000円

■ドリプロメンバーからのサンクスメール
■ドリップパック
- 申込数
- 16
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年6月
10,000円

■ドリプロメンバーからのサンクスメール
■ティピカ 中煎り 豆
■ティピカ 深煎り 豆
■生産者との交流会・講演会へのご招待
- 申込数
- 9
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年6月

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