傷つく自然 危機的状況に
傷つく自然 危機的状況に

 

この記事は2009年の記事です。

上の写真、ウミガメの足跡です。分かりますでしょうか。消波ブロックにぶち当たっては戻り、ぶち当たっては戻り・・・これを8回も繰り返し、波打ち際に近い位置に産卵し、帰海したという事例です。距離にして100mほどですが、ウミガメが100m陸上を移動するのはとても大変です。しかもこの様な形で移動するのは、かなりの体力を消耗します。

 

この写真が2005年に全国のメディアに注目され、その後も時々、こうして取り上げられました。

下の写真は、消波ブロックに沿って移動し、ブロックの穴に落ちてしまった様子ですね。残念ながらこの個体は死んでしまいましたが、あと1日見つけることが早かったら・・・と思うと残念でなりません。

 

記事が読みづらいと思いますので、下記をお読み下さい。

 

環境異変 番外編見え始めた破局

傷つ自然  危機的状況に

弓のように緩やかにカーブしてかなたまで続く白い砂浜。静かに波が打ち寄せる海岸に沿って、丘陵の照葉樹の緑が初夏の日に輝く−。愛知県の伊良湖岬から浜名湖の南まで、太平洋の遠州灘を望む全長約50キロの表浜海岸は、日本では今や希少となりつつある砂浜海岸だ。絶滅が懸念されているアカウミガメに残された貴重な産卵地でもある。

だが、美しいこの砂浜も本当の自然の海岸だとは言い難い。砂浜に沿って並べられた賞はブロックが生き物の背骨のように延々と延び、平行して走る道路が、森と海の繋がりを断つ。

「50キロを超える表浜海岸でも手付かずの海岸線が残っているのはほんのごく一部でしかない」と、砂浜周年の生態系保護に取り組む歩も手浜ネットワークの田中雄二代表が言う。

産卵のため、上陸したウミガメは、消波ブロックやコンクリート護岸に行く手を阻まれ、卵を産める場所を求めて砂浜の上をさまよい歩く。産卵後にブロックに帰路を阻まれ、死ぬことも珍しくない。

「産卵に来るウミガメの半数は卵を梅酢に海に帰っていく。比較的良好な環境が残るこの浜でもそんな状況です」と田中さん。

産卵場所を探してウミガメが体を引きずった跡がいくつもいくつも、半円を描いて海岸に延々と続く様子をとらえた田中さんの写真は自然保護関係者の注目を集めた。

生物多様性保全に詳しい東京大の鷲谷いづみ教授は「砂浜だけでなく、日本の環境はこの数十年で激しく変化した。多くの貴重な自然が消え、日本の生物多様瀬性は危機に直面している。砂浜に残るウミガメの跡はその象徴だ」と話している。

 

この様な事例が生じる都度、日本の人工化が進む海岸環境に憤りを感じるのですが、野生動物への影響は計り知れません。

 

2003年、表浜ネットワークの創立者が倒れ、私が引き継ぎウミガメ調査をするようになった翌年、その年はウミガメの上陸数が多く、上記記事の写真の様なブロックに行く手を阻まれる足跡が毎日の様に見られました。


この年は台風の上陸も最も多かった年で、砂に埋もれていた多くの消波ブロックがむき出しになり、上記の様な事例が増えたのでした。ウミガメは、海岸の変化の影響をまともに受けたのです。
身動きが取れなくなったウミガメの痛々しい姿を目の当たりにした時は、本当にショックでしたね。

私は、表浜海岸のウミガメに何が起こっているのか、情報を発信し続けました。


上記の記事には鷲谷先生のコメントも掲載されていますが、正に、日本の環境の悪化をウミガメの足跡が物語っています。

新着情報一覧へ