みなさん、こんにちは。
ADRA Japanでボランティアをしている大学3年生の越沼と申します。

 

ネパール医療チーム派遣プロジェクトは1995年から始まり、
今年で18回目を迎えます。今回は、これまでの17年間を語るのに
欠かせない看護師、石川雄二(いしかわゆうじ)さんをご紹介します。

 

石川さんは東京都杉並区にある東京衛生病院で手術室看護師長を務めておられ、
プロジェクト立ち上げの時から活動の中心になってお手伝いしてくださっています。

このプロジェクトの立ち上げの時には医療器材は何もなく、用意された資金は
わずか200万円でした。ゼロから医療を始めるには最低でもその10倍の
2,000万円が必要だったそうです。それでも石川さんは「やるしかない」と、
片っ端から企業に頭を下げて回り、手術に必要な資材や資金の寄付を
お願いし、物品を集めてくださいました。

 

現在20才の私。私が3才のころから、石川さんはボランティアとしてずっと
このプロジェクトに関わってこられたわけです。


去年、手術を受けたビニータちゃんと石川さん


 人生のこんなに長い時間をかけられるなんて、きっと崇高な理念が
あるからに違いない!石川さんは一体どんな思いでプロジェクトに
関わっているのだろう?

そんな思いをもって、9月某日に石川さんにインタビューをしてきました。
医療チームの牽引役である石川さんの素顔を、これから前編と後編に
分けてお届けします。

石川さんにお会いして、私の予想は良い意味で大きく裏切られてしまいました。


 

――石川さんは医療コーディネーターとして、一年を通して
このプロジェクトにご自身の休日も全て費やしていらっしゃるそうですね。どのようなことをされているのですか?

現地ではプロジェクトがスムーズに進行するようにするため、
手術予定を先生方に確認したり、手術室の医療チームメンバーからの要望を現地の
スタッフに伝えて調整をしたり、そのほかにも手術室で必要となる様々な細かい業務を
しています。現地での2週間の活動を支えるのが、国内での準備です。

プロジェクト前には、企業を訪問して製品の寄付のお願いをしたり、
医療チームに参加するボランティアの面接をしたり。

プロジェクトから帰国すれば協力してくださった企業に、
活動報告とお礼を兼ねてADRAスタッフと一緒に訪問したりしています。


 

――どうして17年間もこのプロジェクトを続けてこられたのですか?

僕は本当に、ただこれが好きでやっているわけです。純粋に楽しいから。

続けてこられたっていうよりも、続けたかった。大変な思いをして、
苦労をして、嫌々やっているのではないんですよ。
皆さんの趣味がギターとか写真だっていうのと同じように、
僕の趣味はこれなんです(笑)。
楽しいから、たとえ一年中休みがなくても続けたいって思います。

 

 

――どのようなところが楽しいのでしょうか?

普段は手術室っていう閉鎖された空間の中で仕事しているけど、
このプロジェクトで色々な人たちと知り合えて、色々なところに行けることかな。
そういうこと全てが楽しいんだよね。例えば、企業の人にこの話をすれば、
熱心に聞いてもらえて、関心を持ってもらえる。話を聞いてもらって、
こういう活動が理解されていくということも嬉しいことのひとつです。

 


――それでは、このプロジェクトで経験した最も嬉しかったことを教えてください。

お母さんが涙を流しながら喜んでくれる。うつむいてばかりいた子どもが
にっこり笑って「ナマステ」と手を合わせてくれる。そんな姿をみると、
準備の苦労も忘れてしまうんです。でもそれだけではなくて、
「何かを仲間と一緒に成し遂げる喜び」を僕は感じています。

 

――仲間というのは医療チームのことですか?

医療チームだけではありません、このプロジェクトには沢山の仲間がいます。
一緒にネパールに行くお医者さん、看護師、薬剤師、栄養士、ボランティアの人たち。

医療を受ける患者さんとその家族。僕たちの仲間はそれだけでなくて、

募金で協力してくれた人も、製品を提供してくれた人たちもいる。
手術しに行った僕たちだけが仲間じゃないってこと、そのことは
絶対に忘れちゃいけないことなんだよね。

学生さんから、僕みたいなおじさんまでいろいろな人がいるけれど、
参加している人たち全員が同じ目的を持って、ひとつのものを皆で成功させようって思う。

仲間と一緒に「良かったね」って喜べるのが本当に嬉しいんです。

患者さんも患者さんの家族も、手術しに行った僕たちも、
僕たちの仲間も、ひっくるめて皆で成し遂げられたっていうところが僕は好きです。


――石川さんは今年で55歳だとは思えないほどイキイキしていますよね。
きっと夢をお持ちなのではと思うのですが、どうですか?

夢か…一生こんなことやっていたいね。(笑) 
年取っていつかはできなくはなるんだろうけどさ。
こういう活動をするのが好きだっていう仲間と、一年に一回はどこかに行って、医療をしてくる。

これが一生続けられるとすっごく楽しいかなあって思っています。

 

 

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石川さんの答えから見えてきた想いは「崇高な理念」という難しくて肩肘張ったものではありませんでした。

むしろとてもシンプルで、本当に、純粋にこのプロジェクトが好きなのだということが伝わってきました。


患者さんが笑顔になることは、患者さん自身や手術に関わったチームだけの喜びなのではなく、このプロジェクトに関わる全ての人にとっての喜びなのだということ。

これが、私にはとても素敵なことに思えました。

このプロジェクトの誇りを私がひとつ挙げるとしたら、あたたかい想いをもって力を注ぎ続けてくださる石川さん、そして見返りを求めず全身全霊で手術や手術後のケアに臨む医療チームの方々です。

目標達成まで、残すところ23万円となりました。

 

一緒に、差別に苦しむネパールの患者さんが笑顔になることを喜ぶ仲間になってくださいませんか。


 皆さんのご協力が必要です。どうぞよろしくお願いいたします。

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