予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい

予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい 3枚目
予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい
予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい 2枚目
予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい 3枚目
予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい
予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい
予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい 2枚目
予兆なく命を奪う腹部大動脈瘤。臨床研究から治療法への光を見出したい 3枚目

寄付総額

10,420,000

目標金額 3,000,000円

寄付者
289人
募集終了日
2024年10月31日

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2024年09月23日 12:00

【CF15日目】F-HAAAT試験の苦悩

皆さんこんにちは、樺です。

今日は研究に関する知識のご紹介ではなく、難しい点を共有したいと思います。

 

臨床試験の実施には、超えるべき壁がたくさんあります。

 

臨床試験というのは、臨床試験に参加して下さる患者さんが必要です。この臨床試験に何人患者さんが参加するか、というのは、プロトコルという研究の設計図を作成するときに綿密に検討され、決定されます。多くの場合は最終的なエンドポイント(研究ごとに設定する、その研究データの中で最も調べたい事項)を、統計学的に有意差を出すために必要な人数を計算し(←これが難しい)設定します。

 

今回我々が行うF-HAAAT試験は、エンドポイントが「安全性の評価」です。しかし腹部大動脈瘤の治療には「標準的治療」という、この病気といったらこの治療、といったお決まりの治療法が存在しないため、「治療Aをしている人とくらべてトリカプリン治療をした方が、これくらい安全」などという言い方ができません。かといって、腹部大動脈瘤の自然歴(治療せずに自然の流れに任せるとどうなるか)と比べても、小さな(≦45㎜)腹部大動脈瘤が何か悪いイベント(例えば心不全とか、破裂とか)等のハードイベントを起こす確率がとても低いため、1年程度様子をみたところでほとんど何も起きず、トリカプリンを使ったから悪いことがこれくらい減った、のようにいう事もできません。ここからわかるように、実はAAAは臨床試験でとても扱いにくい疾患です。

 

ですので、トリカプリン投与中に起こった良くない出来事(有害事象)をすべて集めて、それを何かと比較するのではなく、特別意味のある有害事象が起きないことを確認するのが今回の目的になります。ここに統計学的有意差は出てこないため、患者さんの人数を何人に設定するかには特に根拠がありません。AAAの患者さんにはトリカプリンを使ってデータをとるのは初めてになりますので、倫理的な観点から10名の患者さんを対象とすることとしています。

 

腹部大動脈瘤の患者さんは、世の中にたくさんいらっしゃいます。

しかしその10人の患者さんがなかなか集められないのです。

 

2024.9.21時点で、F-HAAAT試験参加が確定している人数は3人です。腹部大動脈瘤を手術せずに経過観察されている病院へお願いして、試験に参加できそうな方をご紹介して頂くのですが、どうしても試験に適性のある患者さんがなかなか現れません(特に、大きさ45㎜以下の制限に合わない方がほとんどです)。

 

image.png

※F-HAAAT試験の参加に必要な条件。

 

 

理由は様々あります。

まず小さい腹部大動脈瘤を経過観察されている患者さんは、ほとんどが1年に1回、もしくは6か月に1回医療機関を受診し、CTや超音波検査でAAAの大きさを見守られています。つまりご紹介いただくにせよ、その受診のタイミングで僕の外来へ紹介を頂かなくてはいけません。その為、通常はかなり長い受け入れ期間を設定して十分な人数を確保するのですが、我々の患者さん受け入れ期間のタイムリミットは10月末日まで(あと1か月)です(クラウドファンディングと同じですね)。これは様々な事情が重なっています。

また、大動脈瘤の状態が悪い方も多くいらっしゃいます。状態が悪いとは、「急速に増大しそうだ」「中に詰まっている血栓やプラークが不安定で、ちぎれて飛びそう」「血栓の量が多く、大動脈が詰まってしまいそう」「瘤の中に裂け目が出来ていて、大動脈解離を起こしそう」…CT画像を見ると、いろいろなリスクが考えられる方が多いのです。安全性試験ですから、リスクが高い患者さんはどうしても避けなければなりません。

 

10月末までで、何人患者さんを臨床試験に入れさせていただけるか、最後まで頑張ります。

 

では、また次回。

ギフト

3,000+システム利用料


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3千円:腹部大動脈瘤の治療薬創出を応援

⚫︎寄附金領収書
⚫︎お礼のメール
⚫︎研究成果報告書(研究成果のご報告に関する書類を作成しメールでお送りいたします。研究終了後、2026年3月ごろに送付予定です。)
⚫︎大阪大学未来基金HPに寄付者のお名前掲載(ご希望制)

▽累計50万円以上のご寄附をいただいた方は、ご芳名をプレートに記し大阪大学施設に掲示。
※累計額は大阪大学クラウドファンディングを含む、大阪大学未来基金へのご寄附を累計します。大阪大学未来基金についてはHPをご覧ください。
https://www.miraikikin.osaka-u.ac.jp/

申込数
130
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年4月

10,000+システム利用料


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1万円:腹部大動脈瘤の治療薬創出を応援

⚫︎寄附金領収書
⚫︎お礼のメール
⚫︎研究成果報告書(研究成果のご報告に関する書類を作成しメールでお送りいたします。研究終了後、2026年3月ごろに送付予定です。)
⚫︎大阪大学未来基金HPに寄付者のお名前掲載(ご希望制)

▽累計50万円以上のご寄附をいただいた方は、ご芳名をプレートに記し大阪大学施設に掲示。
※累計額は大阪大学クラウドファンディングを含む、大阪大学未来基金へのご寄附を累計します。大阪大学未来基金についてはHPをご覧ください。
https://www.miraikikin.osaka-u.ac.jp/

申込数
126
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2026年4月

3,000+システム利用料


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⚫︎お礼のメール
⚫︎研究成果報告書(研究成果のご報告に関する書類を作成しメールでお送りいたします。研究終了後、2026年3月ごろに送付予定です。)
⚫︎大阪大学未来基金HPに寄付者のお名前掲載(ご希望制)

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⚫︎寄附金領収書
⚫︎お礼のメール
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※累計額は大阪大学クラウドファンディングを含む、大阪大学未来基金へのご寄附を累計します。大阪大学未来基金についてはHPをご覧ください。
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発送完了予定月
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