加悦鉄道4号蒸気機関車|解体の危機。ポッポの丘で愛される車両へ。
加悦鉄道4号蒸気機関車|解体の危機。ポッポの丘で愛される車両へ。
加悦鉄道4号蒸気機関車|解体の危機。ポッポの丘で愛される車両へ。 2枚目
加悦鉄道4号蒸気機関車|解体の危機。ポッポの丘で愛される車両へ。
加悦鉄道4号蒸気機関車|解体の危機。ポッポの丘で愛される車両へ。 2枚目

支援総額

9,714,000

目標金額 7,000,000円

支援者
502人
募集終了日
2024年10月31日

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2024年09月09日 09:30

【夏夜鉄道4号機関車専用レイルロオド「かよ」紹介ショートストーリー】

『かよの旅路』

作:進行豹


見慣れた景色。

廃棄解体の瞬間まで、ここでずーっと過ごすんだって思い込んでた、いつもの景色。
”ずーっと”なんてありえないこと、今まで何度も、何度も何度も思い知らされてきたはずなのに。

「それでも――っきゃっ!?」

衝撃。
軽いものだけど……背中からだから不意を突かれた。

振り返るとぺこぺこ何度も下がる頭。
……初めて見る顔。

「問題ありません。少しびっくりしただけで。それより……あなたは、観光客さんですか?」

――言ってしまってすぐ思う。
そんなわけもなかったな、と。

だってここ。
夏夜SL広場。
閉園しちゃって、もう何年も経ってるんだから。

「……ああ、クラウドファンディングでの支援を検討くださってる方なんですね」

それでかよを――かよのSL、夏夜鉄道4号蒸気機関車をわざわざ見学に来てくれた。
ありがたい話、とても。

そうだ、ぼーっと郷愁にふけってる場合じゃなかった。

新天地"ポッポの丘"での新生活をはじめるためには、移送のためのクラウドファンディングを成功させることが必須。

そのためには少しでも多くの方にご支援いただくことが必要。
ご支援の輪を広げるためには……そう。

「それならかよのこと、かよの4号機関車のこと、少し自己紹介させてください」

――知ってもらうこと。それがなにより一番大事。
良かったことも、良くなかったことも、全部残らず、正直に。

「かよが製造されたのは、1921年。河崎造船所の兵後工場でのことです。
かよの機関車がロールアウトした、その1日後にレイルロオドであるかよもロールアウトしました」

当時は、かよはかよじゃなかった。
かよの4号蒸気機関車も、4号蒸気機関車じゃなかった。

川東(かとう)鉄道――1920年に開業して、1922年6月に長乃県の屋城-須阪間を開通させて営業運転開始した、千馬川の東岸を走り抜けていた鉄道の、
創業期をささえるべく発注された蒸気機関車のうちの一両。
――川東鉄道三号蒸気機関車と、そのレイルロオド……個体名称も与えられない"三号機関車レイルロオド"だった。

川東鉄道は、沿線のみんなが望んで敷設された鉄道。

いまでは珍しくない、けれど当時はほとんど見られなかった上下分離方式の、さきがけ――
用地の所得・維持の費用を地元が負担していた鉄道だった。

だから、とても愛されていた。
"鉄道"そのものが、とても、とても。


「川東鉄道は、とても愛された鉄道でした。たくさんのお客さんたちを運んで、運んで。沿線はいつでも賑わっていて、笑顔にみちてて。
だから電化も、びっくりするくらい早かったんです」

1926年。屋城駅-木嶋駅間が全線電化され、電車の運用が開始。

同年、9月30日。
1923年に開業し、1926年6月28日に権胴駅-須阪駅間を全線電化で開通させていたばかりの長乃電気鉄道を、川東鉄道が合併し、"長乃電鉄株式会社"に社名変更。

「……川東鉄道が長乃電鉄になって。電車たちが元気に走り回るようになると、蒸気機関車の仕事はだんだん少なくなってきました。
それで、『まだまだ活躍できる場所へ送り出してあげよう』っていってもらえて――1934年にかよ、夏夜鉄道に移籍して。名前を、初めてもらったんです」

新しい名前。
川東鉄道三号蒸気機関車は、夏夜鉄道4号蒸気機関車に。
そうして、川東鉄道三号蒸気機関車専用レイルロオドは、「かよ」に。

「かや鉄道の、よんごう機関車レイルロオドだから、かよ。とてもシンプルで覚えやすくてかわいい名前で、かよ、いっぺんに気に入りました」

夏夜鉄道でも、川東鉄道時代と同じく、旅客中心での運用を任されて。
数年して、沿線でのニッケル鉱石採取が始まると、かよの4号機関車は、旧帝鉄の後東工場に送られた。

「大改造を受けたんです。ニッケル鉱石をたくさん積んだ貨車を安全に牽引できるようにって、これ――」

ずしり、スカートを持ち上げる。
ふわりじゃなくて、ずしり。

「――かよの改造スカートにもくっついている大きな大きな空気溜め。これを大胆に外付けして、空気ブレーキを使えるようにしたんです」

自動空気ブレーキ。
圧縮空気を常に籠めることによりブレーキを開放しておくから、万一の損傷や列車分離などの事態があっても、空気が漏れることによりブレーキが自動的にかかる、安全性の極めて高い制動システム。

「ニッケル工場が沿線で稼働するようになってからは、工場線での輸送や工場内での入換でのお仕事が中心になりました。
こつこつこつこつ、15年くらいかな? 働き続けてたら、4号、じわじわじわじわ、補修が効かなくなってきたんです」

メンテナンスをどれだけしても最終的には回避できない、煙管の腐食。
火室内部の、リベット類の劣化。

「大規模な部品交換でしか対応できない老朽化が表面化して。けど、そのコストに値するほどの仕事がもうできなくなっちゃてた4号機関車は……だからそのまま、休車、廃車の道をたどることになりました」


けど、4号機関車は、かよは、恵まれていた。
廃棄からの解体――その既定路線に送り込まれずに済んだ。

「……『夏夜鉄道60年の歴史の中で、一番活躍した蒸気機関車』って、評価してもらえたんです。だから、廃車後もここ――夏夜SL広場で4号、ずっと静態保存してもらってました」

かよも、SL広場の職員として、そのまま働かせてもらえて。

「賑わってたんですよ? SL広場。観光バスが休憩に使ってくれてた時代とかもあって。レストランとかグッズショップもたくさんの笑顔にあふれてて」

ふわっと、当時のあの温かな空気を感じた気がして、さみしい気持ちになりかける。
けど――問題ない。

だって、レールは途切れてないから。

「だからきっと、移転先の”ポッポの丘”でも、新しい笑顔に会えるって、かよ思ってるんです」


――遠い昔にかよが客車で運んだ子供は大人になって、夏夜SL広場を支えてくれた。

夏夜SL広場で遊んでた子供も大人になって、今、かよと4号機関車が新天地に旅立てるよう、たくさん努力してくれている。

「ずっとずっと続くレールの、新しい目標――終着駅で、そこからさらに続く未来への、始発駅」


"ポッポの丘"
かよと4号機関車は、そこでまた、新しい乗務を開始する。

思えば笑顔が――とても自然に浮かんでる。

「そこへの旅路を。もしよかったら、どうか支えてくださいね?」



;おしまい

 

リターン

500,000+システム利用料


【特別な体験で応援】SLオンレール、試走プレミアムプラン!

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⚫︎SLオンレール試走プレミアムプラン
こちらのプランは、4号機関車がポッポの丘に到着し、レールに載り展示位置に収まる前に10t入換動車を4号と連結し、特別に試走を行う際に撮影・運転台での記念撮影を体験していただく、大変特別なプランとなります!また、4号機関車のポッポの丘到着後、取り下ろし据付作業を見学いただけます!そして記念品として、4号機関車の加悦SL広場での吊り上げ・出発・陸送時、そしてポッポの丘到着までに撮影した中から、激選した写真でクリアファイルを作成しお送り致します。

※2024年11月~12月の平日を予定(搬入日確定次第お知らせ)
※交通費・旅費等は支援者様のご負担となります
※入場料500円、オートバイ500円(入場料金込み)、お車1,000円(入場料込み)が別途かかります
※詳細は開催の1ヶ月前までに個別メールにてご連絡いたします。
※同伴者3名(合計4名様)まで可。

●御礼のメール
●「4号機関車」クレーン吊り上げ・陸送時の激選写真クリアファイル
※今回のみの限定特別生産で、数に限りがあります。
●CFページ・活動報告にお名前を掲載(希望制)

申込数
1
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年12月

20,000+システム利用料


特別な体験で応援!【ポッポの丘特別協賛!】10t入換動車の運転体験!

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●ポッポの丘にて動態保存中の「10t入換動車」運転体験!

※応募資格、18才以上、普通運転免許保持者に限ります。17才以下の方、普通運転免許をお持ちでない方は体験をできませんのでご注意ください。その際返金も承れませんのでご了承ください。
※同乗1名可
※ 2024年12月、2025年6月頃の営業日金・土
※駐車場代別途
※開催時間10時〜15時
※交通費・旅費等は別途
※運転日は悪天候や災害・不可抗力により延期の場合がございます。
※詳細は開催の1ヶ月前までに個別メールにてご連絡いたします。
※持参のカメラにて撮影補助
※希望者には場内をご案内致します。

●御礼のメール

申込数
7
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年6月

500,000+システム利用料


【特別な体験で応援】SLオンレール、試走プレミアムプラン!

【特別な体験で応援】SLオンレール、試走プレミアムプラン!

⚫︎SLオンレール試走プレミアムプラン
こちらのプランは、4号機関車がポッポの丘に到着し、レールに載り展示位置に収まる前に10t入換動車を4号と連結し、特別に試走を行う際に撮影・運転台での記念撮影を体験していただく、大変特別なプランとなります!また、4号機関車のポッポの丘到着後、取り下ろし据付作業を見学いただけます!そして記念品として、4号機関車の加悦SL広場での吊り上げ・出発・陸送時、そしてポッポの丘到着までに撮影した中から、激選した写真でクリアファイルを作成しお送り致します。

※2024年11月~12月の平日を予定(搬入日確定次第お知らせ)
※交通費・旅費等は支援者様のご負担となります
※入場料500円、オートバイ500円(入場料金込み)、お車1,000円(入場料込み)が別途かかります
※詳細は開催の1ヶ月前までに個別メールにてご連絡いたします。
※同伴者3名(合計4名様)まで可。

●御礼のメール
●「4号機関車」クレーン吊り上げ・陸送時の激選写真クリアファイル
※今回のみの限定特別生産で、数に限りがあります。
●CFページ・活動報告にお名前を掲載(希望制)

申込数
1
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2024年12月

20,000+システム利用料


特別な体験で応援!【ポッポの丘特別協賛!】10t入換動車の運転体験!

特別な体験で応援!【ポッポの丘特別協賛!】10t入換動車の運転体験!

●ポッポの丘にて動態保存中の「10t入換動車」運転体験!

※応募資格、18才以上、普通運転免許保持者に限ります。17才以下の方、普通運転免許をお持ちでない方は体験をできませんのでご注意ください。その際返金も承れませんのでご了承ください。
※同乗1名可
※ 2024年12月、2025年6月頃の営業日金・土
※駐車場代別途
※開催時間10時〜15時
※交通費・旅費等は別途
※運転日は悪天候や災害・不可抗力により延期の場合がございます。
※詳細は開催の1ヶ月前までに個別メールにてご連絡いたします。
※持参のカメラにて撮影補助
※希望者には場内をご案内致します。

●御礼のメール

申込数
7
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2025年6月
1 ~ 1/ 71


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