サラセミアは、遺伝性の疾患で予防ができない生まれつきの疾患なのですが、ラオスではそのほかにも生まれつき病態を抱えて生まれる子に出会います。このノイちゃんもその一人です。生まれつき耳が不完全形成されて生まれました。

左耳は見た目は耳があるように見えますが、耳孔がありません。

右耳の耳介はつぶれています。

4歳になるノイちゃんですが、私たちが村へ訪問するまでこの耳のことで医療にかかったことはなかったそうです。それは、産まれた直後に予防注射のために連れて行った病院での辛い経験がきっかけとなりました。ノイちゃんの耳を見た周囲の人々が興味本位に寄って来て、あれこれと質問をされ、お母さんは追い詰められた気持ちになりそのまま家へ帰ってしまったそうです。

ノイちゃんの聴力は完全に遮断されているわけではなく、3メートル以上離れると聞こえていないようでした。そんなノイちゃんをお母さんはとても心配し涙ながらにお話してくれました。『学校へ行くようになった時に、オートバイに気が付かずにはねられてしまうことがあるのではないだろうか?』『教室の中で学ぶことに障害が起きてしまうのではないか?』と、心配は絶えません。

 

訪問後、当院のサポートで首都ビエンチャンの病院へ紹介し、聴力検査やCTなど精密検査を受けてきました。しかし、今のラオスでは手術をすることはできず、このままの状態で、いかに不自由なく生活するかを考えることが現在の最優先となっています。

 

生まれ持った病態で治療ができず生活に支障が生じる患者さんに出会うと、患者さんは当然ですが、ご家族への心のケアも決して見逃してはいけないなと実感します。サラセミアでも全く同様で、更には患者さんを取り巻くコミュニティの理解とサポートが必要だと思います。病院でありながら視野を広げた目を持つ医療従事者側の姿勢が必須ですね。

 

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