冬を迎え、イチョウの黄色とドウダンツツジの赤色がとてもきれいです。

皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

浦和 調神社の大銀杏

 

先日、さいたま市観光ボランティア・浦和ガイド会主催の「石井桃子と浦和の街」という街めぐりに参加しました。石井桃子さんの代表作『幼ものがたり』の舞台をじっさいに歩いてみようという試みです。ルートは、浦和駅出発 — 高砂小学校(女子師範小学校)— 浦和第一女子高等学校(浦和高女)— 調(つきのみや)神社 — 仲町商店街(清水屋横丁)— 常磐三峯神社 — 旧石井邸(今は駐車場)・伊勢屋元酒店 — 三角稲荷 — 笹岡稲荷・浦和宿の一里塚 — 北浦和駅解散というもので、5.5キロをガイドさんの解説を聞きながら約2時間歩きました。

何度も浦和の街を歩いたことがあったのですが、今回は石井さんの遠縁の星野和央さん(さきたま出版会)のくわしい解説があり、とても有意義な会でした。『幼ものがたり』を参照しながらの星野さんの解説は、ご自身が浦和の歴史書の出版にも携わっておられるので正確無比です。あざやかに当時の情景が頭の中に浮かび上がりました。あらためて確認したのは、石井さんの通学路です。石井さんのお家は浦和宿の北はずれにあり、小学校は正反対の南のはずれです。片道およそ1.3キロ(中仙道)を15分くらいで通われたことがわかりました。また、浦和の南には坂道が多いことも発見でした。女学校への坂道は「アヒル坂」と呼ばれたそうです。

 

浦和 三角稲荷

 

石井さんは小学校2年生まで字が読めませんでした。学校の帰り、友だちの千代ちゃんと別れて一人になると、いろいろなことを考えながら帰るようになりました。また、ターバンを巻いた、きみょうな「お伴」たちと帰るようになります。(『幼ものがたり』「一年生」・『プー横丁にたった家』初版「あとがき」より)

 

1942年岩波書店刊『プー横丁にたった家』あとがき

 

石井さんは『幼ものがたり』の中で、文字が読めない自分が考えをめぐらせることを「幼い思索」と記されています。また、身体全体を使って身のまわりのことを認識していったことを記されています。これこそが石井さんの原点です。この頃のお風呂や夜のお手洗いは真っ暗。ロウソクに提灯、灯油ランプしか灯りはありません。通りを通る牛や馬の匂い、豚小屋のすっぱい匂い、空を飛ぶトンビの鳴き声。

朝は、町中で薪や炭の焚きつける匂い、雨戸を開ける音と荷車の通るガラガラという音ではじまりました。町の匂いや音は、今とはぜんぜん違ったのです。

『幼ものがたり』は街道から鉄道、ランプから電気へと、近代化が始まる頃のお話です。浦和の街をウロウロしながら、ぼんやり明治時代の様子を思い浮かべていました。

 

さて、上映会のお知らせがあります。ともに2作品上映とパワーポイントでお話します。

ぜひお越しください。

 

2016年12月11日(日)13:30-16:00

子どもに本を 石井桃子の挑戦 Ⅰノンちゃん牧場

子どもに本を 石井桃子の挑戦 Ⅱ『子どもと文学』

会場:三重県紀宝町立鵜殿図書館2階研修室

問い合わせ先:三重県紀宝町立鵜殿図書館 TEL 0735-32-4646

http://www.town.kiho.mie.jp/life/pdf/kiho1612-04-05.pdf

 

2017年1月21日(土)13:30-16:30(開場13:00)

子どもに本を 石井桃子の挑戦 Ⅰノンちゃん牧場

子どもに本を 石井桃子の挑戦 Ⅱ『子どもと文学』

会場:京都市 東本願寺 しんらん交流館 大谷ホール

お問合せ先: 京都家庭文庫地域文庫連絡会 島谷千織さん Tel.090-7098-6085

http://kyokoren05.vivian.jp/bunko/

 

次作「かつら文庫」の編集に入っているのですが、新発見、おどろきの連続で寄り道に迷い込みノロノロしています。完成は来春になりそうです。ご期待ください!

 

来年は石井桃子さん生誕110年にあたり、楽しみなイベントが計画されています。

詳細が決まりしだいお知らせします。

 

引き続き来年もよろしくお願い申し上げます。

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