バイトしてみたいっ！〜キッチンカーに外国人高校生の夢を乗せて〜

 

トレボルNIHONGO教室には、一人のベトナム人の生徒が通っています。

 

彼と教室をつないでくれたのは、日本人の父親でした。

 

私は、トレボルNIHONGO教室でインターンをしています。

生徒の一人で、一緒に勉強をしたことがあるベトナム人の生徒は、ここに来たばかりの頃、日本語がほとんど分からない状態だったことを、後で知り驚きました。

 

数学の問題に取り組んだときは、「これ解いてみてよ」と、オリジナルの問題を披露してくれるほど、積極的に日本語を話す生徒だなと感じていたからです。

 

父親は筒井さん。

息子はフォンくん(仮名)。現在は高校生で、横浜市の学校に通っています。

筒井さんは、フォンくんの母親であるベトナム人女性との結婚を機に、フォンくんと家族になりました。

 

2019年12月、縁あって息子のフォンくんは私たちが運営するトレボルNIHONGO教室に通い始めることになりました。

 

背景には、

学校で見たり聞いたりする日本語がまったく分からず勉強への意欲をなくしてしまったフォンくんと、何とかしてやりたいという筒井さんの強い思いがありました。

 

来日前、フォンくんは、英語と数学が得意で、将来は語学力を活かす仕事がしたいと意気込んでいました。

 

しかし、来日後1ヶ月ほどで横浜市内の公立中学校に通い始めたフォンくんには大きな壁がありました。

 

日本語の壁です。

 

当時、フォンくんは、学校で見たり聞いたりする日本語がほとんど分かりませんでした。

数学は、計算はできても文章問題や用語がまったく分かりません。

英語は、授業以外で使う場面がほとんどありません。

クラスメイトとのコミュニケーションにも苦労しました。

 

日本語が分からなくて学校生活にストレスを感じているフォンくんに、

筒井さんは、情報もツテも何もない状態。

「何からどうすればいいのか分からない」のが本音だったと語ります。

 

日本語を学びながら学校の勉強ができる場所はないだろうか？

 

そんな中、TwitterでトレボルNIHONGO教室の情報が。

「ここなら！」という気持ちで教室長を務める西にメッセージを送ったそうです。

 

 

三者面談を経て、西とフォンくん、筒井さんで決めた目標は2つです。

 

①初級日本語の習得

②得意な英語と数学の成績UP

 

来日当時は中学2年生、翌年には高校受験を控えています。

フォンくんにとって、日本という初めて来た国で改めて勉強に向き合うことは新たな挑戦でした。

 

父親である筒井さんの熱意とサポートがあったからこそ、

10代にして国境を越える引っ越しと、日本語の壁を経験したフォンくんの新たな挑戦を切り拓くことができたんだと私は感じました。

 

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2022年2月12日（土）のインタビューへの様子

左上：筒井さん

右上：トレボルNIHONGO教室　インターン生

下：トレボルNIHONGO教室　教室長　西涼光