ボランティア活動現場からの報告

 

今回は個人でボランティア活動されてる方からの活動現場での記事を送ります。

 

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ある猫の繁殖地で暮らす、白ぶちの毛色をした古参のメス猫。

 

名前はミーコ。

 

ミーコは小柄で物静かで、人間とも一定の距離を置いて近づかず、他の猫達とも一緒に行動する事はありません。時々姿を現しては、すぐにどこかへ去っていきます。子育てがあるからです。

 

初めて存在を知ったのは昨年の夏頃。その時は既に出産していたようで、餌やりさん情報では、この子は今まで何度も妊娠出産を繰り返し、子孫が相当数いる事も判明しました。

 

春の出産ラッシュを迎え、やがて仔猫が離乳するタイミングを見てメス猫を避妊していましたが、ミーコは他の猫に比べ予想以上に捕獲に難航し、何度もタイミングを逃しては、また妊娠出産していたようです。

 

春、夏、秋と季節は過ぎ、どうやら一年で三度目の出産をしたミーコ。冬が近付き、寒さに耐えながら懸命に子供を守る姿を時折見せるようになりました。

 

産まれた三匹のうち一匹は餌やりさんが引き取ってくれましたが、残された二匹はこれから訪れる冬の寒さに耐えられるかが心配でした。保護してあげたい。でも今保護すれば仔猫のお世話に手がかかり、現地での活動に手が回らなくなるという葛藤に悩まされました。

 

何とか冬を乗り越えて欲しいという思いとは裏腹に、ある日一匹がぐったりとしている姿を餌やりさんが発見。悩みに悩んだ挙句、一人のボランティアさんが無理を承知で二匹を保護してくれましたが、衰弱していた一匹は、残念ながら亡くなってしまいました。

 

もっと早く保護してあげていれば･･･と、後悔の念がよぎります。

せめてもの救いは、もう一匹の仔猫が元気に回復し、里親さんが見つかった事です。

 

仔猫から手が離れたミーコ。今度こそ捕獲して手術に連れて行きたい。

でも体は汚れて痩せていて、虚ろな目をして食欲も元気もなく、何度も繰り返した妊娠出産で疲れきった印象でした。

 

令和4年1月。

餌やりさんが、ミーコを引き取る事を検討してくれているという嬉しい情報が入りました。それなら一刻も早く、暖かで安全な場所に保護してあげたい。今まで仔猫の為に生きていた分、これからは自分の為にのんびり生きて欲しい。

 

何とか捕獲して無事に迎えた手術当日、病院で事前検査をして貰った結果、腎臓も肝臓も腸内も弱りきっていて、とても手術に耐えられる体力は持っていない事が判明。

 

元気がない様子から予測はしていましたが、手術は見合わせ、投薬しながら静養させ様子を見ようと、ボランティアさんがまた自宅でお世話をしてくれる事になったその日の夜、想像以上に容態が悪くなり、ボランティアさんの腕の中で静かに息を引き取ってしまったのです。

 

暫くその事実を受け入れられませんでした。そこまで悪かったなんて。

やっと暖かい場所に保護できたのに･･･これから元気になって、安全な場所で幸せに暮らして欲しかったのに。白い毛並みは、手入れをしたらさぞ美しかった事でしょう。

 

決して環境が良いとは言えない場所で、何度も何度も休む暇なく命懸けで子供を産み、授乳し、もう母体の栄養も免疫も何もかも吸い取られていたのでしょうか･･･ボロボロになって死んでいったミーコ。

現地で見たあの虚ろな目･･･ミーコはその時から自分の死を悟っていたのでしょうか。

 

推定年齢は3～4歳

まだまだ若く、家猫なら元気いっぱいな年齢です。

 

外で生き、子孫を残そうとするメス猫の生き様とはこうなんだと、ミーコに教えられた気がします。

 

避妊する事の大切さを改めて感じました。

 

可愛いから、可哀想だからと外で餌やりだけしている人に強く訴えたい。餌をあげるならまずは避妊して猫の身体の負担を抑えて下さい。不幸な子を増やさないで下さい。

 

そして本当の愛情は、猫を家に迎えてあげる事です。

 

また私達ボランティアも、活動している中で後悔の連続です。あの時もっとああしていれば、こうしていればと･･･今回のように子育てをしている猫を親子一緒に保護出来ていれば、母猫を手術している間、子猫も保護して安心してお世話出来る場所があれば･･･そして里親さんも同時に探してあげられればと。

 

そういう願いを叶えられる今回のプロジェクト。本当に実現したいです。外で生きる猫の過酷さを沢山の方に知って貰い、少しでも多く幸せへと導いてあげたい気持ちでいっぱいです。どうかご支援と応援を心からよろしくお願いします。

 

 

別府市個人ボランティア