【コロナで深刻化】貧困を永続的に救う農園 in EGYPT

 

三祐コンサルタンツ　様

（国内外における農業開発、水資源開発その他、経済、社会開発に係わる企画、設計、施工管理、運営指導、環境アセスメント等についてのコンサルティングを行われている企業様です）

　上エジプト農業プロジェクトメンバーの皆様にお話を伺うことができました。

我々の取り組みは、三祐コンサルタンツ様の事業に直接関係がないにも関わらず、終業後のお時間に快くお話をしてくださいました。

住んでいるだけでは分からないエジプトの農業について、専門的見地から多くの事をご教授頂きました。

　最後には「良い取り組みの成功を祈っています」との応援の言葉も頂きました。ご協力とご支援に改めましてこの場でお礼申しあげます。

 

今回の新着情報では、伺いましたお話の内容を報告させて頂きます。長文になりますが、ご興味のある方はご覧ください。

 

 

【要点】売り先が重要になる

 

①まず最初に現地の市場調査をすべき

※卸業者やホテルなどを周り、品質を理解してくれる人をみつける努力をしつつ市場調査を行う必要がある

②①を行うことは初めのステップとして重要であるが、通常の農業と異なる点（貧困支援である、無農薬栽培）2つを付加価値とすることを視野にいれ販売計画を立てる必要がある

 

【運営に関して頂いたアドバイス】

 

●ルクソール空港の近くという利点を活かし、観光農園としての経営を視野に入れてはどうか（農業体験など）

※ツアー会社などとの提携で観光としても見込みがあるのではないか

※観光客向けに、良くデザインされたパッケージのデーツや干しぶどうなどの販売をしてもよいかもしれない

 

●ルクソールのホテル等に卸すことが可能性として考えられる

 

●ハウス栽培をするのであれば、いちごはチャンスかもしれない

※デルタ地域では栽培が盛んになっているが、上エジプトではいちごがまだ栽培されていないのでルクソールでの需要が高いかもしれない

 

●エジプトの農作は基本的に冬作と夏作の二期に分かれている。それぞれで何を栽培するか

※野菜等の栽培は冬がよい。夏に何を作るか（ハーブ・トマト・落花生・大豆など）

※ハーブは牧草よりも少し手がかかるくらいで水も大して多くいらない。お茶として出荷することもできる、アニスなど。しかし売り先の確保が問題

※大豆は儲からない

 

【農業の専門知識面で頂いたアドバイス】

 

●エジプトの農業についての基礎的な知識

エジプトは雨が少ないので、日照時間が長く農作物の収量は世界最高水準である（他国では1㌶3tの作物もエジプトでは5t取れるなど）

上記のような地理的利点から日本の業務用スーパーの企業もケナに3000㌶の農場を所有している。

 

●完全無農薬栽培について

（1）乾燥した気候から害虫が少なく無農薬栽培には比較的に取り組みやすい環境である。

（2）農作物の作付けの間にネギなど、虫が嫌がる作物を植えるなど様々な有機農法、無農薬栽培の様々な方法がある。

　　まずはルクソールで行われる無農薬栽培の手法について現地人に聞くのがよい。

（3）消費者の理解度に対して無農薬栽培の手間との折り合いを考える必要がある、現状の卸売業者はその価値を評価しないだろう

（4）エジプトにも無農薬栽培、有機栽培の認証機関があるので、認証をとることも視野にいれてはどうか→Hanyは知っているだろう

 

●チューブ灌漑

我々の農地では井戸水（ナイルの伏流水）を使用しているため、水量の関係上チューブによって農作物の根元に水を流す仕組みを採用してもよい

 

●ハウス栽培について

（1）現在エジプトで広がりをみせている施設栽培

（2）UNIDO（国際連合工業開発機関）と大使館が共同でルクソールの施設栽培の支援をしていたのでサンプルとして見に行くなどしても良いかもしれない

 

●エジプトの農業の価格の乱高下

（1）特にエジプトではトマトの価格の乱高下が有名、一旦誰かが特定の作物で儲かるとみんな真似をして価格が崩落することはどの国でもよくあること。

（2）エジプトは農業に恵まれた土地柄であることから、野菜の価格の乱高下が起こりやすい