キーウに留まり、支援を続けるLyudmylaさんの話 （前半）

©CARE/Sarah Easter

 

ウクライナでの激しい戦争は、すでに2か月以上に及んでいます。500万人以上が国境を越えて近隣諸国に逃げてきました。しかし、高齢者や障がいのある人々、病気を患っている人々など、弱い立場にある人々は逃げることができず国内に留まっています。

 

ウクライナでCAREは、開発支援と人道援助において確かな実績を持つ多くのパートナー団体と連携して、支援を届けています。例えば、これからお伝えするLyudmylaさんのようなボランティアや地元の小さな取り組みに対しても、柔軟に支援の方法を模索し、財政的な支援などを通じてサポートしています。

 

そして、今後6か月で、ウクライナ国内に留まる15万人以上の人々に対して、支援を届ける予定です。

 

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Lyudmyla Yankinaさんは、ウクライナに残っている1人です。彼女はウクライナの首都キーウの地下にある緊急避難所で暮らしています。街へ続く道には爆撃された家と燃え尽きた戦車が並んでいます。ブチャやイルピンのような名前が世界中に広まっている場所とは、わずか数キロの距離にあります。

 

38歳のLyudmylaさんは、2014年にドンバス地方からキーウへと逃げてきました。2022年となった今、「もう十分です。二度と逃げることはありません。ここで人々を助けます」と彼女は言います。

 

彼女は看護師として訓練を受け、今、物資が完全に遮断されている地域に住む人々を助けることを使命としています。そして、食糧、薬、その他の切望されている物資を人々に届けています。 

 

「定期的に薬を必要としている200人には、自宅まで薬を届けています。彼ら・彼女らは身寄りがなく、困窮した高齢者がほとんどです。多くの人がお腹を空かせています。1週間も何も食べていないという90歳の女性もいました。中には癌を患っている人もいます。彼らは薬がなければ生きていけません」と、Lyudmylaさんは教えてくれました。

 

◆女性ひとりでのボランティア活動
最初の頃、Lyudmylaさんは自分のお金で必要な物資を購入していました。その後、彼女は資金が底をつき、フェイスブックで助けを求めたところ多くの寄付が集まりました。寄付が届くたびに、彼女は頭の中でそれを計算します。「0.25ユーロあればサンドイッチが買えます。5ユーロあれば、車で数キロ移動できます。」

 

Lyudmylaさんは毎日100〜150 kmを車で走行して、助けが必要とする人々を訪ねます。キーウの西側は完全に遮断されており、彼女が街を横断するのに6時間以上かかることがよくありました。キーウの村や郊外にたどり着くのも一苦労です。

 

「運転している間、道路脇にあるミサイルが爆発しないことを毎日祈っています」

路上には、戦争の影響があちこちに見られます。
「以前、子どもたちの遺体が乗ったままの車を見かけました。崩壊している建物を見るたびに、瓦礫の下に埋もれたままの住民を思い、涙がこぼれます」と、Lyudmylaさんは言いました。
 

（明日、後半のストーリーをお届けします）