応援メッセージいただきました！佐藤扶由夫さん（２）

 

 

 

自分は「金八先生」のリアル世代なのだが、当時通っていた中学校もご多分に漏れず「荒れていた」。校内暴力も起こり、２年生の後半はあまり授業をちゃんと受けていた記憶がない。他のクラスに突如入ってくる「ヤンチャなグループ」と指導する先生の間で口論になり、他の生徒は生徒で好き勝手にしている、なんてことも日常茶飯事だった。どうしたらいいのかわからなかったが、何か心の中がもやもやして、何もできない自分がいたたまれなかった。

やがて、ひょんなことから生徒会長に選ばれた。（この状況で立候補する奇特なヤツは他にいなかったし、何を隠そう自分も学年の先生たちに体育館で囲まれて「半ば強制的に」立候補したようなものだった）生徒会に入ったことで、急に大きく事態は変わらなかったが、１つだけ自分にとって大きく変わったことがあった。

 

 

「語り合う仲間ができた」

 

 

目の前で起きていることの大きさに振り回される無力感。何かできないのか、と思いつつできずにいる焦燥感。そういうことも含めて語れる仲間ができた。そうして、その仲間との語り合いを経て、学年集会の時に今起きていることへの自分の気持ちを同級生全員の前で壇上で語った時は足が震えていた。今となっては何を言ったか覚えていない。きっと拙い、言葉足らずのスピーチだったに違いない。集会が終わり、教室に戻りながらもビクビクしていたことは覚えている。誰かに呼び出されるか、冷たい目で見られて嫌がらせでもされるか・・・そんな時に廊下で一人の奴が近づいてきた。はっと身構えた自分にそいつは言った。

 

 

「ありがとな。俺も同じように思ってたけど、言えなかった」

 

 

そして、その一言だけ言って去っていった。そして、その後はいつもの生徒会の仲間と語り、嫌がらせも呼び出しも（どんな宇宙の計らいかわからないが）起きなかった。

 

 

あれから40年近くが経った。「チェンジ・ザ・ドリームシンポジウム」とこの50歳も過ぎたオジサンの思い出語りと何の関係があるのか、と訝る方もいるでしょう。金八先生を気取って「人という字は・・・」とか、そんなことは流石に言いませんが、

 

 

「もし自分の目の前に起きている出来事に何かを感じていながら、語る場も相手もなく、日々を過ごすしかない。そして、そんな自分にさらにモヤモヤするとしたら、チェンドリとそこで出会う人たちはあなたにとっての「生徒会の仲間」になってくれるかもしれない」

 

 

そんな風に自分は思っています。今回の e-learning 化にあたって、同じ感覚を持つ人たちの語りの場がさらに増えて、必要な人に届いていくことを心から願ってやみません。

 

 

 

【佐藤 扶由夫（ Fuyuo Sato ）プロフィール】
CRR Global Japan Ltd. 共同代表
https://crrglobaljapan.com/

東京外国語大学卒業 東京都出身
人と組織の可能性を開くエグゼクティブコーチ/システムコーチとして日本、中国、シンガポールなどAPACを中心にグローバルに活動している。 大学卒業後、私立中高一貫校で教鞭をとる中でコーチングを学び、同僚の教職員にコーチングセッションを行う組織内コーチ（スクール・コーチ）を担当。7年間で1200時間のセッションを行いながら、学校組織活性化の一端を担った。独立後は「組織と関係性システムコーチング® (ORSC®)」のファカルティとしてトレーニングを提供すると同時に地元の企業からグローバル企業、さらにはNPO・NGOなど様々な組織に組織開発や個人コーチングなどで関わっている。
また、世界最大規模のアウトドア・サバイバルスクールである Tracker School や Boulder Outdoor Survival School など国内外の様々なアウトドア・プログラムに参加し、自然に対する学びを深めてきた。自然環境と社会の両方へ働きかける活動の一環として、チェンジ・ザ・ドリーム シンポジウム のトレーニングリーダーを経て、現在は八ヶ岳山麓の森に移住し「命は関係性の中にある」という内田節氏の言葉をテーマとして、新しい生活のあり方を家族と共に模索し続けている。