「令和の本堂大改修」プロジェクト終了報告
令和5年夏。
大阪の宝を、日本の宝に。将来の「国の重要文化財」指定を見据えた「令和の本堂大改修」を多くの方々の想いと一緒に取り組んでいきたいという思いでクラウドファンディングに挑戦し、結果、皆様の温かいご支援が積み重なり目標額を大きく上回る1,448万円というお気持ちに支えられました。
このプロジェクトにご理解とご支援をいただきました233名の方々に改めて感謝申し上げます。
【「令和の本堂大改修」 三大工事終了 】
令和5年5月10日の起工式より約2年が経過した現在、ようやくすべての足場が解体され、本堂外観の全貌が見渡せるようになりました。
修復工事完了、検査を経た引き渡しの期日が11月と定まり、現在は設備関係の復旧や最終美装の行程に入っています。
「令和の本堂大改修」には大きく下記の3つの工事が含まれていました。
- 地盤改良基礎補強工事
- 床下構造耐震免震工事
- 大屋根銅板葺き替え工事
地盤改良基礎補強工事
本堂が建つ基壇では周囲を囲む間知石を一度解体し、基壇をむき出しにさせた状態で液状化防止の土地改良工事が行われました。平野の地盤は軟弱でボーリング調査によると沈降の箇所が何か所も見受けられましたが、本堂が建つ基礎部分には昭和の初めに行われた人力による石つきによって強固に固められていたと報告がありました。
床下構造耐震免震工事
また、今後起こりうる南海トラフ巨大地震を見据えた構造調査において、耐震構造を施す必要があるとの見解から、「はしごフレーム」という木造柵による耐震工事が行われました。はしご状の木枠を床下や壁内部の柱と柱に取り付けられます。この木造フレームが巨大地震の揺れに効果を発揮してくれます。
大屋根銅板葺き替え工事
「令和の本堂大改修」における大きな目的が大屋根銅板葺き替え工事です。

大念佛寺本堂の大屋根は本瓦葺きといって、平たい銅板の間に半丸状の銅板が据え付けられ、通常の瓦葺き同様の威風が感じられます。その大屋根に使用していた銅板は「緑青」という銅独特の青みがかった錆びが付着し、独特の風合いを楽しませてくれました。
しかし、昭和13年建立より台風を始めとした自然災害で各所に損壊が見受けられ、この度の大改修に至っています。今回の修復工事には、当時使用されていた銅板でも比較的損傷が少なく、使用可能な銅板を抽出して再利用しています。
その理由に文化財保存の観点から旧銅板を極力残して欲しいとの大阪市文化財保護課からの指導があったことが挙げられます。
新調する銅板は丸瓦約5,320枚、平瓦約8,000枚を購入し、正面にあたる東向きと裏面の西向きに葺かれ、その中でも丸瓦を勧進瓦として皆様の芳名や祈願文を記入しております。
支援者皆様の芳名と祈願を大屋根に載せてこれからもご本尊と大念佛寺参拝の皆様を見守ってくださることでしょう。
「令和の本堂大改修」における3大工事は全ての工程を終えています。
【「令和の本堂大改修」支出報告】
今回の総工費は設計監理の伊藤平左エ門建築事務所と施工の金剛組株式会社に総額 約12億6千万円を支払います。
皆様からのご支援頂いた資金は、全額総工費のために使用させて頂きました。
【返礼品発送状況について】
ご支援の中で返礼に関係する全11コースの返礼品は全て発送させていただきました。
その中でも「自分の銅板が葺かれる ‐現場見学にご招待-」は令和7年1月23日(木)、24日(金)、25日(土)に行い、改修中の本堂特設足場へご案内し葺付設置、写真撮影、ご見学をしていただきました。ご支援の一部となる「銅板瓦」を手にしての写真撮影や、設置される様子をご覧になられる支援者の方々には大変喜んでいただくことができました。
【本堂落慶・慶讃法要 令和8年5月1日~6日】
大阪の宝を、日本の宝に。「令和の本堂大改修」は本年11月の引き渡しをもって完遂し、12月にはご本尊をはじめ諸仏諸尊が本堂にお還りになられ、法要も本堂にて執行されます。
本堂の完成を披露し、ともに慶びを分かつ「本堂落慶・慶讃法要」は2026(令和8)年5月1日から6日までと決定いたしました。
ぜひとも、大念佛寺に有縁の皆様はもとよりたくさんの方々とともに慶びの法悦に浸りたくご案内申し上げます。
「令和の本堂大改修」は将来の「国の重要文化財」指定を見据えた事業です。
今後も私たちは文化財保存に注力していくことをお約束いたします。
また、令和13年には融通念佛宗を開かれた元祖聖應大師良忍上人の900回御遠忌が厳修されます。
良忍上人が伝えられた「私」と「私以外の人々」をつなぐ融通和合の心。令和の輝きを放つ大念佛寺本堂で高らかにお念仏を通して伝え広げていきたいと考えております。
改めまして、ご支援ご協力をいただきました皆様にここに厚くお礼申し上げます。




















