気が利くほど不便になる？

パソコンを地域の方にお教えしたり、障害者の方が使いやすいように手順を工夫したりすることは、いろいろな意味で発見があります。

 

最近は発見したことを忘れて、また「再発見」ということもあるにはありますが・・・。

 

最近の発見といえば「気が利くほど不便になる」ということでした。

パソコンやスマホ、タブレットのアプリでは、機能がたくさんあるために、目的の作業をするのにたくさんの操作が必要になることがあります。ファイルを開くのに、何度もフォルダを開いてその中からやっと取り出すといったことです。

 

しかし、最近では「よく使う項目」という便利なコーナーができていて、昨日何度も使ったようなフォルダが一番あたまに出てきているというわけです。

 

これはぱっと目に付くのですぐに利用できてとても便利で気が利いています(^^)

 

ところで、視覚障害の方(特に全く見えない方)は音声で画面を読み上げながら操作します。全体を見ることができないので固定的な（決まった）コースをたどるのが基本です。

 

生活の場においても同様で、そのような方のお宅にボランティアとしてお伺いするときは椅子や荷物などが部屋に置いてあるときは決して移動させたりしません。うっかり動かすとその方にとっては「なくなってしまう」からです。

 

パソコンでも同様です。気を利かせて便利なものが出たり変化したりすると視覚障害の方は混乱してしまいます。昨日はうまくいった手順が今日はできない、ということになるからです。

 

このような場合はたとえ、ボタンを20回押すようなこと(遠回り)になっても、確実に同じ操作でできるような手順を探し出してお教えすることが必要になります。

 

さまざまな利用者の方を考えるとき、気を利かせるのは誰のため？と問いかける発見をしたことでした。