この時期にはめずらしく山形は雪がまだ降りません。

そして今日はクリスマスですね。

羅漢さまとちょっとずれますが、

クリスマスにちなんで(?)

敢えてお地蔵様のお話「笠地蔵」をご紹介させていただきます。

 

【笠地蔵】

むかしむかし、ある雪深い地方に、

老夫婦が住んでおりました。

貧しさのあまり、年の瀬がせまっても、

新年を迎えるための餅すら買うことができません。

そこでおじいさんは、自分でつくった笠を売りに町へ出かけます。

けれども笠はひとつも売れません。

吹雪いてくる気配がしてきたため、

おじいさんは笠を売ることをあきらめ家路につくことに。

吹雪の中を歩いていると、道端に七体のお地蔵様を見かけました。

そこでおじいさんは、

売れ残りの笠をお地蔵様にかぶせて上げることにしました。

六体のお地蔵様に笠をかぶせましたが、

最後の一体にかぶせる笠が足りません。

おじいさんは、お地蔵様に持っていた手ぬぐいを被せ、

帰宅しました。

おじいさんからわけを聞いたおばあさんは、

「それは良いことをしました」と喜び、

餅が手に入らなかったことを責めませんでした。

その晩、老夫婦が寝ていると、

家の外で何か重たい物が落ちたような音がします。

ふたりは扉をそっと開け、外の様子を伺うと、

なんと家の前には、

米俵・餅・野菜・魚などの様々な食べものと、

小判などの財宝が山と積まれておりました。

お地蔵様のおかげで、

老夫婦は良い新年を迎えることができましたとさ。 

お仕舞い

 

【利行は一法なり】

皆さん『修証義(しゅしょうぎ)』をご存知ですか?

これは、曹洞宗の開祖・道元禅師の『正法眼蔵』をもとに、

明治時代に作られたお経です。

その中に「利行は一法なり。あまねく自他を利するなり。」

という言葉があります。私たちはともすると、

「他人を利益すれば自分の利益は失われてしまうから、

まずは自分を利益することを行おう。」

と考えがちです。しかし仏教では、

「他と関係なしに、それ自身が独立で存在しているものは一つも無い。

すべては密接につながっている。」と説きます。つまり、

「他人を大事にすることが、自分を大事にすることにつながっている。」

というのです。

 

私は寺の副住職ですが、

映画『クリスマス・キャロル』が昔から大好きです。

あの我利我利亡者のスクルージの姿が、自分自身の姿に重なります。

そして、「自分も改心したスクルージのように、

皆さんの幸せを、自分の幸せのように感じられる人間になりたい!」

「自分もスクルージのように変われるんだ!」

と希望を抱かせてくれるのです。

宗教を超えて世界中に愛されるストーリーだと思います。

 

「笠地蔵」に登場するおじいさんは、

困っているお地蔵様を見つけると、

自分自身がひもじい状態なのも忘れ、思わず笠をかぶせます。

それは、慈悲の心から生じた、

決して見返りを求めない純粋な行ないです。

だから、私たちを感動させずにはおかないのでしょう。

寒い冬だからこそ、ほっこりするお話ですね。

以上、拙いお話でしたがご勘弁ください。そして

メリー・クリスマス♪

 

永昌寺・副住職 布川浩久

*写真は昨年のものです。

*笠地蔵は「ウィキペディア」を参考に引用させていただきました。

 

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