支援総額
目標金額 830,000円
- 支援者
- 108人
- 募集終了日
- 2016年1月24日
七条仏師・康朝(長谷洋一先生による解説)
「文化財マネージメント」代表の宮本です。
日本彫刻史(仏像の歴史)の専門家で、特に近世(江戸時代)を中心に研究されていらっしゃる長谷洋一先生(関西大学教授)から、解説文を頂きましたので掲載いたします。
主な内容としては、今回のクラウドファンディングで修復する永昌寺の十六羅漢像を制作した仏師、康朝についてです。
やや専門的な内容になりますが、ここ以外では読むことのできない貴重な情報ですので、ぜひご覧くださいませ。
永昌寺十六羅漢像は文化年間(1804~1818年)頃の製作と伝えられ、岡田靖氏の報告からは台座内側に「七条左京」の墨書があることから康朝の作品とみられます。
康朝は宝暦9年(1759)3月5日に七条左京家の康伝の子として生まれました。
七条左京家は運慶以来の伝統・作風を江戸時代まで引き継いだ京都仏師で、江戸幕府の御用はもとより東寺や比叡山の御用を務めた京都仏師の名家です。
康朝は安永3年(1774)3月30日に16歳の若さで法橋に叙せられます。
父康伝が26歳で法橋に叙したことから、康朝は宮本晶朗氏のいう「最も正統で、最も高い技術を誇る工房」であった七条左京家の若きプリンスであったとみられます。
同年4月には福井・永平寺の女神像、大権修利菩薩像を父と共に修復し、翌月には京都・八坂神社西楼門の随身像を祖父康音、父康伝とともに製作しています。
また安永5年(1776)には三重・東海寺の親鸞聖人像を製作しています。
寛政5年(1793)9月17日に父康伝が亡くなり、康朝は「大仏師職」を引き継ぎます。
「大仏師職」は当時の京都で最高位の仏師に与えられる称号で、七条仏師以外は名乗れないことになっていました。
康朝は寛政9年(1797)に秋田藩主佐竹氏の菩提寺である天徳寺金剛力士像、文化6年(1809)には津軽藩主菩提寺の青森・長勝寺金剛力士像など藩主からの製作依頼に応えています。
上質な作風や康朝の実力もあって寛政11年(1799)10月26日に41歳で法眼に叙されています。
文化8年(1811)には延暦寺と山麓の日吉大社関係の仏・神像の修復を行い、同14年(1817)には山形・龍泉寺十六羅漢像を製作しています。
このほか年紀の分からない康朝の事績として、祇園祭の山鉾「孟宗山」の御神体(人形)の製作や三重・本光寺聖徳太子像の修復などがあげられます。
康朝の弟子である福地善慶も山形・相応院の大日如来像(寛政8年・1796)を製作しています。
いずれの作品も江戸時代後期を代表する仏像です。
康朝は文政元年(1818)5月7日(6日)に60歳で亡くなりました。
永昌寺十六羅漢像はそれぞれの動きが柔らかく、また唐様に基づいた、知り合いの誰かを彷彿とさせるような表情をみせており、江戸時代後期の仏像の基準作となるべき仏像です。
安土桃山時代から江戸時代までの約300年間、殊に江戸時代の仏像は研究も少なく中世と近代の狭間でミッシング・リングの状態になっています。
地域の歴史のみならず日本彫刻史全体からもきわめて重要な永昌寺十六羅漢像の保存事業にあたって、お一人でも多くの援助をここにお願い申し上げる次第です。
リターン
3,000円
■ 奉加証明書
■ 十六羅漢ポストカード
- 申込数
- 36
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年6月
10,000円
■ 奉加証明書
■ 十六羅漢ポストカード
■ 十六羅漢オリジナル手ぬぐい
■ 修復報告書
■ 支援者様のお名前が書いた木札を仏像台座内に納入
- 申込数
- 57
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年6月
3,000円
■ 奉加証明書
■ 十六羅漢ポストカード
- 申込数
- 36
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年6月
10,000円
■ 奉加証明書
■ 十六羅漢ポストカード
■ 十六羅漢オリジナル手ぬぐい
■ 修復報告書
■ 支援者様のお名前が書いた木札を仏像台座内に納入
- 申込数
- 57
- 在庫数
- 制限なし
- 発送完了予定月
- 2016年6月
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