ジェンダーに基づく暴力(Gender Based Violence: GBV)とはなんでしょうか。


GBVは、ドメスティック・バイオレンス(DV)、レイプ、
性的暴行、心理的・社会経済的虐待など、
社会文化的性差を理由とするあらゆる形態の暴力
のことを指します。

(もっと詳しい定義を知りたい方はこちら

ネパールにおいては非常に深刻な問題です。


ネパールでは・・・

・ 15歳ー49歳の女性のうち22%(5人に1人以上)が、15歳以降に少なくとも一度の身体的暴力を受けており、そのうち9%は、1年以内に暴力を受けています。

・ 15歳ー49歳の女性のうち12%が、一生のうちに少なくとも一度の性暴力を受けています

また、2008年に行った調査では、ネパールのスルケット郡とダン郡では、81%の女性が日常的にDVを受けているという調査結果も出ています。

(上記のデータは、全て"Nepal Preliminary Mapping of Gender Based Violence"より)


ジョイセフがネパール地震後の緊急支援を行っていたとき、
巡回診療サービスと同時に、このGBVのカウンセリングも並行して行っていました。
なぜなら、以前からGBVが高かったネパールにおいて、
災害後にはさらに被害が大きくなることが想定されたからです。

震災後のGBVカウンセリングの様子。奥がカウンセラー。


そして、実際に暴力を振るわれた女性たちに遭遇しました。
GBVを受けた女性たちへの理由として、私が最もよく聞いたのは、
「娘しか産まなかった」ということによるものです。

男尊女卑で、男児を尊ぶネパールでは、
それが暴力や離婚原因になったりすることもしばしばです。

当然のことながら、娘しか生まれなかったのは、母親の責任ではありません。
しかし、そのことを、男性も女性もきちんとした知識を持っていないがために、
男性は暴力を正当化し、女性は反論もできないという傾向があります。


ある別の村では、腕や顔から血を流した女性、Rさんがやってきました。
最初は「転んだ」と言っていた彼女ですが、なにか様子がおかしいと思い聞いたところ、
夫から日常的に暴力を振るわれているとのことでした。

Rさんは腕や顔から血を流した状態でやってきた。夫からは日常的に暴力を振るわれている。


さらに、その夫は、お金も渡さず、持っていたお米も尽きてしまったため、
彼女や子どもたちは昨日からほとんど何も食べていないとのことでした。

そこで、Rさんには、さらなるサポートを受けられる窓口も紹介しましたが、
離婚が社会的に良しとされていないネパールにおいて、
離婚をするという選択は非常にハードルが高いのが現状です。

また、自分の父親や親戚のおじさんなども、
家で日常的に暴力を振るっていたことを見ていた女性も多く、
GBVを受けている状態になっていても、それが普通である、
もしくは自分が悪いからと、感覚が麻痺してしまっていることも多いです。

 

ですから、こうして相談をしてきてくれたのは、
実際にGBVを受けている中の、ほんの一握りの女性たちというのが現状です。


だからこそ、彼女たちは暴力など受けてはいけない存在であること、
また暴力を受けたら、しかるべきところに相談すべきであること、

さらには女児が生まれてくることに関し、

女性が問われるべきことでは全くないということ、
そういったことを、ネパールの女の子たちが結婚前から
きちんとした知識を持つことは、非常に大切
です。

 

女の子や女性たちが、自分自身の身を守れるようになるために、

みなさまからのご支援、どうぞよろしくお願いいたします。

新着情報一覧へ