ゴミがエネルギーに!地域社会で取り組むゴミゼロ×創エネ活動
【お礼】
クラウドファンディングでは大変お世話になっております。お陰様で研究が進み、想定していた以上の成果が得られました。無事に研究報告できることを、本当に嬉しく思います。皆様には本プロジェクトに多大なサポートを賜り、誠にありがとうございました。今後も研究活動を続けて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【成果報告】
なかなか登校できない状況の中(2020年4月-)、共同研究企業の協力で固体酸化物燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell: SOFC)を試作し、都市固形廃棄物(Municipal Solid Waste: MSW)としてバイオマス、プラスチック、食糧残渣成分を使用して発電試験を実施しました。試験していく中で、①800°Cでのガス化反応を触媒によって制御できること、②アノード反応が酸化鉄触媒を介したシャトル機構で進行していくこと、③燃料量とともに性能が高まること、④燃料種類によって性能が異なること、⑤いずれの燃料でも有機残渣が少ないこと等が把握できました。その結果、2020年8月時点で出力密度が最大574 mW cm-2、エネルギー密度が最大0.95 Wh g-1、発電効率が最大18.3%の性能を得ることができました。また、ここまでの成果を論文にまとめ投稿した(ACS系ジャーナルに2021年2月掲載)。その後、具体的なMSWとして雑草に着目し、燃料電池特性を評価するとともに、雑草構成成分と電池性能との関係も解明しました(Elsevier系ジャーナルに2021年5月掲載)。なお、現在(2021年6月)は廃プラスチック燃料に特化し、その発電特性評価を継続して行っています。
【写真並びに図】

雑草(ススキ、セイタカアワダチソウ、葛)を燃料に使用したSOFC.

ススキからの電力を利用して、プロペラを回転させ(上)、LEDを点灯させることができました(下)。

雑草を燃料に使用したSOFC性能:電流ー電圧曲線、電流ー出力曲線。雑草による性能の違いは、そこに含まれる成分、主にリグニンの量の差に起因していました。
【収支報告】
「収入」
寄付総額:2,180,000円
マッチングギフト(大和リース株式会社):1,500,000円
総額3,680,000円
配分
燃料電池研究(日比野): 2,271,000円
周辺研究(長尾): 750,000円
大学事務経費: 300,000円
Readyfor手数料: 359,000円
「支出」
燃料電池研究(日比野)
・論文オープンアクセス(OA)料 583,378円
・デジタルマルチメータ-― 31,680円
・実験用温水器一式 160,050円
・ガラス管ヒューズ 18個 1,749円
・アクションカメラ、三脚、SDカード等 107,570円
・撮影用器具(LED、プロペラモーター) 11,696円
・実験用雑費 9,548円
・Pt触媒付き電極 313,632円
・人件費 154,000円
・繰越金(継続研究での消耗品、論文OA料、英文校正料)
897,697円
総額 2,271,000円
周辺研究(長尾)
・データロガー 119,900円
・繰越金(継続研究で発生する費用) 630,100円
総額 750,000円
【補足情報】
上の成果報告とは別に研究成果を分かりやすく解説した動画及び成果概要を公開しましたので、ご活用していただければ幸いです。
動画:https://nuss.nagoya-u.ac.jp/s/6DTcAgg8nwWAPgJ
PDF:https://nuss.nagoya-u.ac.jp/s/HoxeaLbPP3Yz9ZK
【今後について】
この研究はどこで区切りを付けるかが難しいところですが、繰越金が残っていますので今年度中を目途に私が継続して行い、その後大学院生に引き継ぐ予定です。






















