ノット・フォー・セール・ジャパン(NFSJ) の山岡 万里子です。
今日10月18日は、EUでは「人身取引反対デー」、イギリスでは「奴隷制反対デー」です。(ちなみに国連では7月30日を「人身取引反対世界デー」とし、問題の存在を知らせ行動を促す日に定めています。)
 

人身取引(=人身売買)や奴隷と聞くと、歴史上の、あるいは遠い第三世界でのできごとだと思っている方が多いのですが、じつは今この瞬間にも、日本をふくむ世界中のあらゆる国で起きていて、約4030万人が奴隷状態にあると言われています。(2017年ILO,WFF,IOMによる推計値。)
 

本プロジェクトにもイラストを寄せてくださっているみなみななみさんが、2年前にNFSJの「人身取引反対世界デー」キャンペーンに合わせて描いてくださったイラスト

 

大ざっぱに言うと、人身取引とは「他人を奴隷にする行為」のことで、その目的は「搾取」、つまり他人をこきつかって利益をかすめとることです。労働搾取・性的搾取にくわえ、臓器売買、児童兵士、強制結婚、物乞いやスリの強要などを目的とした人身取引もあります。多くの国の鉱山、農場、工場、建設現場、売春宿では、まともな賃金も払われず体罰・脅し・借金でしばられ、働きつづけている人々がいます。
 

人身取引・奴隷労働は、この日本でも起きています。いまや全国に28万人いる外国人技能実習生の一部は、借金を背負って来日し、時給300円という低賃金、月百時間以上の残業、休日無し、劣悪な住環境、不当な罰金、虐待、強制帰国の脅し、などに耐えながら、奴隷状態で働いています。だまされて入国し売春を強要される外国人女性もいます。

 

内閣府が発行している人身取引啓発ポスター2018年版

 

日本人の女子高生や若い女性たちは、ネット広告や路上スカウトにより、パーツモデルなどのバイトに応募したつもりが、実はアダルトビデオへの出演を強要されるという被害もあとを絶ちません。年間1,000件近く摘発される、18歳未満の子どもの性を買う児童買春は、たとえ強制的な手段をとっていなくても、また被害者が同意していたとしても、国際的な定義によれば人身取引にあたります。

 

ノット・フォー・セール・ジャパン(NFSJ)では、このような人身取引の問題を伝え、他団体とともに政府や国連機関への提言活動を行っています。NFSJが担当する「企業のエシカル通信簿」の「人権・労働」部門では、企業行動の中に人身取引や奴隷制への関与が入り込みそうな部分について、いくつかの問いを設定しています。

 

たとえば、
・自社あるいはサプライチェーンにおいて、強制労働を防ぐ手立てがあるか。
・長時間労働や低賃金を防いでいるか。
・イギリスの「現代奴隷法」を遵守しているか。

また「性の商品化への加担を防ぐために、社員旅行・行事での買春等を禁止しているか」などという、企業調査では珍しい項目もあります。昨年調査したコンビニ業界については、成人向け雑誌等の販売禁止の有無を問う項目も設けました。
 

人身取引や現代奴隷は案外身近にひそんでいます。犯罪組織だけでなく、企業も間接的に加担している可能性があり、「企業のエシカル通信簿」は、その点に光を当てようとしています。ご支援をよろしくお願いします。

 

 

人身取引問題を考える、ノット・フォー・セール・ジャパンの講演会

 

 

 

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