袴田事件を再審無罪へ。最高裁に立ち向かう、弁護団に応援を。

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支援総額

17,948,000

目標金額 10,000,000円

支援者
1,453人
募集終了日
2020年10月16日

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2020年12月24日 02:04

最高裁、高裁への差し戻しを決定。再審無罪への大きな一歩!

主文

原決定を取り消す。

本件を東京高裁に差し戻す。

 

どういうことか、できる限り分かりやすくします。

 

今回(12月22日付)の決定の意味するところは、最高裁判所が袴田さんは無罪であるということを示唆、実質的にそういう決定をしたということです。

 

 

 2014年、静岡地裁の決定では再審(裁判のやり直し)を開始せよという決定を発表しました。これは、1980年に確定した有罪死刑判決(これを確定判決といいます)には合理的に考えて重大な疑問がある。だから、裁判をやり直せ。また、袴田巖さんをこれ以上拘置(同棒に入れ続けること)するのは、「耐え難いほど正義に反する」。だから、死刑と拘置は執行停止する、でした。袴田巖さんは即日釈放され、以来6年以上も、重大な精神的ダメージを抱えながらも姉上のひで子さんと穏やかな暮らしを続けています。これは、静岡地裁(村山裁判長)が実質的には「無罪宣告」をしたという意味なのです。

 

 ところが、静岡地裁決定への検察の異議申し立てを受けた東京高裁は、2018年、再審開始決定をひっくり返したのです。実質的には「有罪死刑判決」です。それでも、死刑と拘置の執行停止に触れるところまでは行きませんでした。検察の主張を受け入れながらも、最高裁にバトンを渡したのです。

 

 さて、最高裁です。担当は、5人の判事で構成する最高裁第3小法廷(林道晴裁判長)。弁護団は何通もの特別抗告補充書(最高裁への意見書)を提出して再審開始(再審無罪)を訴えてきました。ただ、最高裁での再審請求審(裁判のやり直しをするかどうかの審理)とは、普通の裁判(公判)とはやり方が全く違います。地裁や高裁でのやり方も非公開なのですが、それでも三者協議(裁判官と検察官、弁護人の密室での協議)で論議ができた。しかし、最高裁では協議もできない。そもそも担当裁判官と面会すら拒否されてしまう。意見書を出すことしかできない。審理がどう進んでいるのか、いつ決定が出るのか、皆目見当がつかないのです。

 ですから、期待しながらも心配や不安な状態で、ただ待たされていたのです。しかも、先行して最高裁決定が出された大崎事件の場合、考えられないほどの不当な決定でした。なので、最高裁決定には、最悪の場合「再収監」(巖さんが拘置所に戻されること)も想定しなければいけないという心配をしながら、じらされていたのです。

 予想される決定は、3通りです。最悪の場合、高裁決定を認めて再審開始を棄却する。次善は、高裁への差し戻し(審理が尽くされていないとして、やり直し命令)。最善は、再審開始を自判(最高裁が自分で決める)する。

 

 今日、突然に「最高裁決定」が袴田ひで子さんあてに届きました。結果は、高裁への差し戻し。巖さんの再収監はなし。死刑の執行停止と、釈放も継続されます。ほっと一息というところですが、その内容に立ち入ると、驚きです。最高裁に正義が息を吹き返したかのような内容だからです。その要点を説明します。

 

  1.  最高裁は、下級審の判決や決定について、「憲法違反があるか」という点を判断するのみで、事実認定には触れないというのが普通です。重大な事実認識の誤りがある場合のみ事実の審理に踏み込むのです。今回は、「犯行時の着衣」と認定された5点の衣類に付着していた血痕の色について「科学的な検討が不足している」と判断。その点をもう一度しっかりとやり直しなさいと、高裁に審理の差し戻しを決定したわけです。             
  2.  5人の裁判官で意見が分かれました。最高裁で反対意見がついたのは初めてのことです。「高裁への差し戻し」が3人。反対意見の2人が「自判して再審開始」と、より進んだ判断でした。再審請求審で意見が分かれることが異例で、さらに異例なのが双方とも無罪方向での意見の違いだということです。ですから、反対意見というよりも、おとなしい意見と、それをより徹底させた意見と言うべきものでした。
  3.  全員が一致しているのは、高裁の再審棄却決定は5点の衣類に付着した血痕の色についての判断が間違っており、違法であるという点です。血痕の色が、1年2か月も味噌漬けになっていたにしては「赤味」が強すぎるという疑問です。これだけでも、有罪死刑判決は崩れ去るでしょう。5点の衣類は「ねつ造されたもの」という弁護人の主張を裏付けるからです。
  4.  どこで意見が分かれたかというと、DNA型鑑定の評価についてです。双方とも、高裁決定にある本田鑑定への偏見を批判しています。本田教授の科学者としての名誉回復が図られたと言えます。そのうえで、鑑定結果が確定判決に疑問をさしはさむだけの価値があるかどうかという点で意見が分かれたのです。3人が本田鑑定にはそこまでの信頼性がないとし、2人は鑑定結果には問題があるものの、確定判決への合理的批判として有効であるとしたのです。
  5.  3人の意見は、高裁決定に対する厳しい言葉での批判を含む無罪方向での評価ですが、より慎重で「差し戻し」という穏やかな結論でした。「再審開始」を主張する2人に至っては、静岡地裁の再審開始決定を下した村山裁判長の再来かと思わせるような評価で、実質無罪を示しています。

 

今後、東京高裁での審理になりますが、今回の最高裁決定に影響される内容にならざるを得ないので、この最高裁決定は「再審無罪」への大きな一歩です。

 

23日に行われた弁護団記者会見の様子が『袴田チャンネル』にアップされましたので、ご覧ください。

 

 

 

 

リターン

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