第3回反ヘイトスピーチ基礎講座@銀座のお礼とご報告
ご無沙汰しております。
銀座No!Hate小店です。早いものでもう12月。なにかと気忙しい季節になってまいりました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
私たちは『九月、東京の路上にて』『子どもの法律』『No!Hateどら焼き』の発送手配を完了させまずは一息、といったころです。これから開催報告書も進めてまいりますが、今日は簡単に「第3回反ヘイトスピーチ基礎講座@銀座 1923年への時間旅行」の様子をご報告します。
当日は60名を超える皆さまにご参加いただきました。
初の平日夜ということもあり、時間配分と会場のレイアウトを少し変えてみました。講師の方を囲むように扇形に参加者の皆様のお席を配置しましたところ、より一体感を感じられると好評を頂きました。また、どうしても休憩無しの慌ただしい進行となってしまうため開場を少し早めにし、開始までを小店名物のコーヒーとどら焼きとでゆったりと過ごして頂けるように致しました。
さて、第1部の恒例の渡辺先生の講義。通常は1時間はかかる所、この時間旅行に最小限必要なガイダンスを20分で!とかなり無理なお願いを致しました。
ヘイトスピーチには必ずデマと噂が含まれること、デマを放置すると虐殺にまでエスカレートすること、そして人間には都合の良いものを信じる心理「確証バイアス」というものがあること等々のお話を伺って、いよいよ『九月、東京の路上で』の著者加藤直樹さんと作家の中沢けいさんの登場です。
第2部は、中沢さんの朗読で震災前の銀座のハイカラな様子の紹介から始まりました。続いて、見渡す限り焼け野原の銀座の写真が映し出され、災害の激しさに言葉を失います。東日本大震災を知る私たちにとっても他人事ではない気持ちになりながら、加藤さんのお話を伺いました。
朝鮮人大虐殺は、大地震の大混乱の中でパニックになった人たちが発作的に殺してしまったという単純な話ではないこと。「あいつらは何をし出すかわからない」という差別意識から発生したデマを、警察や行政が信じ拡散してしまったことがより事態を悪化させた人災であること。
災害時に差別的なデマを広げないことこそが、関東大震災の大切な教訓といえます。しかし、東日本大震災や熊本地震の時にも民族差別的なデマは流されました。幸い大事にはならなかったものの、現在も素地はあることから目を背けてはいられない。過ちを繰り返さないためには、何があったのかを謙虚に学ぶしかない。
しかし、虐殺から1世紀近く時が流れ、今では「朝鮮人が暴れたから虐殺された」と主張する人たちが出てきました。加藤さん、中沢さんのお二人からは、当事者や当事者を直接知る人が減っていく中、当時の混乱した状況の中で新聞が掲載した流言蜚語を”根拠”として歴史を歪める事への怒りが伝わってきました。
会場にも「あの時、父が殺されかけた」と体験を語ってくださった方がいらっしゃいました。そのリアルを、一人でも多くの方と共有していくことは、ヘイトスピーチを放置してはいけないと声を上げる勇気となる。そのように思えてなりません。
今回の開催をご支援下さいました皆さまに、小店スタッフ一同、心より感謝致します。本当に貴重なお話を伺うチャンスを頂きました。ありがとうございます!
開催報告書では詳しくお伝えして行きたいと考えておりますので、どうぞもう暫くお待ちくださいませ。
次回第4回の開催は来年2月を予定しております。詳細が決まりましたらまたお知らせ致しますので、引き続き暖かいご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。