さて、具体的には私たちは、ストリートチルドレンのためのストリート・スクール(青空学級)とドロップ・イン・センター(宿泊できる児童館)の運営を始めました。ストリート・スクールは、毎日決まった時間、決まった場所で教育の機会を提供しました。そこはストリートチルドレンとの出会いの場であり、関係づくりの最初の場でした。また、ドロップ・イン・センターは、子どもたちが日中好きな時間に自由に利用できる施設で、清潔な厨房やシャワーを利用することができました。

 

活動開始当時、活動地域の住民の目は冷ややかでした。一部のストリートチルドレンは市場の売り物を盗んだりすることもあったため、地域では疎んじられる存在だったのです。そこで、住民が子どもたちを自分たちの社会の一員として認めて守るようになるよう、働きかけを行っていきました。ドロップ・イン・センターの行事に地域住民を呼ぶ、地域住民による委員会の結成など、9年間かけてさまざまな取り組みを進めました。

 

 

その結果、徐々に地域住民が子どもの衣服やドロップ・イン・センターの食事の食材などを寄付してくれるようになる等の動きが生まれました。ストリートチルドレンを取り巻く社会、特に地域社会が変わったという大きな変化でした。

 

この経験は、何か課題を解決するときには、その課題を抱える人々だけを対象に支援するのではなく、彼らの周辺の人々、社会へ働きかけて周辺の意識や行動を変えることが大切だということを教えてくれました。

 

今、私たちが取り組んでいる家事使用人として働く少女たちの支援活動でも、その考えが強く生きています。雇用主、保護者への働きかけの他、自治会などを通じて地域住民、メディアを通じてバングラデシュ社会に関心を持ってもらえるよう働きかけを行っています。

 

このような40年以上の試行錯誤を経て、今の支援活動があるのです。今日もまた、現場では新たな失敗と発見があって、それは明日のよりよい支援につながっています。

 

ぜひ、みなさんに、この家事使用人として働く少女の支援活動の試行錯誤、そしてどんな成果を生み出すのか見守ってほしいと思っています。簡単ではないかもしれません。でも、その道を一緒に歩んでくれる仲間をひとりでも多く増やしたいのです。

 

その一歩を、このクラウドファンディングへのご支援で始めていただけないでしょうか。

 

 

次回は、私が駐在時に出会った少女ハシナちゃんとのお話を紹介したいと思います。

新着情報一覧へ