かすみがうら市へ茅集めと古民家の見学に行ってきました！

このプロジェクトは、茅葺き屋根の全面葺き替えを目指し活動し年々高騰する茅代を少しでも抑えるため、また茅葺き屋根に親しむために有志を募り、12月につくば市の茅刈りボランティアに参加したり、濱田窯の茅場で茅刈りの活動してきました。

それをきっかけとして、茅葺き屋根所有者の皆さんから、「今年は自分の家は葺かないから、ぜひ使ってください。」と、まさに「結」の精神でお声かけいただきました。

その中のお一人で、茨城県かすみがうら市にて茅葺き屋根の保存に奮闘されている藤井浩一さんよりご連絡を受け、まるで海のように広大な湖、「霞ヶ浦」近くの茅場を訪れました。



藤井さんが茅を事前に刈ってくださったおかげで、私たちは束ねて運ぶのみ。また有志メンバーも茅刈り参加2回目以上の猛者たちが揃いサクサクと作業が進みました。「茅刈りに慣れてきて、より楽しくなって来た！」という感想も。



休憩時間に、藤井さんの案内でかすみがうら市の古民家や地元の神社などご案内くださって、歴史好き、建築好きなメンバーは前のめりで見学。そしていよいよ藤井さん所有の茅葺きの母屋へ。





「台風19号の時に風に煽られ屋根が吹き飛んだんですよ。」と軽妙に語る藤井さんの雰囲気とは裏腹に、その無残な茅葺きの姿に一同言葉を失いました。

5年前まで藤井さんも暮らしていたその民家は、新築が18世紀初頭以前と伝えられ築250年以上にもなり、職人の技が随所に見られる見事な建物でしたが、屋根を失った瞬間から家としての機能を失ってしまうという事実を目の当たりに…。

藤井さんの地域ではここ数十年「結」のような繋がりも無くほぼ1人で自前の茅場を管理し、差し茅をするなど守ってきたそう。文化財申請なども検討したのですが叶わず、何か手立ては無いかとやさと茅葺き屋根保存会に加入したとのこと。歴史深いご先祖の想いの詰まった古民家を一人守る、藤井さんの健気さが心にささりました。


 

茅刈りでの交流を通して、様々な問題を抱えた各地の茅葺き屋根を知ることとなりました。離れてはいてもお互い力になり、励まし合って行ければと思いました。
茅の提供と、親切なご案内を下さった藤井さん、茅刈り有志メンバーの皆様にあらためて感謝申し上げます。



共に茅葺き長屋門を残し、育てていきましょう！

引き続き本プロジェクトへのご支援・ご声援よろしくお願いいたします。
 

益子濱田窯 × 筑波大学大学院生 有志チーム