プロジェクト概要

精神障がいを抱えたメンバーが生活できるだけの工賃を得られるように玉ねぎ生産を機械化したい!


 はじめまして。「作業所ひな」の農作業支援担当の松本しょうと申します。学生のときから畑を借り、スーパーに出荷をしていました。一般大学卒業後、1年間だけ福島で農業や農産物加工を学び、埼玉で新規就農して5年間、有機・無農薬にこだわった野菜作りを行ってきました。3年前に、作業所ひなと出会い、畑作業を立ち上げるため、純粋な農家から福祉職として農作業支援担当として働くことになりました。

 

 

 「作業所ひな」はさいたま市岩槻区で最初にできた精神障がい者のための就労支援施設です。障害者総合支援法で提供しているサービスは、就労継続支援B型となります。A型との違いは労務契約を結ばないところで、最低賃金が保障されません。訓練時の作業に対して工賃が支払われています。しかし、下図にもある通り、平均工賃月額は自立して生活できる金額とはほど遠いものになっています。

 作業所の多くが工場などからの下請けの内職作業であり、平均工賃月額が低くなる要因となっています。「作業所ひな」では、年々平均工賃月額は上がって来ており、とりわけ畑作業を導入して、野菜の生産と販売をしてから大きく伸び始めました。以前の水準では月額1万円台が最高でしたが、現在では4万円台と改善されました。これをさらに押し上げていくために、みなさまのご協力が必要です。

 

 

埼玉県の平均工賃月額の推移の元データの参照URL

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0605/s211/documents/kenkoutingakusuii.pdf

 

障害者雇用の限界に直面。労働市場の中で不利な立場に追い込まれるくらいなら「支援付き雇用」を自分たちの手でつくるしかない!

 

 最初は、メンバーの就労のための訓練の場として考えていましたが、精神障がいを抱えるメンバーが企業に雇用されることに大きな壁を感じるようになりました。卒業したメンバーが企業の障害者枠の中で働いていても、人間関係や上司の言動など配慮に欠けることがあり、1年続くか、続かないかといった実態があります。さらに最近で言えば、障害者雇用の水増し問題が明らかになり、やはり労働市場の中で不利な立場に追い込まれるぐらいなら、当事者と支援者でつくる「支援付き雇用」の場が必要であると改めて考えるようになりました。

 作業所ひなでは、3年前に、畑作業をスタートし、少しずつではありますが、メンバーに分配できる工賃が増えてきています。しかし、生活できるほどの工賃かと言えばまだ十分ではありません。工賃単価もあと少しで最低賃金に手が届くところまできました。作業所ひなを就労継続支援の制度を使いながら「ソーシャル・ファーム(支援付き雇用の場)」として、障がいがあっても、無くてもだれもが働きやすい場を作っていきたいと考えています。

 ここで使っている「ソーシャル・ファーム(支援付き雇用)」の言葉は、福祉的な就労支援にとどまらず、「支援」のある働く場ということになります。「支援」は一般企業の障害者雇用のように「配慮」ではなく、相談、助言、他の社会的資源との調整など専門的な支援を指します。そうした環境下で障がいあっても、働きながら、自立した生活のできる賃金を分配できるようにします。現行の制度である就労継続支援B型の枠ぐみを利用しながらの運営になります。

 

 

 作業所ひなの圃場は、土壌消毒をはじめ一切の農薬を使用していません。

 

 

 近くのスーパーに出荷していますが、玉ねぎやじゃがいもを大量に販売すると余りを出してしまいます。販路の拡大が急務です。

 

 

 セルプバザールin浦和(大宮)駅コンコース、地域の大学で販売なども行っています。メンバーたちが野菜を作って、売ることもやっています。お客さんから直接の反応がいただけるため、メンバーもモチベーションアップにつながっているようです。

 

安定した出荷先のある玉ねぎ生産の大規模化で、分配する工賃をアップさせます。

 

 今年になって、埼玉県の障害者農業参入チャレンジ事業に認定され、玉ねぎ生産を作業所ひなの主要な事業にしていくプロジェクトを立ち上げました。すでに有機・無農薬でこの事業を本格化させるためには、機械化が避けて通れません。今回購入させていただく機械は、トラクターに取り付けるマルチ張り機、玉ねぎの移植機です。県事業で支援いただけるのは、土壌診断や指導者の派遣、肥料やマルチなど資材や苗に限定されます。そうなると大規模な事業展開ができず、またメンバーに多大な負担をかけたり、スタッフが玉ねぎの生産に従事し、十分な支援が行えないなど本末転倒な事態が生じかねません。だからといって、小規模ではおこずかい程度の工賃になってしまい、メンバーの自立した生活に足る工賃とまではいかなくなってしまいます。スタッフ5名の小さなNPOで正直資金力に乏しいため、このプロジェクトを支えて頂く多くの方の協力を必要としています。

 

 

 昨年は、何とかメンバーとスタッフでマルチを張り、たまねぎ苗を植えましたが、やはり時間がかかってしまい。これ以上の規模拡大は難しく、企業と取引きするためには、もう少し規模拡大が必要になります。メンバーも負担感が大きいとのことでこれ以上は厳しいそうです。

 

ソーシャル・ファームとして、「支援付き雇用」つくり上げ、障がいを抱えていても自立した生活を送れるようにしていきます。

 

 今回のプロジェクトは、安定した販路がある「玉ねぎ生産」の規模を拡大することによって、工賃をさらに向上させ、生活できる水準での分配を実現させていきます。室内作業が、工場の下請けの内職作業ばかりではそうはいきません。玉ねぎ出荷のための調整作業などを室内作業として行うことで、外で働くことが難しいメンバーでも作業することができるようなります。障がいがあっても、無くても、だれもが働きやすい雇用を自分たちで作っていくことで、力量に応じて、仕事をし、自立した生活を送れるようにしていきます。

 

 

2018年12月15日までに、
特定非営利活動法人ひなが「慣行玉ねぎ苗移植機」と「マルチャートラクタ用」を
購入したことをもって、プロジェクトを終了とします。


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