ウクライナ西部への空爆について

先週末、ウクライナ西部リヴィウ州にある軍事施設への空爆が報道されました。

［ロイター］2022.3.13

 

リヴィウ州は私たちが活動拠点とする予定のザカルパッチャ州の北隣にあり、多くの大使館や国際機関が活動機能を移していた州でもあります。

提携団体であるSTEP-INはザカルパッチャ州にベースキャンプを置いており、幸い被害はありません。

しかしこれまで比較的安全とされてきた西部地域ですが、予断を許さない状況になって来ました。

 

私たちの活動では、国内避難民の方への保健・医療支援も含まれていますが、西部のリヴィウ州やザカルパッチャ州では国内避難民や越境を目指す人々が流入し続けていることで、医療機関の受け入れに大きな支障をきたしています。

たとえばリヴィウ州のとある小児病院では、定員30名のところを、首都などから移送されて来た小児がん患者も受け入れ、約100名をケアしています。

さらに空爆や攻撃予告のサイレンが鳴れば、小児患者と治療器具を一緒に慌ててシェルターへ避難させねばならず、生命の危険と、ストレスが過大にかかる状況にあります。

イヴァノ=フランキウシク州の病院への医療物資搬入（STEP-IN提供）

 

このような過酷な状況を、私たちはイラクやシリアでも見て来ましたが、現地からの報告を聞くたびに胸が締め付けられます。

一刻も早い停戦の実現を祈ると共に、IVYとSTEP-INは今この瞬間に支援を求めている人々のために活動を続けてまいります。

ぜひ皆様のご支援・ご協力をお願い申し上げます。

https://ivyivy.org

 

スロバキアとの国境に避難してきた人々（STEP-IN提供）

食事や温かい飲み物の提供、心理ケアなどにあたっています。

 

 

 

▶︎参考データ

UNHCR（国連高等難民弁務官事務所）が公表している国外避難民の数と、避難先は以下の通りです。（3月15日現在）

・ポーランド　1,830,711人

・ルーマニア　459,485人

・モルドバ　337,215人

・ハンガリー　267,570人

・スロバキア　213,000人

・ロシア　142,994人

・ベラルーシ　1,475人

・合計3,000,381人

https://data2.unhcr.org/en/situations/ukraine