ニーズ調査から見えてきた避難民の方々の様子

 

　西部と南部の病院支援のために行ったニーズアセスメント（調査）では、避難民の方々が暮らす地域センターなど公共施設も訪問しました。その時の様子をご報告します。

 

■ 避難生活の不安から、心身に不調を訴える方が増えている

 

　その一つ、ザカルパッチャ州の公共施設では、181人の避難民の方々が宿泊されていました。

　彼らの殆どが女性、高齢者、子どもたちです。そして避難民の方たちにどのような点で困っているか伺ったところ、避難生活が続く中で不安から胃腸炎になったり、夜眠れずに困っている方がいました。障害を持つお子さんのために補助具を求めている方、療法士のケアを希望する方もいました。そして、心のケアを求める声が最も多かったようです。

 

　心身の不調の問題だけでなく、経済面の心配をされている方もいました。それは、紛争のために失業した方々もいるからです。

 

　このように避難民が抱える問題は深刻ですが、それでも、避難民を受け入れるホストコミュニティの方々がボランティアとして避難民を支えている様子が印象的でした。公共施設で温かい炊き出しをするホストコミュニティの方もいらっしゃいました。

 

■ 248の軍事施設が攻撃された

 

　とても残念なことに、写真にもあるように今回の軍事侵攻では既に248の医療施設が攻撃を受けました。病院の修復はすぐにはできませんが、今回の調査で出会ったウクライナのホストコミュニティの方々や避難民の方々と協力し、病院に必要な機材・医薬品を届けることで、人々の心身の健康を取り戻すことに、IVYは貢献していきます。

 

 

（写真提供　STEP-IN）

 

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認定NPO法人　IVY

尾立素子　海外事業担当