#がん治療の種を育てよう|がんが治る病気になる日まで不屈の挑戦を。

#がん治療の種を育てよう|がんが治る病気になる日まで不屈の挑戦を。

支援総額

4,289,000

目標金額 3,000,000円

支援者
291人
募集終了日
2022年7月31日

    https://readyfor.jp/projects/japanese_cancer_association_81th?sns_share_token=&utm_source=pj_share_url&utm_medium=social
    専用URLを使うと、あなたのシェアによってこのプロジェクトに何人訪れているかを確認できます
  • Facebook
  • X
  • LINE
  • note
2022年10月14日 12:00

日本癌学会学術総会にて若手研究者支援セミナーを行いました

第81回日本癌学会学術総会若手研究者支援プロジェクト実行委員会主催ランチョンセミナー
『がん治療の種を育てよう~若手研究者活躍のための支援のあり方を考える』

●日時:2022年10月1日(土)11:50~12:40

●会場:パシフィコ横浜 会議センター5階502

●参加者数:150名

 

 第81回日本癌学会学術総会では、近年の若手会員数の大幅な減少を受け、若手研究者支援プロジェクト実行委員会を設置しました。学術総会に先駆けてクラウドファンディングを行い、286名、11企業から合計約500万円のご支援と暖かい応援メッセージを頂きました。この活動は毎日新聞東京新聞をはじめとするメディアに取り上げて頂き、大きな社会的な反響がありました。クラウドファンディングは、若手研究者を対象としてポスター賞を授与し、研究を奨励することを主たる目的として行いました。加えて、若手研究者の置かれた環境の改善を目指す取り組みとしてランチョンセミナーを企画し、若手研究者と研究費の問題をテーマに行政担当者と研究者が意見交換をする場を設けました。

 

 本セミナ―では、まず行政の若手研究者支援の取り組みについて、日本医療研究開発機構 (AMED) の小川原陽子さん、文部科学省の池田宗太郎さんより講演を頂きました(以下、全ての発言は個人の見解を含むものです)。小川原さんからは、AMEDはがんの基礎研究から最終的な実用化に向けて様々なフェーズで研究費支援を行っていること、また (1)若手を対象とした若手育成枠もしくは若手研究者を優先採択する公募、(2)リサーチレジデント制度という若手雇用育成経費の支援、(3)がん若手研究者ワークショップの開催及び海外派遣支援、という3つの若手支援の枠組みについてご紹介頂きました。池田さんからは、独立前後にある若手研究者に最長10年間、平均年700万円を支援する創発的研究支援事業の設計の経緯を中心に、若手から中堅・シニアに至るキャリアパスの各フェーズに応じた支援、特に若手の独立のタイミングは中堅への過渡期であり、若手研究やさきがけから基盤研究等の他の研究費へ移行する際の研究費のギャップを創発がカバーし、切れ目のない支援を実現する制度設計について解説を頂きました。
 
 講演後、双方向議論のツールである「Slido」を用いて本セミナー参加者に対してアンケートを行い、その結果について意見交換を行いました。パネリストとしてAMEDから温川恭至さん、小川原陽子さん、文科省から池田宗太郎さん、森岡文子さん、癌学会から鈴木淳史さん(九州大学)、冨樫庸介さん(岡山大学)、谷川千津さん(東京大学)、竹内康人さん(金沢大学)の総勢8名にご参加いただきました。計5問のアンケートに対して84名から回答があり、第1問で参加者の属性について尋ねたところ、内訳は学部生・大学院生が27%、アカデミアの非PI職が40%、PI職が27%、企業が5%でした(PI:principal investigator、研究室主宰者)。学生、非PIの若手が出席者の3分の2を占める一方で、多くのPIの方々にも参加して頂くことができました。

 第2問では若手研究者に対して、「アカデミアで研究を続ける上で不安に思っていることは?(複数回答可)」と質問したところ、「研究費の獲得」が56%と最も多く、続いて「成果が出るかどうか」「雇用(任期制)」が45%、44%という結果でした。(ここでの若手研究者は、創発の応募要件である博士号取得後15年以内としました。)「研究費と成果で迷ったが、研究費があると実験ができてうまく回っていくのでは(竹内)」との意見が出たように、研究費の獲得に多くの若手が頭を悩ませていて、さらに任期制の雇用であるため、成果を出して次のポストを獲得しなければならないという不安が悩みをより深くしていると考えられました。会場から「大きな研究室に所属すると成果を上げやすい一方、小規模な研究室でワンオペ状態の若手研究者は実績が不十分で予算が取りにくいのでは」という質問があり、「まずは若手研究や萌芽などの小型研究費に応募して実績を積み上げていくものではないか(池田)」「やりたい研究とお金があるタイミングで独立しないと、どうしても小規模になってしまう(冨樫)」というコメントがありました。
 
 第3問では「若手のうちに研究代表者として採択されたことのある研究費は?(複数回答可)」と尋ねたところ、「科研費(若手、基盤研究など)」が58%と多くの方が獲得しており、次いで「財団」26%、「特別研究員奨励費」21%、「AMED研究費」15%でした。これは非アカデミアの参加者を含む数字で、公表されている採択率より高い水準であり、参加者層のレベルの高さが窺えました。これに関連して、第4問で「若手のうちに研究費に応募した動機は何ですか?(複数回答可)」と問うたところ、「自分の研究費は自分で賄う」が最も多く54%、次いで「1つの業績として」が47%、「独自の研究を展開したい」「PI になる予備段階としての訓練」がそれぞれ37%、30%でした。「自分のお金があると、研究を発展させたいというマインドにもなってくる(竹内)」とあったように、自分の研究費を獲得することで、自由度の高い研究ができるメリットがあることが示唆されます。一方で「研究室の予算が足りない」という回答も27%あり、会場から「PIが全く資金を獲得できず、若手自身が獲得した小型資金がラボ運営と小さい成果で消えていく」という悩みが寄せられました。「若手がPI に文句を言う権利はありますが、そのPIを選んだのはご自身なので、とも思います(冨樫)」というコメントが出ましたが、研究室選びは難しい問題でもあり、より良い環境に身を置いて成長を目指すことも重要かと思われました。

 第5問では「若手活性化のためにはどのような研究費の充実が必要だと思いますか?(二つまで回答可)」と欲しい研究費について質問してみました。結果は「若手向けの高採択率の小型研究費(若手研究など)」が最も多く50%で、まずは小さくても自分の研究費を確保したいというところでしょうか。次点で「若手の独立を支援する研究費(創発など)」が34%でした。会場から「高採択率の研究資金を拡充しすぎると、学術的意義が低い研究にもサポートせざるを得ないなど様々なデメリットがあると思うのですが、どう思われますか」という質問があり、「学術性が比較的低い研究も含まれてしまうと思いますが、やっぱりチャレンジングな研究を支援することで、次につながる良い研究が出てくるのではないか(小川原)」、「個人的には若い人がチャレンジングなことをできる、ある程度長い期間の、独立を後押しするような研究費が良いのではと思います(冨樫)」との意見がありました。アンケート結果は「中堅・シニア向けの若手雇用/育成を含む研究費」が20%で続き、若手への直接的な研究費支援のみならず、「AMEDのリサーチレジデント制度など、若手の雇用の機会を増やすような研究費も大事だと思っていて、色々なパターンの研究費が充実している状況というのがやはり良いのかな、と感じました(谷川)」とのコメントでした。
 
 また、会場から「なぜ若手の定義に男女差があるのか、男女差で公的な研究費の獲得機会に差をつけるのは問題があるのでは」という質問があり、「女性の場合は出産というところをかなり意識して、(AMEDでの年齢制限に)プラス3年というところがあると理解しています(温川)」、「制度や人事面での女性支援はかなり整ってきているという声がある一方で、実際に女性研究者が活躍できるか、周りに気を遣わず遠慮なく研究ができるかといった面ではまだ遅れが出ているという意識が見られるので、(中略)女性研究者のライフイベント、負担が比較的大きいことに対する理解が必要かなと思っています(森岡)」、「研究者やコミュニティのダイバーシティがイノベーションに繋がるという話はあって、それを達成するために、ボトムアップで男女差がどうこうというよりも、集団としてどうあるべきかという観点で、ある程度女性の数を増やす取り組みの必要性は理解できるのかなと思います。ただし、そうしたアファーマティブアクション的な取組をいつまで続けるのか、つまりダイバーシティが担保された場合にそれをやめるのか、みたいな部分に漠然と不安を抱えている方も、特に男性の方ではいらっしゃると思っていて、達成すべき数値目標を示すなどすると、いがみ合いみたいなものも薄れていくのでは(池田)」という意見がありました。
 
 研究費以外の話題では、企業へのキャリアパスに関する質問が多く寄せられました。「企業ではなく、大学で研究しようと思った理由は何ですか?」という質問に対して、「キャリアパスはアカデミアだけではなくて、博士号を取った後、助教になった後でも、企業に行くこともできるというところで、非常に開けているということを認識して欲しいというのがあります。向いているかどうかというよりも自分の意思を大事にして決めていくのが良いかと思っています(鈴木)」「海外だとよく聞きますが、企業に行ってまたアカデミアに戻れるようになったら良いのかなと思います(冨樫)」とのコメントがありました。「若手研究者の減少には、先程から議論されている研究機関における研究環境以外に、企業が博士を取らないという側面もあるのでは」という質問に対しては、「企業は利益を追求しているので、博士を採用した方が利益につながると企業に認識してもらうということが一番の課題だと思っていて、昨年度から始まった大学フェローシップ創設事業やSPRINGといった事業の中で、企業インターンシップの支援や、コンソーシアムを組んで企業に博士を知ってもらおうという取り組みなどが各大学において進められているところです(森岡)」という回答を頂きました。
 
 議論の途中で時間切れとなってしまいましたが、会場からは多くの質問が寄せられ、研究費やキャリアパスなど研究者をとりまく諸問題に対して皆さん思うところが色々あることを実感しました。今後も議論を継続して若手研究者、ひいてはアカデミア全体が活性化するような制度の改善が進んでいくことを期待します。

(文責:座長 伊東 剛)

リターン

3,000+システム利用料


alt

#がん治療の種を育てよう|応援コース

■ 学術会長 村上 善則からお礼状のご送付
■ 総会時、開催の様子をまとめたご報告書の送付(pdf添付)

申込数
63
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年12月

5,000+システム利用料


alt

#がん治療の種を育てよう|応援コースA

■ 学術会長 村上 善則からお礼状のご送付
■ 総会時、開催の様子をまとめたご報告書の送付(pdf添付)
■ #がん治療の種を育てよう:咲いてからのお楽しみ"植物の種"セット送付

申込数
62
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年12月

3,000+システム利用料


alt

#がん治療の種を育てよう|応援コース

■ 学術会長 村上 善則からお礼状のご送付
■ 総会時、開催の様子をまとめたご報告書の送付(pdf添付)

申込数
63
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年12月

5,000+システム利用料


alt

#がん治療の種を育てよう|応援コースA

■ 学術会長 村上 善則からお礼状のご送付
■ 総会時、開催の様子をまとめたご報告書の送付(pdf添付)
■ #がん治療の種を育てよう:咲いてからのお楽しみ"植物の種"セット送付

申込数
62
在庫数
制限なし
発送完了予定月
2022年12月
1 ~ 1/ 12

あなたにおすすめのプロジェクト

注目のプロジェクト

もっと見る

新着のプロジェクト

もっと見る