皆さまからの温かいご支援、本当にありがとうございました。
皆さまからの温かいご支援、本当にありがとうございました。
40年以上続く紛争や、政変の影響で、アフガニスタンからパキスタンに逃れた多くの人びとは、厳しい生活を強いられましたが必死に働き、少しずつ普通の暮らしを築いていきました。中には、難民キャンプで生まれるなど、一度もアフガニスタンで暮らしたことのない方もおられます。そんな方々が、アフガニスタンへの帰還を強いられたのが、今回の人道危機でした。アフガニスタンでは2021年のタリバン暫定政権樹立後から続く経済制裁の影響もあり、度重なる自然災害、新型コロナウイルスの感染拡大など、様々な要因で経済は壊滅的な打撃を受けています。既に国民の半数以上が深刻な食糧不安に直面するアフガニスタンで、頼る人もない中暮らすことは想像を絶する厳しさです。
このような厳しい立場にある方々に思いを馳せ、ご支援くださったことに、深謝申し上げます。
皆さまのクラウドファンディングにより、生活のほとんど全てを失ってしまった帰還民の方へ、食糧をお届けし、生活再建への一歩を支えていただきましたことを、心から感謝申し上げます。
(事務局長 木山啓子)
【配布について】
パキスタン国境・アフガニスタン東部のナンガルハル県のうち、パキスタンから帰還した人びとの流入が特に多い4つの地域で、3日間の衛生教育を実施、約2か月分の食糧を配布しました。特に脆弱な人びとに優先的に支援を届けるため、コミュニティの人びとに協力を頂きつつ候補世帯を特定し、戸別訪問したうえで該当世帯を特定しました。
【対象の条件】
- 妊娠中、授乳中の母親のいる帰還世帯
- 女性、子ども、障がいあるいは慢性疾患を持つ人びとが世帯主である帰還世帯
- 世帯人数が10名以上の帰還世帯
※このうち、複数の基準を満たす世帯を優先しました。
【アフガニスタンの現状】
2023年9月中旬以降、2024年4月20日までの間に、55万7千人以上の人びとが、パキスタン政府による逮捕やアフガニスタンへの強制送還を恐れ、自らアフガニスタンへ帰還しています。
現地では、国際機関をはじめとする様々な団体が支援活動を行っていますが、アフガニスタンへ帰還する人びとの流れは、比較的細いながらも絶え間なく続いています。そのため、帰還した時期によってその支援活動の対象から漏れてしまい、支援を待つ方がいることがわかりました。
今回はその状況を考慮し、通常1地域あたり1度で終了する特定作業を、期間をあけ2度行うことで、脆弱な人びとを漏れなく事業の対象とすることができました。
今後は、帰還された人びとを含め現地に居住する人びとが、継続的に自立した生活を送れるよう、支援活動を継続してまいります。
参考データ:UNICEF Afghanistan Humanitarian Situation Report No. 4: March 2024
【収支報告】
皆さまからクラウドファンディングを通じて託していただいたご寄付129万3,000円は、経費を引いた全額を衛生教育及び緊急食糧配布に使用させていただきました。また事業実施に際しては、クラウドファンディング以外の形でジェンに託していただいたご寄付や助成金も使用させていただきました。
(1)衛生教育
食糧配布前に、衛生的な食糧の扱い方や保存の仕方、ごみの処理方法等についてお伝えしました。あわせて、食事をとる前の手洗いの重要性や方法についてお伝えするとともに、ご家庭ですぐに実践いただけるよう、1度の研修修了ごとに石鹸を1つ配布しました。
(2)食糧配布
2カ月相当分の食糧パッケージをお届けしました。食糧を受け取った方の中には、数日間食事をすることができていないとおっしゃる方もおり、日本からご支援くださった皆さまに感謝の意を表されました。また、事業を実施したコミュニティに対し配布世帯の特定基準について説明を行い、透明性を担保したかたちで事業を実施することができました。
【リターンのニュースレターの発送】
ニュースレター95号は、6月27日発送予定で郵送にてお送りさせていただきます。
【今後について】
ジェンは、2001年からアフガニスタンでの支援活動を行ってきています。
アフガニスタンは2021年8月のタリバンによる全土掌握以前から、さまざまな危機に直面してきました。40年以上続く紛争、厳しい干ばつ、鉄砲水や地震などの自然災害、国際社会の制裁に端を発した社会経済的な影響で貧困は深刻化しています。アフガニスタンはいまも人道危機の真っただ中であり、人びとはとくに脆弱な立場にあります。
ジェンは、これからも、厳しい生活を余儀なくされた方がたのニーズを確認しながら、自立を支える活動を継続してまいります。
皆さまが支えてくださったアフガニスタンの人びとを、どうか忘れず、今後もジェンの活動を見守ってくださいますと、幸いです。改めて、皆さまからのご支援に感謝いたします。
特定非営利活動法人ジェン