その働き方あと何年できますか？自分のための働き方を考える講演会開催

本の一部を紹介する第2回目です。

 

ぜひ、本の理解を深めていただくために

こちらも参考にしてみてください。

 

また、この情報をとおして

支援につながると嬉しいです(^^)/

 

 

 

さて、今回は・・・

 

「ぼくらの『給料』はどうやって決まる？」

というお話をお伝えしていきますが、そもそも論として、

日本企業の給料の決まり方を解説しておきます。

 

結論から言うと、給料は何を成し遂げたか、

どれくらい利益に貢献したかでは決まりません。

 

要は、成果ではなく、

労働者として来月もちゃんと生きて、

ちゃんと働けるための

必要経費を渡されているだけです。

 

その会社の中で言われた仕事をします。

来月も再来月も同じように言われた仕事をします。

 

その会社の中で仕事をし続けられるように、

給料としてお金をもらいます。

 

つまり給料とは

「そこにいて、言われたことをやる」

ということへの対価なのです。

少し言葉がきついので、補足します。

 

まず、給料の決まり方には、

大きく分けて2種類あります。

 

（１）労働者の成績に応じて支払う「成果報酬型」

（２）明日も労働者として働いてもらうために

　　　必要なお金を渡す「必要経費型」

 

ほとんどの日本企業は（２）の

「必要経費型」で給料を支払っています。

実力主義・成果主義を取り入れている企業はありますが、

そうはいっても2倍の成績を上げたら

2倍の給料になる会社はほとんどありません。

 

フルコミッションの営業会社など以外は、

成果主義といえど「成果を一部考慮しているだけ」で、

基本は「必要経費型」を採用しています。

そして、マルクスが資本主義の給料の決まり方として

分析したのも(2)の「必要経費型」でした。

 

この理屈を要約して説明します。

 

マルクスは、商品の価値は、

その商品を構成する要素の積み上げで決まると分析しました。

 

たとえば、おにぎりの価値は、

お米・具材・海苔・包み紙（フィルム）など、

「おにぎりを構成している要素」の価値の合計で決まります。

 

おにぎりを作るのに、お米が必要、具材が必要、海苔が必要、

そして包装するためのフィルムが必要です。

これらを合わせておにぎりができあがるので、

おにぎりの価値はそれらのコストの合計になるということです。

 

これは言い方を変えると、

 

その商品の生産コストが、

そのまま商品の価値になるということです。

 

そしてマルクスは、労働力も一種の商品と捉え、

労働力の価値も同じように決まると考えました。

おにぎりの価値は

「おにぎりを作るために必要なコストの合計」なので、

同じように労働者の給料は

「労働者にまた働いてもらうために必要なコストの合計」

になります。

 

 

たとえばこういうことです。

 

労働者が1ヵ月働いてエネルギーゼロになったとしましょう。

また次の月も働いてもらうには、いろんなお金が必要ですね。

 

家が必要です。

食べ物が必要です。

着るものが必要です。

少し息抜きするための娯楽費が必要です。

 

それらの費用の合計を「必要なコスト」として

労働者に払っている。これが給料です。

 

毎月給料をもらっているのに、

知らないあいだにいろいろ使って、

給料日前にはほとんど残っていないと感じる方は

多くないでしょうか？

 

お伝えしたように、

日本企業の給料の決まり方は

「来月もちゃんと働けるだけの必要経費を渡す」という考え方です。

だから給料日前にほとんど残っていないのは当たり前なのです。

 

しかも、年齢を重ねていくと、

相応の生活をしないと恥ずかしくなります。

いつまでも学生と同じとはいきませんので、

生活コストが上がるわけです。

 

生活コストが上がれば、その分を給料に上乗せして

払わなければいけません。

 

だから年次が上の人のほうが、給料が高いのです。

また、家族が増えれば養うためのコストが追加で必要です。

それを給料に上乗せします。それが家族手当です。

 

このようにマルクスは、労働者が生き続けて、

ちゃんと働き続けられるだけの必要コストが

労働力としての価値であり、それを給料として払っている

と解き明かしました。

 

 

次回は

 

「仕事をした実感がわかない日本の給料方式」

 

をお伝えします。お楽しみに！   木暮太一