私達は本プロジェクトの中で、ソマリア人若者ギャングと対話し続けてきました。

 

今回はプロジェクト参加をきっかけにギャングを辞めた、現在19歳のシレン君について、彼の生い立ちとギャングを辞めたその後の生活についてのインタビューを、Q&Aの形でご紹介したいと思います。

 

 

(昨年春の取り組みに参加した元ギャンググループ「Sitaki Kujua」のシレン君)

 

 

Q1:あなたの生い立ちを教えてください。

A1:

僕の名前はシレンです。ソマリアのモガディシュで生まれ、10歳の頃に父親の出稼ぎについてイスリーに移住してきました。初めは小学校に通っていたものの、父親の病死により学校に行けなくなりました。母親のいるモガディシュに戻りたくてもソマリアの治安は非常に悪く、かといって10代の小学校を辞めた子供を受け入れてくれる仕事は中々ありませんでした。生活の術にも困り、「お金を得たい、居場所が欲しい」と路頭に迷っていた際に友人から誘われ、ギャンググループに加入しました。

 

 

Q2:ギャング時代の、あなたの生活はどのようなものでしたか?

A2:

毎日昼過ぎに起きていました。起きてからは薬物を購入するためにお金を得る機会を探します。集めたお金を使って、夜は友達と薬物をやりながら、欧州サッカーを見ます。ソマリア人は皆サッカーが大好きなのです。その後は家に帰って寝る。それを繰り返す日々を過ごしていました。

何度か職を得ようとしましたが、自分がギャンググループにいたという過去や小学校を辞めて読み書きが十分にできないということを理由に、面接すら受けさせて貰えませんでした。

 

 

(恥ずかしがり屋の性格でありながら、みんなの前で意見するシレン君)

 

 

Q3:なぜギャングを辞めることにしたのですか?

A3:

プロジェクトに参加するまで、私の声に耳を傾けてくれる人はいませんでした。社会は自分をテロリストだと指差し、邪魔者扱いする。社会が変わってくれないなら、自分の状況は変わることがないと諦めている節がありました。しかし、あのプロジェクトに参加し、自分の行いが社会に対して大きな悪影響を与えていたこと、社会にも自分を1人の人間として扱ってくれる人がいること、自分から変わっていけば何か変えられるかもしれないということを感じ、できることから始めてみようと思いました。

そこで昨年のイスリーにおけるソマリア人を対象とした定期的な一斉摘発を機に、ギャングを辞めてソマリアに帰り、もう一度頑張ろうと決めたのです。

 

※ソマリア人を対象とした一斉摘発について(http://urx2.nu/gSHN

 シレン君はこの摘発から逃れるために、ソマリアへの帰国を決めた。

 

 

Q4:今の生活はどうですか?

A4:

10年ぶりに母親と一緒に生活することができているのが、何よりとても幸せです。また、ここでは自分をテロリストだと指さし、除け者にする人もいませんし、1人の若者として生きることができています。もちろん、昔の悪事を無かったことにするわけではありませんが、過去の自分を反省し、最近は真っ当な手法で生計を立てようと努力しています。とても充実した日々を過ごすことができています。

 

 

(写真右:社会復帰に向け、職を得ようと努力するシレン君)

 

 

Q5:プロジェクト参加の経験は今の自分に何か影響を与えていますか?

A5:

僕にとってあのプロジェクトは忘れられない経験です。あのプロジェクトのお蔭で、過去の自分と今の自分を冷静に見比べることができています。あの時、君達が僕に話してくれた「僕たちはこれからの社会を担い、変革していく若者だ」という言葉は今でも忘れられない。これからも、僕もそんな「若者」として頑張っていきたい。

 

 

(初めて出会った日の一枚)

 

ギャング一人一人に背景があります。

 

彼らと同じ目線で共に生きていく姿勢こそ、最も必要とされていることではないでしょうか。

 

私達は彼らと共に未来を歩んでいきます。

 

READYFOR?の募集終了まで、残すところ後20日となりました。

現在、66名もの方から温かいご支援を頂いており、総額は約78万円に達しております。ご支援くださった皆様、誠にありがとうございます。

 

残り12万円、1人でも多くのソマリア人若者ギャングを、テロリストになる未来から救い出すために。どうか引き続きご支援・ご協力よろしくお願い申し上げます。

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