パレスチナ・ガザ地区でお母さんと子どもたちの健康を守りたい！

みなさま、こんにちは。パレスチナ事業インターンの松田です。クラウドファンディングも残り4日になりました。いつも温かいご支援、応援を本当にありがとうございます。みなさまにはぜひ、最終日の10月30日（金）23時までクラウドファンディングの行く末を見守ってくださいますよう、最後までどうぞ宜しくお願いいたします。

 

さて本日は、先日の書籍の紹介記事（ガザの八百屋は今日もからっぽ）に続いて、「JVC職員がおすすめするパレスチナ映画」をご紹介したいと思います。

 

 

なぜわざわざ書籍や映画を紹介しているのか……？というと、今回のクラウドファンディングを通じて、ガザやパレスチナのことを一人でも多くの方に知って頂きたいと思っているからです。

私は今年の４月より、パレスチナ事業インターンとして活動をさせて頂いています。これまでJVCスタッフと一緒に働いてきて、スタッフの方達が現地の事業を実施するのと同じくらい、「日本に住んでいる人にガザやパレスチナのことを知ってもらう」という点に力を入れていることに気づきました。

 

インターンを始めるまで普通に大学生活を送っており、パレスチナやガザについてまだまだ勉強中の私ですが、今回の記事がどなたかにとって「ガザやパレスチナについてもっと知りたい」と思うきっかけになれば嬉しい限りです。
 

１つ目にご紹介するのは映画『ガザの美容室』です。9月にJVCスタッフになり、間もなくパレスチナへの現地駐在を開始する木村万里子のおすすめです。
　
【ガザの美容室】
監督はガザ地区で生まれ育った双子兄弟。「戦争中であっても、彼女たちは常に人生を選択している。僕たちは“虐げられたパレスチナの女性”ではなく、人々の暮らしを、死ではなくて人生を描かなきゃならないんだ」と監督が言っていたように、この映画ではガザに暮らす女性たちの「日常」を垣間見ることができます。美容室で順番を待っている女性たちのおしゃべりは、日本の地方にある美容室の情景と変わりなく思えます。ただ1点を除いては。家族、子育て、恋愛などに悩む女性たちの背景には、常にガザ地区をめぐる政治問題が横たわっています。男性たちは戦うことにより問題に立ち向かいますが、女性たちは「日常生活」を淡々と営むことで精いっぱい抵抗しているように見えます。物語という形ではありますが、恐らくその物語と大きく変わらない日常を、今も現地の女性たちが過ごしていることを考えると切なくなるとともに、同じ女性として隣で寄り添い、一人一人の人生を応援したくなりました。

 

　続いてご紹介するのは、エルサレム事務所駐在の山村順子がおすすめする映画、『オマールの壁』と『Giraffada』です。

 

【オマールの壁】
西岸に住むパレスチナ人が直面する困難をうまく表現しています。一度逮捕されるとイスラエル側に弱みを握られてコミュニティごと壊される（もしくはその危険性を抱えながら生きる）、という現実をうまく表しています。人を疑うしかなくなるという彼らのメンタリティも良く表していてリアルです。フィクションであり、ノンフィクションの要素が詰まっている映画です。

 

【Giraffada】
アラビア語で「キリン」と「インティファーダ」を組み合わせたタイトルです。占領下ではすべてのことに制限がつきまとうことをよく表現しています。パレスチナ唯一の動物園がある西岸のカルキリヤが舞台。第二次インティファーダ開始から2年後の2002年にイスラエルがパレスチナ側に大規模軍事行動を行った際のシーンが描かれていて貴重です。特にそういった中で生きる人々の葛藤を、子どもや動物の目線から見れるのが新鮮でした。

 

　クラウドファンディングチームの渡辺真帆からは、去年日本でも公開された『テルアビブ・オン・ファイア』のご紹介です。

 

【テルアビブ・オン・ファイア】

イスラエル国籍のパレスチナ人監督によるコメディ。人気テレビドラマの制作現場で働く主人公のパレスチナ人サラームは、通勤でイスラエル軍の検問所を毎日通る。そこの司令官アッシは、妻がドラマの大ファンで、サラームが通るたびに内容に注文をつけたり、自分の書いた脚本を手渡したり。その職権濫用ぶりが微笑ましいときもあれば行き過ぎたときもあり、現地にいた経験からは「あり得なくもないかも」と思える面白さです。対立の歴史と占領の現状、現地の人びとの世代間のギャップなど、監督の地に足のついた洞察が絶妙なユーモアでまとめあげられていて、いい意味で「気楽に」観られるパレスチナ映画です。
 

 

 

最後に、私が大学生になって初めて見たガザの映画をご紹介したい思います。タイトルは『歌声にのった少年』。

 

【歌声にのった少年】
ガザ出身の歌手ムハンマド・アッサーフさんの実話に基づいた映画です。わかりやすい内容のサクセスストーリーですが、途中で垣間見えるガザの風景や人々の生活を通じて現地の厳しさを知ることができました。ガザのことをほとんど知らない私の家族も興味を持って鑑賞していたので、周りの人とガザについて話す会話の糸口としてもぴったりな作品ではないかと思います。

 

ガザやパレスチナに関する映画はまだまだありますが、本日はこちらの5作品をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。

 

今回のクラウドファンディングでは、10月26日11時の時点で394名のみなさまからご支援と応援メッセージを頂いております。私はこれまでの日々の生活の中でパレスチナに関心を持っている人と出会うことがなかなかできなかったのですが、今回のクラウドファンディングを通じて、これだけたくさんの方がパレスチナに関心を持っていることに気づくことができました。

 

インターンの活動が少しでもガザの人々の生活環境の改善に結びつくよう、みなさまの存在に励みを頂きながら、これからも頑張っていきたいと思います。

 

現在、ネクストゴール達成まであと少しです。改めて、最後まで温かい応援のほど宜しくお願いいたします！